金曜日深夜(というか、土曜日早朝)、字幕なしで視聴していて、ようやく、タイ語がわかるようになりたいと思える内容になってきました(あくまでも個人的見解です)
このドラマ、放送終了しました&全面的にネタバレです。
ご注意くださいね。
【Ep.9】
(前回のおさらい)
再度、ドレスアップした姿で、Kyroにキスを迫ったSmile。ようやく、初志貫徹・・・かと思いきや、Kyroとキスをしながら、なぜか脳裏をよぎるのは、Badzとの今までのあれやこれや。
その気になったKyroに組み敷かれ、キスの先に進みそうになり、逃げだすSmile。
待ち構えていたBadzが、心配のあまり、責める口調になると、「あなたは何もわかってない」と飛び出す。
もう、Smileに教えることはできない、というBadzに、大人の愛し方を教えてほしいと要請するSmile。
Lizが祖母の誕生会で、親族に虐められていたところを助け出すKyro。
ホアヒンのコンドミニアムでは明かさなかった家族写真の秘密、自分の父親との確執を打ち明けることで、更に、精神的な結びつきを深める2人。
BFRと提携しているホテルの1室で、Smileに対し、ラブレクチャーを行うことになったBadz。
途中で怖くなったSmileが部屋を飛び出すと、Kyroの誕生日を祝うために、同じホテルを訪れていたLizとKyroと、廊下で鉢合わせする。
(おさらい終わり)
Badz「Smile、待つんだ!」
やみくもに駆け出した廊下で、誰かにドンと、ぶつかったSmile。
「ごめんなさい」
追い付いたBadzと共に、Kyro & Liz カップルと鉢合わせ。
Badz「Liz・・・」
Liz「Badz・・・」
4人の視線が、事態を収拾しようと、絡み合う。
いち早く反応したのは、Badz。
Badz「お前!」
Kyroに一発
え? なぜ殴る?
あんた、半裸で女の子、追いかけてきたんやで。
この中で一番、分が悪いじゃん。
Kyroも、黙ってやられてなんかいません。
当然、パンチの応酬です。
必死に止めようとするLizとSmile。
いくら嫉妬深いとはいえ、Badzの着火点、ちょっと危険領域。
なんか、血の気が多いんですけど、ここは(再三言いますが)微笑みの国(笑)
騒ぎを聞き付けたのか、ホテルスタッフも駆けつけて来ました。
スタッフ「どうかされましたか?」
Liz「いえ、大丈夫です」
ここは、取り繕うしかないLiz。
スタッフ「では、個人的なお話は、どうかお部屋でお願いいたします。他のお客様のご迷惑になりますので」
・・・というわけで、ちゃんと服に着替えたSmileやBadzと共に、4者面談です。
一転、静かなる修羅場。
Badz「なぜ、こんな奴とこんなところに来た?」
Liz「で、あなたは、この子とここで何をしてたの?」
Lizにしてみれば、当然の質問返し。
「君の考えているようなことじゃないんだ」
「じゃ、なにが確かなの?」
黙っていられず、口を挟むSmile。
「あの、彼を信じてあげてください。Badzと私の間には、何もないんです。これは・・・」
普通、ここは、Kyroのように、沈黙が得策でしょうねぇ。
Liz「もういいの」
Badzに近づき、Kyroに殴られた頬に、そっと手を当てるLiz。
痛みで、顔を歪めるBadz。
「もう、十分痛い思いをしてるはずよ」
「Liz・・・」
頬に当てられたLizの手を掴むBadzの手から、抜き去るLiz。
「別れましょう」
「嫌だ。考え直してくれ」
「もう、私を解放して。私たちは、自分たちの望む道を行くべきだわ」
ちらりと、Kyroに視線を向けるBadz。
「君は、この男と?」
涙をこぼすLizと、じっと黙ったまま、Badzを見据えるKyro。
自分達の部屋の前まで引きあげてきたBadzとSmile。
「Badz・・・」
自分の手に添えられたSmileの小さな手を、すっと外すと、部屋に入らず、廊下を引き返してしまうBadz。
ベッドに腰掛け、重いため息を吐くSmile。
飲み物を買って戻ってきたBadz。
「もう、戻ってこないかと思った・・・」
「どこに行くって言うんだよ?」
力なく、Smileのとなりに腰を下ろすBadz。
足元に置かれた酒類の入った袋を見て
「いくらなんでも多すぎない?」
「たいしたことないさ」
袋から取り出し、缶を開け、一口飲むBadz。
「じゃ、私も飲もうかな?」
Badzの飲んでる缶を手に取ると、自分でも一口飲むが苦すぎると訴えるSmile。
「俺の人生の方がもっと苦いよ」
そう言って、再び新しい缶を手に取るBadz。
~Kyroたちの部屋~
同じように、ベッドに腰かけているKyroとLiz。
Liz「ごめんなさい。誕生日が台無しになってしまったわね。お祝いの続きしましょうよ。ああ、食事。持ってきてって頼まなきゃ」
それどころじゃないのに、平然と振る舞おうとするLizのことが、不憫でたまらないKyro。
Kyro「Liz・・・」
「ええっと、フロントって何番か覚えてる?」
フロントに電話をしようとするLizを止めるKyro。
「Liz・・・。俺に話して」
「何を? 何について? 私とBadzが別れたの、見たでしょ、彼が何をしようと、誰とどこにいこうと、彼の勝手よ。話すことなんてないわ」
「君はどう思ってるんだ?」
「私は・・・また自由になったの。何でも出来るわ、もう、誰からも傷つけられない」
「自分は平気だって、自分に嘘をついてるうちは、自由になんかなれないよ。現実から逃げてるだけだ」
「じゃ、どうすればいいのよ!戻ってくれって彼にお願いしてほしい?あの子と一緒だったのを、あなたも見たでしょ?」
ようやく、感情的に泣き出したLizを抱き締めるBadz。
「誰もいなくなっちゃった」
「俺がいる」
「ううん。あなただって、契約が終わればいなくなるじゃない」
「契約のために、俺がここにいるって、誰が言った? 俺は君のためにいるんだ」
「嘘つき」
「嘘じゃない」
Lizにキスし、涙を拭うKyro。
「君が泣くのを見たくないんだ。泣き止んで。」
「止めさせて。彼を忘れさせて」
「いいんだね? 目を閉じて」
ベッドに横たわらせ、キスしても、お人形のように微動だにしないLizを、無言で抱き締めるだけのKyro。
「何してるの?」
「抱き締めてるんだ。泣き止むようにね」
「ハグだけ?」
「ハグで十分さ」
「あなた、すごく、変わったわ」
「どういう意味?」
「あなたのような遊び人がハグだけで止められるはずないのに。」
「他の女の子にはね。でも、君は他の子とは違う。君が、あいつのことをまだ考えているうちは、触れたりしない。まず、自分のことだけ考えて。それくらい待てるよ。ま、君が今すぐにでもって望むなら、全然OKだけどね」
ガバッっと(笑)、覆い被さるBFRのエース。
「ちょっと! 気が変わるの早すぎ!」
更に、(わざと)挑もうとするKyroを制すると、ちょうどそこへ、Lizの携帯に電話が。
「しまった!ケーキを頼んでたの、忘れてた!まだ、お祝いしてほしい?」
頷くKyro。
仕切り直しというか、あの修羅場が嘘のよう。
たぶん時間にして、あれからまだ1時間足らずなはずだけど。
「はい、お誕生日おめでとう」
目を閉じて、ろうそくの火を吹き消すKyro。
「何をお願いしたの?」
「口にしたら、実現しないだろ。願いが叶ったら、君に伝えるよ」
今度は、Kyroの携帯が鳴り、相手を確認すると出ずに、テーブルに戻るKyro。
「なんだったの?」
「何でもない。俺の叔母さんからだ。たぶんどうせ、親父の話さ」
「お父さん、どうかされたの?」
「叔母さんは、俺に、親父に会いに行ってほしいんだろうな。親父、病気だから」
「なぜ、会いに行かないの?」
一瞬、表情を変えたものの、「ああ、シャンペンを頼んでたのに。持ってくるように言わないと」と話を変え、そそくさと席を立つKyro。
メッセージが届いた音に気付き、気になって、Kyroの携帯を見てしまうLiz。
《あなたのお父さんは深刻な病気よ。入院してるわ》
******************
片や、だいぶ、お酒が進んだSmileたち。
以下、会話は酔っぱらい同士のものだと思って下さい。(笑)
「彼と付き合えなくても、まだ、この胸は痛むのよ、あなたには、どんなに傷ついたか想像もつかないでしょ」
「おい、思い出させてくれて、感謝するよ」
「ああ、ごめんね。そういうつもりじゃなかったの」
「じゃ、どういうつもりだったんだよ。つまり、誰かを忘れるのが辛すぎたら、それを助ける何かを見つければいいんだ!簡単なことさ。まずは、俺たちが何者かを忘れ、そして、誰を愛してたかを忘れ、最後に全部忘れるのだ!」
「オー! さすが!でも、きっと明日、目が覚めたら、また、辛くなるんだわ」
泣きべそをかくSmile。
「なぁ、そんなに忘れたいか?」
「うん!」
「違う方法があるけど、まずは、俺に飲ませろ!」
ごくっと一口。
「他の誰かを好きになれば、前の奴のことなんて、忘れられるんだよ」
「あー、新しい人を探せってことね」
「その通り! なぜなら、今、俺は失恋中だから」
「そう、私も失恋中!」
「なんで、俺たちは・・・」
またまた、至近距離に、みつめあう二人。
「・・・お互いの新しい相手を探す手伝いをしないんだ?」
・・・急に離れるBadz。
あらら、無意識の回避?
「私はこれから超悪い女になるわ。そして、私に向かって歩くすべての男と浮気してやる」
「おお、いいぞ!! 俺も女の子と浮気してやる、この世界のすべての!」
「私はね、自分の顔とおっぱいに、自分のお金を全部つぎ込むことにする」
「俺も!毎日ジムに通って、身体中、鍛えてやるぞ。ここも、ここも!!」
どさくさに紛れて、ジムじゃ鍛えられないとこも若干入ってます。
言いたい放題だな(笑)
散々盛り上がった酔っぱらい二人、翌朝のよくある光景。
それにしても、この密着度合い
悲鳴を上げるSmile(笑)
まずは、自分をチラリ、そして、隣で眠る、上半身裸のBadzの布団をそーっとめくり、下着はおろか、ちゃんと黒いパンツまで履いてるのを確認。
ひと安心してから、おもむろに、Badzを起こすSmile。
「Badz、起きて!」
キャミソール姿のSmileを見て、跳ね起きるBadz。
「おい、昨晩、何が起こったんだ?」
「覚えてないの?」
Badzを睨み付けるSmile。
「・・・うん。昨晩、俺が覚えてることと言ったら、君がフォーチュンクッキーを踊って・・・そのあと、全く記憶がない!」
踊ったんだ、フォーチュンクッキー(笑)
タイで人気なのは知ってたけどね。
自分の布団をチラリと覗く(小芝居をする)Smile。
もう、なんとも気まずいBadz。
「それって、責任取りたくないってこと?」
追い討ちをかけるSmile(笑)
「せ、責任って・・・」と呟くBadz、意味がわかったのか、「つまり、俺と君が・・・」
泣き真似を始めるSmile。
止めどきが難しくなるパターンよね。
Smileを抱き寄せ、「ごめん、Smile、責任は取るよ。ごめん、頼むから、泣き止んでくれよ」と慰めるBadz。
更に、この密着度合いは、もう、十分18禁(笑)
「冗談よ」と早速、ケラケラ笑いながらネタばらしをするSmile。
「違うよ。俺、思い出したんだ。」
いつになく、真剣なBadzに、ちょっと焦り始めるSmile。
「な、何を思い出したの?」
「昨晩・・・」
「さ、昨晩、どうしたのよ。私はちゃんと着てるし、あなただって、ちゃんと履いたままでしょ。だから、冗談だって言ったのに」
「お互い、酔っ払った時、男が女の子に何をすると思う?」
「なに、言ってるのよ。だから、本当に冗談だって言ったじゃない」
「信じられないなら、そのキスマーク、見ればいい」
腕中、赤くなった跡が点々と(笑)
「何これ?・・・ってことは、昨晩、私とあなたは・・・」
真顔で頷くBadz。
えええΣ(Д゚;/)/と、おののき、本気にしたSmile。
「嘘よ、嘘よ、こんなの、違う」
笑いをこらえきれなくなったBadz。
「ああ、違うよ」とネタばらし。
え?と、顔をあげるSmile。
「冗談さ。君が最初にからかったんじゃないか。お返ししたまでだよ」
「じゃ、この跡はなんなの?」
「昨晩、君は踊ってるうちに、お尻からベッドの脇に落ちたんだ。」
~回想~
ベッドの上で、躍り狂った二人。
勢いあまって、落っこちたSmileを、ベッドの上に引っ張りあげたBadz。
「それは、その時に付いたものじゃないかな」
「ひどいわ!完璧に信じちゃった」
「これで、俺の演技力が君より優れてるって、思い知るべきだな」
「演技って言えば、今日、リハーサルじゃない?」
「あ、そうだ!」
慌てて携帯を探すBadz。
「しまった!遅刻だ」
自分のシャツを探して、焦りまくるBadz。
Smile「それ、私の!」
こっちも、昨晩の修羅場感ゼロ。
~劇場~
「また、Badzを探し出せないのか?」
監督に怒鳴られるスタッフ。
「電話したんだろうな?」
「しましたよ。そしたら、もうすぐ着くって言ってました」
「もうすぐ着くだと? 何様のつもりだ! くそったれ。奴が来たら、ただじゃおかないぞ!お前ら、見てろよ」
そこへ、謝りながら駆け込んでくる噂のBadz。
Badz「遅くなってすみません」
監督「気にするなよ。俺たちも来たばかりだ」
懐かしい昭和のコントを見てる感じ。
「疲れただろう? 飯は食ったのか? じゃ、始めようか? おい、お前らも何見てる? 準備しろよ。」
早速、台本を取り出し、準備をするBadz。
この時の2人の雰囲気、自然でいいよね。
Badzと一緒にいるSmileを壇上から冷ややかに見下ろすジュリエット役の女優と、その仲間。
「あの女、誰?」
「知らないわ。でも、前回もBadzと一緒に、ここに来てたよ」
怖い視線を感じ、ちょっとビビるSmile。
最前列の席に座り、預かったBadzのバッグを抱える姿は、どう見ても彼女だけどね。
******************
病院を訪ねてきたLiz。
「Kyroの叔母様ですか?」
「ええ」
挨拶をし、お見舞いの果物を見せ、Kyroの友人だと名乗るLiz。
「彼、今日、忙しいので、代わりに来ました。お父様は大丈夫ですか?」
ため息をつく叔母さん。
「うちの兄はお酒が好きでね、もうずいぶん、長いこと患ってるの。でも、今回は本当に具合が悪いのよ。時々、血も吐くの。だから、私も心配で。」
病室に向かう途中で、Lizに説明する叔母さん。
病室でベッドに横になっている父親。
「Kyroのお友だちが訪ねてみえたのよ」
叔母さんの言葉に、ちょっと怪訝そうなKyroの父親。
忙しいKyroに代わって来たと挨拶するLiz。
「何か、仕事でトラブルでも?」
「いえ、勉強で忙しいんです」
すっかり、忘れてましたが、Kyroは大学生でした!
「それなら良かった。君は、あの子の彼女なのかな?」
「いいえ、ただの友人です」
そこは否定するLiz。
「そうですか。あいつと親しいように思ったんだが。あいつの友達が私を訪ねてきたことなど、今まで一度もなかったからね。」
突然、激しく咳き込む父親に、さっとティッシュを渡すLiz。
叔母さんがさっき話したように、血が混じったティッシュ。
「いかがですか?」
「平気だよ」
苦しそうな父親を心配そうに見つめるLiz。
「Kyroが家を出てから、連絡を取ってないんだ。あいつが元気だとわかって、安心したよ。どうか、私のためにも、あいつによくしてやってください。あまり、勉強に根を詰めず、適当に休みながら、楽しむようにと」
「わかりました、お父様」
******************
リハーサルの途中で、トイレに寄ったSmile。
済ませて出ようとしたところで、
「Badzと一緒に来たあの女、どこに行ったのかしら?いなくなってせいせいしたわ。目障りだったから」
突然、自分の話題が聞こえてくて、個室の中で固まるSmile。
「大体、なんで、ここまで来るのよ。スタッフでもないのに」
「本当よね! あの子、いっつもBadzと一緒にいるんだって。付き合ってるんだと思う?」
「もちろん違うわよ、Badzは、もっとセンスいいに決まってるでしょ。あの女の顔、見なさいよ。きっと、Badzのストーカーよ」
「そうよね!あなたには及ばないわ」
「Badz は、この芝居が終わったら、私のものよ。
“芝居中、恋愛禁止”の規則がなかったら、彼はとっくに私のものだったのに」
「ああ、そうよね。芝居が終わったあと、カップルになる主役は多いって」
「まぁ、見てなさい。行きましょ」
個室の靴に気づいた、イライザたち(わたしの中で、典型的な意地悪女の代名詞(笑) by キャンディキャンディ)
「もし、腹が立つなら、出てきて殴れば?」
完全に、小バカにされたSmile。
リハーサルが終わり、劇場から出てきたBadzと、さっきの件で、元気ないSmile。
「Smile、どこに行ってたんだ?」
「ああ、ちょっとやることがあったの」
「ええー、俺、君に見せるためだけに、リハーサル、頑張ったのに。でも仕方ないな。明日来たら、最高の舞台が見れるよ」
「うーん、考えておくね」
「なんで? 忙しいのか?」
「なぜ、私に見にきてほしいの?」
「Lizは、全部の芝居、見に来たよ。でも、今、そうやって俺を支えてくれてるのは、君だろう?」
「わかったわ。見に来る」
「本当に? 俺、君のためにいい席を準備しておくよ。いいよね?」
「うん」
そこへ、“イライザ”登場。
いえ、ジュリエット役の女優です。
監督がスタッフに、サーモンビュッフェを奢ると、呼びにきた模様。
「でも・・・」
強引に、腕まで組まれて困り果てるBadz。
結局、引っ張られて行ってしまうBadz。
一人残されたSmile、考え込んでしまう。
~クラブ“WHYバー”~
「Kyro~、来てくれてありがとう、最高だった」
Janeがいつもの如く、Kyroに迫りまくるのを、必死に止めるTanたち(笑)
「落ち着け!戻れ!」
バンドメンバーは楽屋から退場。
二人きりになり、ちょっと意識するLiz。
「どうかしたのか?」
「別に何も」
「何か言いたいことがあるような顔してる。俺に、愛の告白でもしたいのか?」
散々、迷った挙げ句、話し始めるLiz。
「私ね、・・・今日、あなたのお父さんの所に行ってきたの」
意外なLizの言葉に、動揺するKyro。
「なぜ、そんなことを?」
「お願い、怒らないで。心配だったの。それで、大丈夫かどうか、会いに行ってみたの」
「それで? いつもみたいに、たいしたことなかっただろ?」
「いいえ、今回は本当に具合よくないわ。咳に血が混じってるし、あなたに会いたがってる」
「俺は行かない。親父の病気は親父の問題で、俺には関係ない」
「なぜ、そんな風に言うの?あなたのお父さんじゃない」
「父親? もし、親父が俺にしたことを知ったら、そんな言葉を口にできないはずだ」
怒って、楽屋を出ていくKyro。
~Kyroの自宅~
先程のLizとの会話を思い出し、叔母さんからのメッセージを読み返すKyro。
《あなたのお父さんは深刻な病気よ。入院してるわ》
電話しようか、迷ったあげくに、携帯をベッドに置いてしまう。
思い付いたように、引き出しの中から、電車の模型を取り出すKyro。
タイは、何ゲージが主流なのかな?見た感じ、Nゲージより大きいようだけど。
~翌日 Kyroの実家前~
叔母さんに招き入れられるLiz。
「おはようございます。」
「ごめんなさいね。こんなところにまできてもらって。兄の着替えを届けないといけないものだから」
「気にしないで下さい」
庭で洗濯物を取り込みながら、Lizの話を聞く叔母さん。
「Kyroが、あなたにそんなことを?」
「はい」
「あの子が経験したことを思えば、驚くことはないわね。誰もがそう考えるはずよ」
「もし良ければ、Kyroとお父様の間に何があったのか、話してもらえますか」
「全ては、Kyroが幼いときに始まったの。あの子の母親は、まだ、あの子が小さな時に亡くなったんだけど、Kyroは、父親にすごくなついてたわ。一緒に、電車の模型で遊ぶのが好きだったわね。一日中、ずっと遊んでたもの。Kyroは誕生日になると、新しい模型をもらってた。あの子が誕生日を指折り数えて待ってたのも無理はなかったのよ。その時は、お互い一緒に遊んでたわ。
あの子が高校生になった頃、父親が、ある女性と交際し始めたの。彼女は、父親を独占した。」
リビングでたった一人、食事をしているKyroに気をとめることなく、女性とイチャイチャする父親の様子に、怒りを抑えていたKyro。
「その女性が、父親のお金を持って出ていってからは、全てがうまく行かなくなってしまってた。彼はアルコール依存症になり、仕事も失ったの。親子の関係もバラバラになってしまった。Kyroの18歳の誕生日に、あの子は父親のために、鉄道模型を準備したのに、父親は酔っぱらっていて、とにかく無性に苛立ってた。Kyroのことをボコボコに殴ったり、蹴ったりしたのよ。あの子は、自分のものだけを持って、翌日には家を出ていったわ。それ以来、あの子がここに戻ってきたことはないわ。」
「そんなことがあったなんて、知りませんでした」
「Kyroは、本当は、とても優しい子なのよ。愛する人に傷つけられて、とても辛かったのが理由よ。私はどんなことがあっても、彼らに乗り越えてほしいのよ、ただ、どうすればいいのか、わからないんだけど」
洗濯物を取り込み終わった叔母さんを手伝うLiz。
家の中に案内され、父親の書斎に通されたとき、あるものを見つけるLiz。
「あれは?」
「父親のコレクションよ」
驚くと同時に微笑むLiz。
~実家前~
数年ぶりに実家の前に立つKyro。
「なんで、ここに連れてきた?」
「見せたいものがあるの」
「具合の悪い親父に、そんなに会わせたいのか?」
「違うわ、お父さんは病院にいるのよ」
「何を見せたいって?」
父親の書斎に入ってきた二人。
「お父さんはあなたの誕生日に、毎年買い続けているの。あなたが戻ってくるのを待ってるし、また一緒にこれで楽しむために・・・」
ジオラマに近づいていくKyro。
「過去は変えられないけど、未来のために最善を尽くすことは出来る。私の母も病気だった。病院を入ったり出たりしてた。あの日も、いつものように具合が悪くなっただけだと思ってたのに。でも、その時、母は帰ってこなかった。さようならを言う機会もなかった。
それが、こんな風に、あなたとお父さんのことを黙って見ていられなかった理由よ。Kyro、お願いだから、会いに行って。お父さん、あなたを待ってるわ。」
言葉を失ったままのKyro。
ジオラマのスイッチをいれると、動き出す電車。
「叔母さんからの電話だわ。もしもし。・・・何があったんですか? すぐ、行きます!」
病室に駆けつけたLizとKyro。
叔母「Kyroの父親がいなくなったの。みんなで探してるわ」
Liz「なぜいなくなったのか、見当はつきますか」
「さぁ、わからないわ、症状が悪化したからかもしれないし、(Kyroに会うのが)辛くなったのかも・・・」
Kyroの方を見る叔母さん。
「俺のせいだ。俺が捨てたから、今度は親父が俺を・・・」
「心配しないで。みんなで探しましょう」
悲壮な雰囲気な中、
「何をみんなで集まってるんだ?」
そこへ、レジ袋下げて、お父さん帰還(笑)
その声にゆっくりと振り向くKyro。
「父さん」
「カ、カイロ・・・」
Liz「どちらに行ってらしたんですか?」
パパ「病院の飯に飽きてしまって、外に買いに行ってきたんだよ。何があったんだ?」
重病説、またしても覆る(笑)
このまま、ドリフのコントのような効果音になるかと思いきや、Kyroがしがみつき、泣きはじめたので、感動のご対面シーンに戻りました。
パパ「もう二度とお前には会えないかと思ってたよ」
ちょっと落ち着き取り戻した病室。
薬を飲み終え、Lizに、グラスの水を返すKyroパパ。
すっかり、嫁の身のこなし。
パパ「薬は好かん」
Kyro「自分で気を付けないと、良くならないよ」
パパ「わかってるさ。今度、病院を退院したら、酒は止める。そうしなければ、欲しいものが手に入らんからな。」
Kyro「何? まさか、俺の新しい母さんでも探すつもりか?」
すでに、冗談を言える雰囲気。
パパ「違う。作ろうと思っているたくさんの電車の模型があるのに、あまりにも疲れ過ぎたらと思うと、それが怖いんだよ」
Kyro「疲れすぎたりしないさ、俺が手伝うから」
嬉しそうに頷くパパ。
パパ「忙しければ構わんよ。お前は、彼女と出掛けたり、祝ったりしないと」
Liz「ですから、私たちはただの友達だって言いましたよね?」
慌てて否定するLiz。
Kyro「父さんの言う通りだ。スイートルームでちょっとしたパーティーもしたばかりだよ」
Liz「なんで、そんなこと言うの!」
パパ「この娘さんなら、許可するぞ。孫の顔を見るのも待ちきれん」
Liz「あの、私の話、聞いてました?」
Kyro「男の子がいい?女の子がいい?」
さらに調子に乗るKyro。
Liz「ちょっと・・・」
パパ「わしにそっくりな男の子だな」
Kyro「そこは、俺に似てるべきだろう、俺が父親なんだから」
ああ、これって大団円なの?
******************
~劇場~
『ロミオとジュリエット』のポスターが並ぶホール。
花束を持って、Smileも来ました。
受付周辺では、Badzの話題で持ちきり。
「主役の人、かっこいいわよね」
「彼、コミュニケーション芸術学部の人なんでしょ」
「ジュリエット役の子と付き合ってるんだって。だから、すごいリアルらしいよ」
「お互いお似合いよね。二人の子なら、愛らしいでしょうね」
それを聞いて、なぜか胸がざわつくSmile。
Badzの芝居を真剣に見ているうちに、なぜか、トイレでの“イライザたち”の発言が、頭から離れないSmile。
場内も引き込まれ、クライマックスでは、涙する人続出。
満場の拍手のなかで、劇は終演。
一人拍手できずに、呆然と座ったままのSmile。
~Lizの寮~
部屋の前まで送ってきたKyro。
「本当にここまで来る必要があったの? 部屋くらい、自分で歩いて戻れるわよ」
相変わらず、クールなLiz。
「親父との仲を取り持ってくれた君に何かしたかったんだ。部屋に招待してくれるか、それとも、何かしてほしいことは?」
「どっちも結構よ。あなたはお返しもしてくれたし、すぐに家に帰っていいわ。送ってくれてありがとう」
あっさり、部屋に入るLizと、何か言いたげなままのKyro。
~舞台上~
終演後、関係者やファンたちに頼まれて、写真を撮るBadz。
その間も、視線はずっと、会場にいるはずのSmileの姿を探し続けている。
「Badz、みんな、あなたと一緒に写真を撮りたいんですって。こっちに来て」
“イライザ(笑)”に何度呼ばれても動かず、Smileを探すBadz。
ようやく、壇上に上がってきたSmile。
意を決して、Badzの前に立つ。
笑顔になったBadz。
「芝居、面白かったか?」
「ええ」
「なんで、目が赤い?そんなに悲しかった?」
「うん」
何か様子がおかしいと感じたBadz。
「Smile、何があったんだ?」
「お花を渡したくて・・・」
受けとるBadz。
「じゃ、行くね」
すぐに立ち去ろうとするSmileを引き留めるBadz。
「待てよ!芝居のせいで泣いてるんじゃないだろ?」
「平気よ、なんでもないわ」
「もし、俺に言わないなら、このまま行かせないぞ」
なんとなく、その様子を遠巻きに見ている周囲。
しばらくの間、ためらうSmile。
Smile「私、あなたが他のだれかとキスするのなんて、見たくないの。」
客席側にいた監督が、さっと振り返る。
さすが演出家、ドラマティックなシチュエーションは、聞き逃さないね。
「私にそんなに資格ないってわかってるけど、でも、それでも嫉妬しちゃうの。仕事で優しくしてくれてるだけだってこともわかってる。あなたにふさわしくないってこともわかってる。みんなそう言ってる・・・」
みんなじゃないけどね。
「嫉妬なんかしてごめんなさい。せっかくのあなたの夜を台無しにするつもりはないの」
そこまで聞いたら、もう遠慮なく、公衆の面前でも、ガバッとちう。
ショックを受けてるイライザ以外、周囲は、一斉に、スマホ構えて撮りまくり。
監督よ、何故にあなたの目がハート?(笑)
唇を離したBadz。
「もう泣くな。誰が君のことを、俺にふさわしくない、なんて言ったんだ? 俺は君が好きだ、俺の彼女になってくれ、Smile」
いまいち、事態を飲み込めてないSmile。
悔しそうに地団駄を踏むイライザ。
「私の芝居より、こっちの方がいいじゃない」
夢見心地の監督ニム、最高。
~Lizの部屋~
ノックが聞こえ、ドアを開けると、立ったままのKyro。
さきほどからの時間経過はわかりませんが、たぶん、そんなには過ぎてないはず。
「部屋に招待する気はないって言ったはずだけど? わからなかった?」
「別に入りたいわけじゃないよ。もう、深夜を回っただろ」
「だから?」
「Boy For Rentのルールを知ってる?自分のクライアントに恋愛感情を持つのは禁止だ」
「で?」
「もう、真夜中を過ぎた。朝になれば、また、君のレンタル彼氏だ。つまり、今、君は俺のクライアントじゃない」
それ、どんな理屈だ!(笑)
Lizを引き寄せ、キスするKyro。
「君は、俺みたいな月にとっての太陽なんだ」
よく分かりませんが、口説き文句のようです。
「俺の彼女になってくれ」
★Ep.9の雑感★
ようやく、それぞれ「レンタル彼氏とクライアント」という立場で、恋愛モードに突入の見込み。
しかも同日に・・・。なんとも気が合うね(笑)
檀上での、Smileの精一杯の告白、可愛かった。
いやぁ、ちゃんと自分の気持ちに気づけて良かった、良かった。。
この子は、健気であれば、それでいいから。← いつもの如く、上から目線健在。
しかし、反対に、Badzは大丈夫なんだろうか。。。
実は、4人の中で、いちばん、不安というか、脆さが心配だわ。
Lizは、Kyroに惹かれてるのを自覚してるけど、その胸に飛び込むには、まだ躊躇いがあって、最後まで抵抗しようとしてるよね。
そこらへんが、可愛げないと言われちゃうんだろうけど。。
ああ、久しぶりに、これぞ、イライザっていう、わかりやすい女子に出会えて、懐かしかったです。(笑)
『キャンディキャンディ』をご存じない皆さま、「一目見て、意地悪女と認識できるお嬢様タイプ」と同義語だと思ってください。
さて、次回の予告を見ると、結構、シリアス展開が待っていそうなので、それはそれで、楽しみです。。。
イケメンKyro、ここのところ、殴られる率高し!