昨日、アップするつもりが遅くなっちゃいました。

辛い回は、ついつい、画面をキャプチャーしたくなります。。。

それぞれの表情が絵になるからでしょうか・・・。

 

ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

『まず熱く掃除せよ』Ep.15前半

 

(前回のおさらい)

 

「キル・オソルさん」

ソンギョルの声に、わずかに反応し、その方向に顔を向けるオソル。

慌てて、階段を駆け上り、オソルに駆け寄るソンギョル。

「キル・オソルさん・・・」

見つめ合う二人。

何も言わず、そのまま、踵をかえすオソル。

 
慌てて、オソルの後を追い、腕を掴むソンギョル。
「話をしよう。なぜ、俺の電話に出てくれないんだ? 心配したよ」
「お話することはありません。お帰りください」
「突然、こんな風にするわけを、俺にちゃんと話すべきじゃないのか?こんなに一方的に別れたいなんて、どうしたら言えるんだ?少なくとも、理由くらい教えてくれてもいいだろう。」
思わず、苛立ちが先に立ち、思わず、声を荒げるギョル。
ただ、こうしているだけでも、今の自分は辛いのだと訴えるように、自分を見上げるオソル。
その表情を見て、戸惑うソンギョル。
「お願いだ、話してくれ。」
 
「ゆっくりでいいから話すといいよ。先に戻っているから・・・」
近づいてきたクンクンが、そう、オソルに告げ、去っていく。

 

 

15話: 狂おしいほど抱きしめたくて・・・

 

ベンチに座り、話をする2人。

「全てが嫌になったと言いましたよね。嫌になったんです」

「なぜ、嫌になったの? 嫌になるには、理由があるだろ?昨日は平気だったじゃないか。いや、会うまでは平気だっただろ、俺たち? 間違ってる?」

「疲れたんです。あまりにも、住む世界の違う私たちなのに、必死になって合わせようとしましたが、代表様と一緒に過ごすのが、とても辛いんです。・・・とにかく、全てが嫌になったんです、ですから、こんな風に家に訊ねてくるのは止めてください。そして、もう電話もしないでください」

それだけ話すと、立ち上がるオソル。

とても納得できずに、もう一度、追いかけ、話を続けようとするソンギョル。

「俺が別れないと言ったら? まだ、俺はキル・オソルさんのことが好きなのに。それに、キル・オソルさんが今言ったことが本心だとは思えない。俺が別れないと言ったら?キル・オソルさんとは別れないと言ったら?」

「好きなように考えてください。私は本心ですから・・・」

掴んでいたオソルの腕から、すーっと力なく手を離すソンギョル。

そのまま、去っていくオソル。

一人残されて、棒立ちのソンギョル。

 

~オソル自宅~

クンクンが食事の用意をして、オソルに振舞う。

「うわ~、うまそうだ。食べよう」

手を出そうとしないオソル。

「食べろよ、頼むから・・」

スプーンを差し出すクンクン。

「私・・・本当に食欲がないんです」

「昨日から、何も食べてないんだって?こんなことで、オドルの問題をないがしろにする気?1週間以内に、再審を請求できるのに・・・。(出来ることは)なんでもやってみようよ。まだ、諦められないだろ」

「再審?」

「だから、ちゃんと食べて。落ち込んでる暇なんかないぞ。もし、再審によって適切な評決を受けたいなら、これから、もっと動き回らないと・・・。それに、粘り強く戦わないと。。。アイゴー、うちのオソルのトレードマークの赤頬が消えちゃったな・・・。だから、ちゃんと食べなきゃな・・・」

その時、オソルの携帯に、オドルのコーチから連絡が入る。

「はい、コーチ様?・・・・オドルが学校に来てないですって?」

 

~[掃除の妖精] 正面~

「おい、オドラ! いいから、ちょっと落ち着けよ」

ヨンシクがビルの入り口で、オドルを必死に宥めている。

「落ちついて、俺にわかるように説明しろ! まったく、なんで、お前がうちの代表様に会いたがるんだよ」

「関係ないだろ!」

いつものオドルとは全く違う口調。

「ああ、まったく・・・」

何度も、押し戻すヨンシク。

「あ・・・代表様」

オソルと会ってから、会社にやってきたソンギョル。

ヨンシクから無理やり離れると、ソンギョルの正面に立つオドル。

「AGグループの会長に話がある。会社に行ってみたが、俺のようなものは相手にもされなかった。あんたが話を通してくれたら、会ってくれるんじゃないか?」

「おい、何考えてんだ、キル・オドル!!」

オドルの失礼な物の言い方に、大声で注意するヨンシクを、手で制するソンギョル。

「一体、どういうことかな? 何があったんだ?」

落ち着いた口調で、オドルに問いかけるソンギョル。

「あんたに説明する必要なんかない。ただ、あいつらと話をさせろ。話をさせろよ!!」

しまいには、興奮して怒鳴り声をあげるオドル。

 

~チャ会長宅の正面~

ソンギョルオンマ「いってらっしゃい」

チャ会長「ああ・・・」

かなり、動きも緩慢になっているハラボニム。

秘書「会社に向かわれますか?」

チャ会長「いや、病院に寄ろう」

車が動きはじめたところで、ソンギョルが行く手を阻むように、車の前に立つ。

停止させる運転手。

「ソンギョラ!」

息子の無謀な振る舞いに驚くオンマ。

後部座席のドアを開けるソンギョル。

「ちょっと、ソンギョラ!」

「降りてください」

「話せ」

「人の人生を踏みにじっておいて、ずいぶん、落ち着いていられますね」

「何のこと?一体、どうしたの?」

「わしがやったのではない。お前だ」

「つまり、私のせいだと?」

「お前があの子とつきあったりしなければ、こんなことにはならなかった」

「ここまでしなければならなかったんですか?彼女の家族をここまで傷つける必要があったんですか?」

「お父さん、一体、なんなの?この子は何を言ってるの?」

「これが、お前にとって、最善の方法なのだ」

「“最善の方法”?」

「ああ」

「おじい様にとってでしょう。おじい様はずっとそうやって生きてこられたんだ。目的を達成するためには、人を傷つけることも厭わず・・・彼らを破壊し、転覆させようと・・・ることも厭わない。みんな、破壊し、無視し続けてきたんだ。そうやって、会社を大きくしてきた。いつまで、こんなふうに、人に嫌がらせをし続けるつもりですか? いつまで、そうやって、生きていくつもりなんですか?!」

どんどん激高するソンギョル。

「車を出せ・・・早く」

咳き込みながら、運転手に命じるハラボニム。。

ドアに手をかけるソンギョル。

「今なら、間に合います。おじい様が何をしようと、キル・オソルを諦めません。いえ、却ってよかった。これで、謝罪する理由がわかりましたから。おじい様が何をしようと、最後まで戦います、彼女と・・・」

車から離れ、背を向けたソンギョルに、ハラボニムが話し始める。

「6年前、チュンアン洞の再開発で事故が起きた。その事故の時の犠牲者の一人が、あの子の母親だそうだ」

思いがけない内容に、ゆっくりと振り向くソンギョル。

この表情、好きです。。

ユン・ギュンサンって、野生の猫系統の目だよね。

 

「なんですって?」

「さらに、彼女を傷つけるだけだぞ・・・。どちらにせよ、もし、二人が一緒になる意図がないのであれば、すぐにでも、関係を断つことだな。お前たち2人のためだ・・・。さぁ、出発しろ」

あまりの衝撃に固まるソンギョル。

そんな息子の様子が心配でならないソンギョルオンマ。

 

~運転中のソンギョル~

《6年前、チュンアン洞の再開発で事故が起きた。その事故の時の犠牲者の一人が、あの子の母親だそうだ》

ハラボニムの言葉が頭から離れないソンギョル。

 

~回想~

[再開発を中断しろ!]
[撤去を無視しているJungang-dongチーフを辞任させろ!]

[我々は引き下がらない!]

再開発反対を訴える垂れ幕が掲げられた教会に、犠牲者の祭壇が安置されている。

たった一人、弔問に訪れたソンギョル。

ろうそくを灯し、夜通し、側にいる被害者の家族たち。


(人々の嗚咽が止まない中、菊の花を手向ける青年の後ろ姿を、横になりながら、呆然と眺めてオソル。)

 

そんな光景を思い出し、思わず、車を道に停めるソンギョル。

オソルが何も言わず、自分を拒絶した理由の重さに、ハンドルに俯せ、嗚咽をこらえようと、無意識に手の甲を傷つける。

 

~オソル自宅前~

クンクン「まだ、オドルから、なんの連絡もない?」

と言っている側から、オドルが戻ってくる。

「オドラ・・・。どこ行ってたの? 学校にも行かなかったって聞いたわよ」

無視して、行き過ぎようとするオドル。

「再審請求の書類について、確認してきたの。コーチ様と話をしてきたんだけど、再審を請求することが出来るそうよ。いえ、絶対、申し込んでみるべきだって・・・」

「もう、諦めたよ」

「オドラ・・・」

「だから、無駄なことするなよ。もうどうでもいいんだ」

そういうと、一人、家の中に入っていくオドル。

それ以上、何も言えないオソルとクンクン。

 

~カフェ~

書類の入った封筒を、クンクンの前に差し出すクォン秘書。

「これが、キル・オドル君の懲戒委員会に参加した人々のリストです。念のため、確認してみましたが、予想通り、AGグループのメンバーでした。再審を請求される際、これを提出すれば、助けにはなると思います。」

 

コーチ《あなたが提出した資料も一緒にして、再審請求をしました。出来る限りのことはやってみましたので、結果を待ちましょう》

 

クンクン「きっと、全部うまくいくさ。心配するな」

頷くオソル。

「まっすぐ家に帰るの?」

「ううん、バイトに行かないと?」

「バイト? なんで、突然?」

「家にいると、いろいろ考えちゃうから・・・。なにかしていたほうが気が紛れるし・・・」

「自分を追い込むな。どんなに辛くても、忘れるために働きすぎるのはよくないよ」

 

「ありがとう、ここまで、ついてきてくれて・・。屋上さんがいてくれなかったら、どうしていいかわからなかった・・・。ああ、遅れちゃう。行かなきゃ。また、あとで」

「ん・・」

 

~バイト先~

「オソラ~」「ヌニム!」

アルバイト先に、ヨンシク達が訪ねてきました。

「え、オッパたち・・・ヨンシガ・・・」

バイトを終え、合流するオソル。

「お待たせしてすみません」

ジェミン「なぁ、ドンヒョン、この間、なんで、オドルはうちの会社にきたんだ? お前(ヨンシク)に会いに来たんじゃなかったんだろ」

オソルの前で、その話はしちゃだめだろ・・・と、固まるドンヒョンとヨンシク。

オソル「オドルが会社に行ったの?いつ?」

ヨンシク「数日前・・です」

仕方なく、答えるしかないヨンシク。

ヨンシク「ところで、うちの代表様は、AGグループと何か関係があるんですか?いえ、オドルが、代表様に、AGの会長に合わせてくれ、って頼んでました。」

ジェミン「あの噂は本当だったのか?代表様は、AGグループの会長の孫とか、愛人の子だとか、言ってる連中がいたんだ」

それを聞き、溜息をつくドンヒョン。

ドンヒョン「代表様と、お前の間はうまくいってるのか?」

「え?」

「あ、そうだ。最近、代表様、元気がないんだ。こないだなんて、階段から滑って落ちそうになってた。今まで、あんなに気もそぞろな代表様を見たことない。なんかあったのかな? ドンヒョン、なにか知ってるか?ん?」

そういえばそうだ、と頷くヨンシク。

さすがに、隠しておけることではないと、覚悟したオソル。

「私たち、別れたの」

「え?」

固まる3人。

「だから、私も、最近の代表様がどんな様子なのかよく知らないの」

 

帰り道、力なく歩くオソルを、反対側の歩道から、少し遅れて見守るソンギョル。

 何頭身?だいぶ、シルエットがスッキリしてきた感じ。

 

歩道の敷石が飛び出ていた部分に足をとられ、つまづくオソル。

「あっ・・・」

そんなオソルが心配で、近づきたいのを必死に我慢するソンギョル。

ソンギョルが自分の後ろについて歩いているとは思いもしないオソル、家の近所の街灯の点滅にも気を止めず、歩き続けていく。

ジジジジ・・・と、電灯が暗くなったり、明るくなったりする中で、その場でオソルが見えなくなるまで、立ち尽くすソンギョル。

ここはね、3話の後半で、(歓迎会で)酔っぱらったオソルを送ってきた晩、スンデをもらって、大絶叫した場所です。

 

また別の日・・。

「明日ですか? いえ、できますよ。では、明日、入ります。わかりました。では・・・」

電話を終えた時、歩道の工事に気づくオソル。

 

バスの中でも、ぐったりと疲れ切った様子のオソル、ふと、車中でイチャつくカップルが目に入る。

 

~回想~

「ああ、待って、君に捕まらないとならないのに・・・」

「バスに乗ったのは初めてなんだけど・・・そう悪くもないな」

 

思い出すのは、何もかもソンギョルのこと・・・。

バスの車窓から、歩道にいるソンギョルがじっと自分を見ているのに気づくオソル。

どれほど、お互いに恋い慕っていようと、どうしようもない状況に、現実をシャットアウトするかのように、目を閉じるオソル。

 

オソルの降りるバス停で、待っているクンクン。

健気に、2番手の役目をこなし中。

 

姿を見つからないように、歩道の並木に隠れるソンギョル。

 

「無理するなって言ったのに、なんで、こんなに頑張るんだよ? アルバイトも勉強も・・・」

クンクンの問いかけに答えず、ふと、街灯を見上げ、立ち止まるオソル。

「どうした?」

「街灯、壊れてたのに・・・」

「誰かが、連絡したんじゃないか?行こう・・・」

別に、確信ではなく、ただ、ふと何かを感じたようなオソル。

その様子を、後ろから見ているソンギョル。

 

~[掃除の妖精]社内~

契約書を交わすソンギョル。

ペンを走らせるソンギョルの手を見て、ぎょっとする取引相手。

その視線に気づいたクォン秘書が、ソンギョルの手元を見ると、例のピッタリ手袋の甲から、透けている血。

さっさとサインをすると、そのまま、立ち上がり、「それでは・・また、お目にかかりましょう」と一礼し、契約相手を残したまま、ミーティングルームから出てきてしまうソンギョル。

 

~社長室の洗面所~。

ゴシゴシと手を洗い続けるソンギョル。

足元には、出血を抑えた布や手袋がカゴに大量に入れられている。

際限なく、手を洗う水音が鳴りやまない。

 

「とにかくずっと洗い続けているんです。何日も眠れず、食事もとっていないようです。ただ、仕事に没頭しているだけで、代表様は・・・とてもまともな状態とは思えません」

「わかったわ」

すぐさま、上着を掴んで出かけようとするオンマ。

リビングに入ってきたハラボニム。

「こんな時間にどこにいくつもりだ?」

「もし、ソンギョルに何かあったら、みんなお父さんのせいですからね!!」

一応、言いますが、ハラボニムも心配してないわけないです。。。

 

家に戻ってきたソンギョル。

「遅かったな」

ダイニングテーブルに座っているクンクンの姿に、一瞬、動きを止めるソンギョル。

「なんで、ここにいるんです?かえってください」

「“なんで”? 私が主治医だってこと、忘れたのか?」

「もう医者なんかいらないんだ。ここに来るものやめてください」

「必要かそうでないか、私が判断することだ。さぁ、これを見て。いくつかの症例を分析した・・・」

「帰ってくれと言ったはずだ。何も必要ない。主治医も、強迫神経症の治療も・・・」

声を荒げたあとで・・・「もう辞めた」と呟くソンギョル。

溜息をついて、ファイルを閉じるクンクン。

「なぜ辞める?こんなふうに、いつでも気分次第で、全て自分の思い通りにするのか。いつになったら、幼稚な真似を辞める気だ?

さすがに、医者としての発言ではなかったと、自分で自分を律するように、発言をとめるクンクン。

みんな辛い。。。

誰一人、この状況を納得できるものなどいないのです。。。

愛する人(オソル)と、その人の愛する人(ソンギョル)を、見守り続けるしかないクンクン。。。

 

「出て行ってくれ。・・・もはや、なぜ、治すべきなのかさえ、わからないんだ」

さすがに立ち上がり、さらに話をしようとするつもりが、ビールをコップに注ぐソンギョルの荒れ切った手に目をむける。。

 

~レストラン~

「急に、会いたいって頼んだの、ごめんなさいね。十分、自分勝手なことを言ってるってわかるけど、オソラ、一度、うちのソンギョルに会ってやってくれないかしら?」

「奥様・・・」

「全部、私と・・・私の父親のせいなの。ソンギョルは何にも悪くないの。もし、あの子に何かおきたら・・・」

「代表様は、そんなに弱い方ではありません。今は少し、苦しまれているかもしれませんが、すぐに立ち直られます。」

「オソラ・・・」

「申し訳ありません」

バッグを肩にかけると、立ち去るオソル。

 

~ソンギョル自宅~

部屋から出てくると、待ち受けているクンクン。

「精神安定剤だ。不安を和らげるのに役に立つ。それから、手の軟膏。傷はあまり長い間放置すべきじゃない。手の消毒剤を使いすぎないように気を付けろ。あまり思いつめずに、気持ちをそらずようにするんだ。そして、これは・・・」

「なんなんだ?俺は一人でいたいんだ、頼むから出て行ってくれ!!

感情的に、声を荒げるソンギョル。

「時計が止まっていたようだったから・・・」と乾電池を置くクンクン。

「帰るよ・・・」

ふと我に返り、気まずそうに、クンクンが出て行ったほうを見つめるソンギョル。

 

ソンギョルのマンションの外まで出てきたクンクン。

道の向かい側で、建物を見上げているオソルを見かける。

人知れず、心配で側に来てしまう・・・たしかに、そこにある“愛”の姿でしょ、これって。

 

クンクンに気づいたオソル。

 

~オソル自宅近くの階段~

「まだ、代表様の家に通ってるの?」

「うん・・・」

「代表様はどんな様子?大丈夫なの?奥様に会ったけど、(このままだと)代表様が危険かもしれないって・・・」

「心配するな。俺が見ているから・・・」

何度も重い溜息をつき、とうとう、顔を覆ってしまうオソル。

俯いたオソルの肩に、そっと手を置くクンクン、少しだけ、自分の方に引き寄せる。

ここねぇ・・・、決して、気持ちのままに強く抱き寄せるわけでもなく、自分の想いをそんな仕草で表そうとしているわけでもない、ただ、躊躇いと葛藤と、そんな距離感を取るクンクンに涙です。

 

**********

「人って、そんな風に気持ちを欺くものなんだよな。まるで、誰かのためにしているように振舞っても、それは自分のために、チャンスを掴もうとしているにすぎないんだ。」

例の先輩女医に相談しているクンクン。

精神科医って、厄介なのね。。。

「あの二人が別れた後、俺が何を考えたかわかる? “もう一度、あの子にアプローチかけても大丈夫かな?” そんな風に考えたんだ。情けないよな・・・。」

「それのどこが問題ないのよ?どうして、情けないの? あんた、自分のことを人間じゃなくて、全能の神だとでも思ってるの? あんたがあんなに長い間、好きだった子を簡単にあきらめたときに気づくべきだった。バカよ、本物のバカよ。」

誰が、簡単だったって?辛かったよ。今でも、すごく辛いよ。オソルってさ、すごく可愛く笑うんだよ。だから、俺はもう一度、彼女を笑わせたいんだ。でも、俺に出来ることは何もないんだ。あいつじゃないから・・・」

本当は、もっともっと、深い想いがあるはずなのに、どうも、言葉(セリフ)で説明しようとすると、通り一遍な感じになって、もったいない。。

っていうか、身近な人には相談できずに、この女医さんだったのかな。

う~、やっぱり、精神科医って厄介なのね。。。

 

~ハラボニムの車中~

CT画像を見ているハラボニム。

 

~社長室~

急に、ソンギョルをたずねてきたハラボニム。

「そろそろ、お前も辞め時だろう・・・。」

急いで、入室してきたクォン秘書。

「こんなところに、どうしていらしたんですか?」

「一体、いつまで、こんな子供じみた遊びで、人生を浪費するつもりだ?」

「ハラボジの好きなようにとらえてください。ですが、ここは私にとって、価値ある場所です。どうか出て行ってください。」

「何を言うか!」

「ハラボジが側にいると、とても不快なんです。」

ムカムカしているハラボニム。

「(出ていかないなら)私が出て行きましょう・・・」

「早く家に戻り、AGグループの後継者になれ」

とうとう、大声で宣言するハラボニム。

「私は汚いことが大嫌いなんです。よく、ご存じでしょう。ハラボジが作ったあの汚い会社。それを喜んで引き受ける考えなどありません。」

ギロリとソンギョルを睨みつけるハラボニム。

「ハラボジには、どこかに隠した別の子供などいないんですか? たとえ、いたとしても驚きませんよ」

「お前は一体・・・」

「どうか、ハラボジの人生から私を追い出してください。孫は、ただ死んだものだと思ってください」

「何をいうか!お前、わしの作った会社を汚れてるだと? それなら、この会社はどうなんだ?」

「この会社は私が・・・」

「本当にそう思っているのか? お前自身の手でこの会社を作ったと・・。本当か? お前自身の手で? どうやら本気でそう信じとるようだな。よく聞け。誰が、このようなちっぽけな会社に投資するようなバカがいると思う? お前があれほど知りたがっていた最大株主は誰だと思っとる?」

その言葉を聞きながら、ゆっくりとクォン秘書に視線を向けるソンギョル。

とても、目を合わせられないクォン秘書。

それを見て、ショックを受けるソンギョル。

「お前にとって、もし、この場所が大事なら、AGグループに加われ。それなら、少なくともこの会社は解散は免れるだろう?」

それだけ言うと、社長室を出ていくハラボニム。

 

「クォン秘書様は、知ってたんですか?」

「どの企業にとっても初期投資を受けるのは普通のことです。代表様のせいではありません」

机を思いきり、叩くソンギョル。

「知ってたんですか?違うんですか?」

「はい・・知っていました」

「いくらなんでも・・言わずにいるなんて・・・。いや、どうして知ったんですか?あの人たち(株主)の背後にハラボジがいたことを、どうやって知ったんですか!!

「申し訳ありません・・。絶対に、代表様を騙すつもりはなかったんです。それに、会長様と私の関係についても、欺くつもりなどなかったんです」

「クォン秘書様が・・・なぜ、こんなことを?」

「今は何を言っても信じていただけないかもしれませんが・・・」

「出てってください。今すぐ。お願いだから、出てってください!」

クォン秘書を無条件に信じていたソンギョル、ショックのあまり、怒りにまかせて、机の上のものを叩き落とす。

思わず、目をつぶるクォン秘書。

荒い息を吐くソンギョルの手の甲から、血が流れている。

ケガもそうですが、その荒れ果てた皮膚に目がいきます。

 

 

★15話(後半)に続く★

15話は一気にいったほうがいいかなと、突貫です。。

さすがに、この回でふざけるのは、人間的に下衆かなと思い、粛々と訳しました(笑)

引き続き、怒涛の15話後半です。。。