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『まず熱く掃除せよ』第1話(前半)はこちら

 

ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

『まず熱く掃除せよ』Ep.01後半

 

******

ケガをした父親の代わりに、繁華街の路地裏のゴミ捨て場のごみを回収する清掃員として働くオソル。

酔客の投げたコーヒーの空き缶が、しゃがんで作業していたオソルのヘルメットに命中する。

軽い調子で謝ると、笑いながら去ろうとする男たち。

当然、呼び止めるオソル。

「ここは運動場か何かなの? これがバスケットボールのゴールリングに見える? 謝罪するなら、ちゃんとしなさいよ! 私をゴミ箱の一部だとでも思ってるの? 死にたいの?」

いつものように、火がつくと、他人にも喰ってかかる狂犬オソル。

男たちの連れに、憧れのドジン先輩がいるのにいち早く気づくと、もういいです、と後ろを向き、顔を隠す。

「おい、どうした?・・・すみません。こいつらが何かしましたか?ちょっと酔ってるみたいで」

最悪にも、オソルに近づいてくるドジン。

いいから、もう行って!とジェスチャーで、必死なオソル。

「代わりに、僕が謝罪します。すみませんでした」

頭を下げるドジン先輩。背中を向けたまま、頷くオソル。

「もう行こう」

ふと、なにかに気づくドジン。

「あのー、もしかして、オソルか? オソルだろ?」

咄嗟に、ヘルメットを脱ぎ捨て、捨ててあった馬の被り物を被るオソル。

そのまま、リヤカーを引いて逃げ出す。

「あ、ちょっと、」

ヘルメットを拾い上げ、オソルのあとを追うドジンと友人たち。

なんとも奇妙な追いかけっこに、騒然となる繁華街。

被り物の中では、汗と涙でグチャグチャなオソル。

関係ない人たちも一緒になって追いかける始末。

 

一方、謝礼目当てで、ソンギョルを呼び出した弟たちも、その場に居合わせる。

「おい、あれ、見ろよ!」

「馬だぞ!」

「俺たちも追いかけようぜ」

 

もう、収集がつかないくらい、夜の街は大騒ぎ。

通りの噴水広場で、野外ライブをやっていた馬の被り物バンド(なぜか名前はドルフィン🐬ナイトクラブ)の周囲をぐるぐるまわる一行。

ようやく、抜けて、大通りに出てきたオソル。

 

追いかけてきた一団をまいたと思ったその時、ソンギョルの車が正面に迫ってきた。止まるに止まれず、リヤカーを放り出したオソル。

リヤカー自体は、ソンギョルの車には、ぶつからなかったものの、生ゴミをソンギョルの車にぶちまけてしまう。

「なんだ? 今のは? 人か?」

慌てて、車から降り、安否を確認するソンギョル。

ジェスチャーのまま、大丈夫だと答えるオソル。

安心して、一息つくソンギョル。

「しかし・・・これは一体何事ですか?」

生ごみだらけの自分の車と、その周囲を見て、吐き気とともに、一瞬、放心状態に陥るソンギョル。

 

振り向くと、自分の動画を取り続けている人たちに取り囲まれているオソル。

そして・・・その視線の先には、ドジン先輩がなんともいえない表情で立っている。

慌てて、立ち上がると、散らばった大きなゴミ袋をリヤカーに乗せはじめるオソル。

「何してるんですか? ちょっと・・・。まさか、事故から逃げる気か?」

医療用のビニール手袋を内ポケットから取り出し、嵌めるソンギョル。

「ちょっと、そこで停まりなさい。ちょっと。まさか、あんなふうに私の車を台無しにしておいて、逃げ出すつもりですか?」

ジェスチャーで、そんなつもりはない、と伝え・・・たいオソル。

「何してるんだ?」

ポケットからメモ帳を取り出すオソル。

自分の電話番号を渡す。

「おい、こいつ、全く・・・。なんの冗談だよ!」

オソルを引き留めるソンギョル。

必死に身振りで謝るオソル。

「ごめんなさい、だと?」

頷くオソル。

「そんなバカげたマスクをしたまま、謝罪する人間がどこにいる!なぜ、取らないんだ?」

必死に、手を合わせるオソル。

今のオソルは、ただひたすら、ドジン先輩の前で、顔をさらしたくないだけ。

むりやり、馬のマスクを取り去るソンギョル。

汗まみれで、髪振り乱したオソルに、どよめきが起こる。

「女性・・・だったのか」

驚くソンギョル。

「キル・オソル・・・・」

一番会いたくない人が、よりによって、正面に立っていました。。。

ソンギョルのほうに向きなおるオソル。

「な、なぜ、そんな目をして俺を見るんだ?俺の失策じゃないぞ。君が・・・」

内心は、罪悪感を感じているのに・・・つい、動揺して、きついことを言ってしまうソンギョル。

「申し訳ありませんでした」

涙を浮かべながら、謝るオソル。

「連絡をください」

一礼すると、リヤカーをひいて、取り巻いている人たちの間を通り抜けようとする。

「おい、待って・・・」

「すみません、通してください」

「オソラ。ちょっと待って」

声をかけるドジン。

「どうしたんだ?」

「知ってる人なのか?」

「女の子だって知ってた?」

口々に勝手なことを言いながら、まだ、動画を取り続ける人々。

 

じっと見ていたドルフィンナイトクラブの人たちが、気をきかせて、音楽を始める。

肩を落としてその場をあとにする姉の姿をみて、いたたまれないオドル。

「おい、おまえら、なにしてんだ。 写真撮るのやめろ! なにが面白いんだよ。今、撮影した奴、全部、消せよ」

怒鳴るオドル。

 

「なんなんだよ・・・」

馬のマスクを持ったまま、オソルの後ろ姿を見ているソンギョル。

その顔は、不快というより、心配のほうが勝っているようで・・・。


~オソルの自宅~

力なく、帰宅したオソル。

そのまま、自分の部屋に入り、ベッドに横になる。

そのあとを心配そうに追ってきたオドル。

 

~ソンギョルの自宅~

クォン秘書「必要な修理をした後に、車を消毒するように指示しました。おそらく、1週間ほどかかると思われます」

ソンギョル「新品の車に替えたい。車を消毒しても、完全にバクテリアは居なくならないだろう」

了承するクォン秘書。

そして、なぜ、あの掃除機に、そこまでこだわるのか、と訊ねる。

「君にはわからないだろうな。特別なものには見えないかもしれないが、あれは、イタリアの専門家が手作りで真空管を作ったんだ。いわば限定品さ。“リミテッドエディション”。君にもわかるだろ?」

なんとなく、本当の理由を誤魔化されていると理解しながら、「それでは・・・」と何事もないように、帰っていくクォン秘書。

この人もいい!

 

~回想~

「キム・クムジャさん?」

車いすの老女に、箱を手渡す配達員。

大切そうに、掃除機の箱を撫でるクムジャさん。

 

少し離れていたところに立っていたソンギョルが近づいてくる。

「病院に入ってるのに、どうしてそんなものが必要なの? それに、必要なものがあれば、いつでも俺に言えって言ってるじゃないか」

「私のじゃなく、お坊ちゃまのですよ」

「俺の?」

箱を覗き込むソンギョル。

「なんだよ? もしかして、自分の義務から手を洗うつもりか?」

「これ、最近、とっても人気のある機種だって聞いたんですよ。私が、お坊ちゃまのおそばに居られないとき、あなたの役に立つんじゃないかと思ったんです」 

それを聞いて、寂しそうな表情をとめられないソンギョル。

「俺はこういうのを信用してないから、使わないよ。だから、すぐに良くなって、家に帰ってきてよ。クムジャさんがいないと、家が全然、綺麗になってる感じがしないんだ」

車いすを押すソンギョルの手を優しく撫でるクムジャさん。。。えーん


こんな偏屈なソンギョルが唯一、心を開いてるのは、婆や兼家政婦のクムジャさんで、その大切な人は既に病気で・・・。

 

元祖クムジャさん(人間)を思い出しながら、ビールを飲むソンギョル。

《電話に出られず、すみませんでした。今夜は、急用がおきたので、また改めて連絡します》

本来、今日会うはずだった、クムジャさん(掃除機)の行方を知る人物からのメッセージを受け取るソンギョル。

テーブルの上に置かれたCCTVの画像コピーを手に取り、よ~~~く目を凝らしてみる。

「ん? これは・・・こいつは、マルモリ?(馬の頭)」

 

~翌日、ジヨンとのランチにて~

アップされた馬頭の疾走動画を見て、大爆笑のジュヨン。

「馬頭? うわ~、オソラ。面白すぎて、おなかが痛いよ。あはははは・・・」

カフェでも注目の的。

「マルモリ・・・ああ、もうダメ、死ぬ」

「ねぇ、いい加減にしなよ。切ってって言ってるでしょ」

いい仕事を思いついた、コメディアンがいい、とか、もう言いたい放題のジュヨン。動画は10万ビューを超えたらしい。。。

「10万回でも、1億回でも、私には関係ない」

「そう? なら、そんなに怒ることないじゃん」

「ああ、なんで、あの中にドジン先輩が?なぜ、あの瞬間にあそこにいなきゃいけなかったの?」

「ねぇ、もう起きたことを言ってもはじまらないでしょ。先輩のことは忘れて、あんたは就活に専念すべきよ。世界は広いのよ。男はいくらでもいるんだから」

「私にとって、ドジン先輩でなきゃ意味ないの。別の男が寄ってきても、嫌だって言うわよ」

「なんて、一途なの。どこがそんなにいいのよ。客観的に見れば、そんなにいい男じゃないわよ」

ドジンが普通の人だから、好きだというオソル。


~回想~

新入生歓迎コンパを思い出すオソル。

遅れてやってきたドジンに、ほぼ、一目惚れのオソル。

向かい側に座り、優しく頭をくしゃくしゃっと撫でたり、完全に新入生をターゲットにしてる優男にしかみえないんだけど。。。

 

大学の講義中、ドジンを見ようと、鏡で髪型をチェックするふりをするオソル。

光があたって、バレバレ。

自分のロッカーをあけると、飲み物が入っていて、付箋には《講義に集中しろ、おちび》

 

オソル:彼は優しくて、いつも配慮してくれた。気を使ってくれるけど、決してそれを明らかにしない。
だから、私は彼に恋に落ちた。
先輩のような人が私のことを気に掛けてくれるだけで、幸せだった。


おそらく、女の子全部にやさしいタイプっていうジュヨンの評価が合ってるんだろうね。


否定するオソル。

「じゃ、なんで付き合わないのよ。3年よ、3年。私が知る限り、この3年の間に、ドジン先輩は、数人の女の子と付き合ってる」

「だから、ドジン先輩と私は・・・つまり、タイミングが合わなかったのよ。言いたいことわかるでしょ。ただ、じゃれ合ってるっていうか、とにかく、私たちの間には何かがあるの」

Someな関係だと言いたいのね!

「へぇ、確かに、そうやって、タイミングを待ってるうちに、年をとっていくわけね。まぁ、いいか。ところで、その後、どうなったの?」

「なにが?」

「事故よ。相手に会ったの?」
ああ、完璧に忘れてた・・・って表情のオソル。

 

~カフェ~

いつものごとく、名前入りのハンカチを椅子に敷いて、座っているソンギョル。

黙って、じ~っと、オソルを観察する。

(膝がぬけたパンツ。おそらく、1週間は履いている。それに、胸元のキムチの染みは数日経ってるようだ。ランチは、安いポークカツレツだった。髪は少なくとも数日は洗ってないな。)

お見事!

我慢できずに、除菌スプレーをかけまくるソンギョル。

むせるオソル。

「なにしてるんですか?」

「ああ、消毒剤だ。心配しなくてもいい。 天然成分で作られているから、人間には無害だ。」

「昨日は、本当にすみませんでした。ちゃんと、謝罪することさえしませんでした。いつもは、本当に、これでも賢明で真面目なんですよ。昨日は、ちょっと事情があって・・・」

無言で書類を差し出すソンギョル。
「これ・・・なんでしょうか?・・・ええっと、3、350万ウォン?」

「振込か?それとも、現金?」
「あの・・・あれは・・・ほんの少し、ゴミでしたよね」
きちんと修理報告書添付。

「ああ、これには私の心理的傷害に対する補償は含まれていない。あのゴミ、君は、あのゴミのせいで私がどれくらい苦しんでいるのか知っているのか?」

まだ、学生の身分なので・・・と、値引きを申し出るオソル。

「清掃員じゃなかったのか?」

「ああ、それは、話せば長い話なんです。もし、仕事が見つかるまで、待っていただけたら・・・」

「ちょっと待って。さっきは、ただの学生だと言ったばかりじゃないか?」

「学生も、ある時点で求職活動をするじゃないですか? おわかりですよね? ・・・どうして、そんな顔をされてるんですか?」

あくまでも、笑顔を絶やさないように、話をすすめようとするオソル。

「来月・・・つまり、今月末まで待ってもらうことはできませんか?お願いです」

もう一枚の書類を差し出すソンギョル。

「君は、これに関しても覚えがあるだろう?」

差し出されたビラをじっと見つめる。

「あ、これって・・・。これを捨てたのはあなただったんですか?」

「捨てた? なぜ、完璧に動くものを捨てたりするんだ?」

「でも、ゴミ捨て場にあったんですよ」

「それはもういい。いずれにせよ、君がそれを保持しているなら、返してくれ。他人を通じて、謝礼を要求したりせずに。」

「謝礼を要求? 一体、何の話?」
「この人に、私に連絡させたのは君だろう? そもそも、これが事故の原因だ。」

「確かに・・・それは、弟の番号ですけど・・・」

《今夜は、急用がおきたので、また改めて連絡します》
「ああ(あのバカ・・・)、ああ、申し訳ありません。なにか誤解があったようです。すぐにお返しします。その・・・それで、この分(謝礼100万ウォン)を値引いていただくことはできませんか?これ、これの分です。お願いします。」

オソル渾身の笑顔に対し、消毒スプレーを吹きかけるソンギョル。

絶望的に目を伏せるオソル。

でもね、ソンギョルはダメとは明言しなかったよね(笑)

くくく、もうすでに、かなり、オソルには強く出られない何かがあるのだ(笑)


~オソル自宅~

オドルに馬乗りになるオソル。

恥をかかされたオソル、容赦しません。

助けを求めて、絶叫するオドル。

そこへ、ジュヨンから、ドジンの就職祝いのパーティへの誘いの電話が・・・。

行かないと言い張るオソル。

「ヌナ! ジュヨンヌナ!助けて、俺、殺される」

電話越しに、ジュヨンに助けを求めるオドル。


結局・・・参加することになったオソル。

精一杯のオシャレしてます。

「ホ~ル、今日は可愛いじゃん。来ないって言ったくせに(笑) どうしたのよ、そんな可愛い恰好しちゃって・・・」

会場に来て、やっぱり気後れしたオソル。

帰ろうとしたとき、「キル・オソル・・・」とドジン先輩に呼び止められる。

逃げられなくなったオソル。

ジュヨンが強引に、ドジンの横に座らせる。

そこでも、どうしても、話題は、まるもり(馬頭)の動画の件。

恥ずかしさに俯くオソル。

「そのくらいにして、飲みましょうよ」と流れをかえるジュヨン。

「おめでとう~~~!」

「おめでとうございます!」

「乾杯!」

新入生コンパのときのように、オソルの髪をくしゃくしゃとするドジン。

「え~、今のなによ?」

「あなたたちってそういうことなの?」

「どうしたの?」

みんなに、はやし立てられ、照れくさくても、嬉しさが隠せないオソル。

 

店の外の階段で一人、酔いを醒ましているオソル。

「どうした?こんなところで一人で?」

「ドジン先輩。ただ、ちょっと、風にあたりたくて・・・」

ジュヨンから事情を聞いていたドジン。

「ほかの女の子なら、絶対にやりたがらないだろうな。でも、お前はかっこいいよ、キル・オソル。」

また、髪を撫でるドジン。

く~、こういうことされると弱いのはわかる。。。

「中に戻ってこいよ。もっと飲もう。待ってるよ」

戻っていくドジン。

「私を待ってるって?」

叫びだしたいくらい嬉しいオソル。ひっくりかえって、空を見上げると、☆がハートに見えちゃうし。。。

外で寝転がっているオソルを心配するジュヨン。

「まったく、また、飲みすぎたのね?救急車呼ぼうか?」

「こんなに幸せでいいの? ドジン先輩が、私をかっこいいって。ジヨン、どうしよう~~~、私、ドジン先輩のこと、すっごく好き。どうしたらいい?」

「また、そんなこと言って。これはね、由々しき問題よ。」

もう、一人で盛り上がってるオソル、聞く耳なし。

 

自宅に戻ってから、メッセージを送るオソル。

《先輩、ありがとうございました。他の人に言わないでいてくれて・・・。それから、就職おめでとうございました》

送信すると、すぐに返信が・・・。

《明日、俺の職場に来たくない? ランチ、ご馳走するよ》

 

もう、ベッドでジタバタしちゃうオソル。。

 

~翌日~

下着ショップにやってくるジュヨンとオソル。

「で、先輩のステータスメッセージは、“正直になる勇気”で、BGMは“告白”、もうそういうことなんじゃないの?」

紺色の下着をかかげるジュヨン。

「こんなのどう? 挑発的なプレゼントだと思わない?すぐにでも、ホテルに直行よ」

「なに言ってんのよ。それに、特別な日でもないのに、下着をプレゼントするっていうのは、ちょっとやりすぎじゃない・・・」

「ねぇ、彼はあんたとランチを一緒にしたがってるんでしょ。職場にも呼んだ。それが何を意味してると思う? “俺は準備は出来てるぞ。付き合おう” そういうことでしょ、このおバカ!」

「そうかな?」

「また、ためらって、タイミングを逃がす気?」

「ううん、そんなことしない。」

「いい? 私のいうことをよく聞いて。先輩の前で、この下着を持って、恥ずかしそうに言うのよ。“オッパ、私、先輩の彼女ですよね”って」

キャーキャー大騒ぎ。

ふと、値札に目を向けるオソル。

「ねえ、男性の下着って、こんなに高いの?1か月の食費が吹っ飛ぶわ」
「あのね、あんた、あれだけ働いてるんだから、これくらい買う余裕あるでしょう」

350万ウォンのおかげで、全然余裕なし。

むしろ、マイナス。

しかも、精神的にかなりマイナス。

至るところで、350万ウォンを請求するソンギョルの幻が見えるオソル。

 

「ああ、これでいいわよね」

「それ、買うつもりなの?」

「うん」

 

~ドジンの会社~

化粧チェックに余念のないオソル。

プレゼントを見て、にっこり。

ドジンが走ってやってくる。

「オソラ、ごめん、遅くなった!」

「いいえ、とんでもないです。私も着いたばかりです。仕事、忙しいんですか?」

「実はさ、番組に出るモデルが突然、来れなくなってさ」

「モデルが来ない? どうしましょう。先輩、大丈夫なんですか?」

「上司が俺に何とかしろって。入社して、すぐにこんなことが起きるなんて信じられないよ。悪いな、来てもらったのに。」

「全然平気です。気にしないでください。忙しいようなら、また、次の機会にでも・・・」

「オソラ、悪いんだけど、頼まれてくれないかな」

「頼み?」

 

一方、なんとなく、オソルのことが気になり、ついつい考えてしまうソンギョル。

「学生だと? 学生がなんだよ。なんで、嘘をつくんだ? 卑怯なやつだ」

気になってる、気になってる(笑)ニヤリ

 

テレビから流れてきた通販番組になんとなく、目を向ける。

(ソンギョルの会社も提供してるから、休憩スペースで、ずっと流しっぱなしなのね)

大口を開けて、食べているオソルの姿に目を疑うソンギョル。

「この子、旨そうに食うなぁ」

ジェミンが感心したように呟くと、ドンヒョンも目を向ける。


テレビに映るオソルに気づき、

「あの女、(あんなところで)一体、何してる?」

呆れ果てるソンギョル。

 

~オソル自室~

飛び入りで、通販番組に出演することになり、なんだかよくわからないまま、自宅に戻ってきたオソル。

「あーあ、何が、“先輩の彼女ですよね?”だって?」

渡せなかったプレゼントを見ながら落ち込む。

携帯をチェックすると、

《不在着信3回:350万ウォン》

「うわ、どうしよう! 完璧に忘れてた! ああ、もう知らない!」

一旦、現実逃避。

そこへ、ドジンからメッセージが。

 

《今日は大変だっただろ? 悪かった。お陰で助かったよ》

《お役に立てて嬉しかったです。先輩》

《ありがとう。オソラ。信じられるのはお前だけだよ。お休み》

大喜びのオソル。

「すごい!信じられるのはお前だけ、だって!おやすみなさい、ドジン先輩」

 

~翌日~

ソンギョルに、詫びの電話を入れるオソル。

「すみませんでした。昨日は急用が入ってしまって、本当にすみませんでした、ええ、はい」

 

クォン秘書「前回のホームショッピング放送で、大量の完売を出した後、他のチャンネルからも、継続的に連絡が来ています。各チャンネルを比較検討しようと・・」

オソルとの電話中にも報告を入れているクォン秘書を手で制するソンギョル。

こういうところ、ソンギョルの優先順位が自然とわかるね。

ソンギョル「ああ、午前中は忙しいので、午後に会いましょう」

オソル「はい、わかりました、もしかして値引きの・・・」

ぶち!

オソル「もしもし、もしもし? あいつ・・・。人がまだ話しているときに、どうして切るのよ?ああ、あっち行ってて」

クムジャさんに当たったら、すねちゃった(笑)

オソル「え?壊れたの?」

見回して、紙袋に入れるオソル。

 

今日もまた、ドジンからの呼び出しで、いそいそと出かけていくオソル。

 

~JBホームショッピング~

ロビーで待っているオソル、女性スタッフから声をかけられて戸惑う。

「ちょっと待ってください、始まるってなんですか? 私はここで働いているイ・ドジンさんに会いにきたんですけど」

事情を教えられないまま、スタジオに、引っ張られていくオソル。

 

「前回、出演したから、練習は必要ないわよね?食べ物と対して変わらないわ。向こうに、更衣室があるから、これに着替えて来て。」

「あの、なにか勘違いされてるようですけど、今日ここには約束があって来たんです」

「知ってるって。だから、急いで!」

「え?」

「あ、彼が来たわ。ドジンさん」

「あ、先輩、どうも、あの人、なにか誤解してるみたいなんです、説明してもらえませんか?」

「オソル、説明なら後でするよ、先に着替えて来てくれないか?」

「え?」

「番組の後で会おうな」

また頭ポンポンして、行ってしまうドジン。

 

同じ頃、JBホームショッピングに、打ち合わせに来ていたソンギョル。

ディレクター「私は、最後まで今のコンセプトを維持すべきだと思います。それから、天然洗剤や魔法のクリーニングスポンジなどの無料ギフトを追加するなど・・・」

「では、広報チームと話し合い、お返事しますよ。」

その時、スタジオの入口から声が聞こえ、足を止めるソンギョル。

「私、本当にこんなこと出来ません。こんなのがいいことだなんて、思えません」

「今さら、なに言ってんの?!むかっむかっむかっ

 

恥ずかしそうに、剥き出しのお腹を隠すオソル。


ソンギョル「マルモリ?」

 

どうやら、補正下着の通販のモデルを頼まれたことになっているオソル。

すでに、様々な体型のモデルたちが着替えて準備中。

 

「でも、これについて、何も聞かされてませんでしたし、あなたに連れてこられただけです」

「信じられない!この事はドジンさんに了承したんじゃないの?」

「でも、私・・・」

「ドジンさんから聞いてるわよ。親切で何でも手伝ってくれて、よく仕事してくれる友達を呼んだって。違うの? 一体、ドジンさんはどこにいるのよ」

今度はドジンを電話で呼び出そうとする女性スタッフ。

 

もめているようなオソルの様子が気になるソンギョル。

「では、またご連絡します」

立ち去るディレクター。

 

駆けつけてくるドジン。

「オソラ、どうした?もう着替えたのか?もう、始まるぞ。位置についてよ」

「先輩・・・」

「ねぇ、一体、どういうこと?」

「すまない、チャギヤ。俺が彼女を説得するから、心配しないで、仕事に戻ってて」

チャギって、恋人なの?

「彼女がyoutubeのスターだって言うから、出演料だって弾んだのに」

「先輩・・・」

「オソラ、なんて言ったらいいかわかんないけど・・」

本番が迫る中、とりあえず、番組にださせようとするドジン。

「このために、私を呼んだんですか? youtubeのスターの私をモデルとして利用したかったんですか? それで、私に奢りたいからと言って、ここに来させて、仕事をさせようとしてたんですか?」

「誤解だよ、オソラ。お前の状況を聞いて、気の毒に思ったし。稼げる仕事だから、お互いのためになると思ったんだよ。そういうことさ。考えても見ろよ、清掃員の仕事よりいいだろう? 簡単で、金だって・・・」

「最低野郎!」

「なんだって?」

「先輩、知ってますよね、私が長い間、先輩のことを好きだったって。新入生だった頃からずっと好きでした。本当です。先輩はずっと、私を混乱させ続けたでしょ。先輩が私に希望を与え続けたせいで、私はあきらめることができなかった。とうとう、こんな最低な大バカにさせたんだわ」

 

生放送スタートのカウントダウンが始まる。

 

「ありがとうございました。い、今まで、よくしてくださって、感謝してます。こんな人を好きになって、3年も無駄にした私もバカだけど、ここでそれを終わらせることができてとても嬉しいです。」

涙をこらえて、絶縁宣言をするオソル。

「オソラ、キル・オソル!」

 

スタジオを出てきたところで、ソンギョルと鉢合わせ。

気まずい!

ソンギョル「君がここにいるとは思わず・・・」

なにも言わずに、その場を立ち去るオソル。

後ろ姿を見送りながら、ため息をつき、出てきたドジンに視線を向けるソンギョル。

これ、ドジンに対して、怒ってる以外、言い表せない表情です!

 

更衣室に入り、泣き始めるオソル。

 

「すみません」

ロビーにいたソンギョルに声をかけるオソル。

「これ、探していらしたものです」

代わりに受けとったクォン秘書、中身をみて驚く。

「修理代はお金がたまったら、すぐにお返しします」

無表情で一礼すると出ていくオソル。

そんなオソルが、もう、心配で仕方ないソンギョル。

「午後のスケジュールを修正する必要がなくなったみたいですね」

「ええ」

まだ、視線はオソルを追ってる!

“掃除の妖精”自ら出演の通販での売り上げも好調。

 

エレベーターに乗り込んできたドジン。さっきのオソルとのことなど何もなかったかのように、彼女と調子よく電話中。

内心、ムカムカして、同じ空間にいることすら耐えられないソンギョル。

消毒スプレーを探すも珍しく見つからない。

「なにかお探しですか?」

「消毒スプレーを置き忘れてきたようだ」

「持ってます」

今度は違う女に電話をかけるドジン。

もう、遠慮せずに、消毒スプレーを撒きまくるソンギョル。

「ちょっと、何されてるんですか?」

文句を言うドジン。

「ああ、申し訳ない。だが、ここに、危険なバクテリアがいるようなんでね」

あはははは!

ソンギョル最高!

「退治しないと!」

心得てるクォン秘書がちゃんと、マスクを着用するところもツボ!

「なんだよ、どっかおかしいんじゃないのか?」

むせかえりながら、文句を言うドジン。

「クォン秘書、もう一本」

エレベーター内、真っ白(笑)

平然とエレベーターから降りる二人。

さっとマスクを外すクォン秘書もかっこいい!

 

「なぜ、あんなことを?いつもは、他の方たちの前では注意深く振る舞われますのに」

「ほかの人間なんていたか? 気づかなかったな」

クスっと笑うクォン秘書。。。

 

ジュヨンと屋台で飲むオソル。

「彼女がいるくせに、なんで、あんたを誘うのよ」

「そんなの知らないよ」

「彼は確かに見た目かっこいいけど、み~んなにやさしいっていうのはわかってた。ねぇ、あいつはゴミよ。」

自分がいかに、ドジンにトチ狂って、この3年を無駄にしたのか、悔やむオソル。

「あのね、私はね、こんなお粗末な判断力しかないの。グズグズしてるし、何もいいことなんかない。人を見る目だけはあると思ってた」

「ねぇ、なんで自分を責めるのよ。あいつがあんたを混乱させて、キープしていたんじゃない。全部、あの男のせいでしょ」

「ねぇ、こういうの、知ってる? 競走馬。あの子たちは、レース中に気を散らさないように、こうやって、ブリンカー(遮眼革)を被せられるのよ。それだから、前を向いて走り続けられるんだって。別に、理由も目的もなく、ただ、スタートピストルの音に驚いて走り出すの。ひたすら、走り続けるだけ。な~んにも考えず、同じペースで走り続けるんだって。」

「ねぇ、ちょっと、何の話してんのよ。もう酔っ払ったの? これだけで?」

「私がドジン先輩に夢中だった間、そういうような感じだったんだよ。最初からずっと、私は彼に恋に落ちてた。彼が脈があるように振舞ったから、ずっと好きでい続けたの。何も考えずに、なんの理由もなく、・・・ただ、好きだったから」

「ちょっと!ところで、どうして、ロボット掃除機をくれることができなくなったの?」

急に話を変えるジヨン。

「え?」

「もう、お金、送ったのに・・・」

「フランスの有名な作家のスタンダールがね、誰かが恋に落ちた時・・・」

 

オソル:振り返ってみれば、私の人生の過去3年間は、ただ、それだけだった。私が、その人に抱いていた幻想は、私に笑顔、微笑みと涙をもたらした。それがどれほど愚かなことがなぜ、わからなかったの?そして今、愚かな幻想から目を覚ました今、私の元には、1ヶ月間食べていけるのに十分な値段の男性下着だけが残った。


ソファで寝込んでいる父親に毛布をかけるオソル。

 

「ああ、どうかしてた・・・。アッパなんて、過去10年間、穴が開いた下着を着ていたっていうのに、全然、気にしてなかった。あ~あ、あんな高いものを買うなんて信じられない、どうかしてた。・・・・ああああああ、掃除機の袋!!

 

~ソンギョルの自宅~

クムジャさんを取り出すソンギョル。

袋の中に、まだ、何か入っているのを見て、不思議そうに取り出してみる。

箱を開けてみると、メッセージカードが入っている。

《最初に会ったときから、あなたに聞きたかったの

私たち、付き合ってみる?》

 

意味不明の文に、顔をしかめるソンギョル。

「一体、なんだよ・・・」

そして、包み紙を外してみると・・・なんと、ショッキングピンクの象のおパンツ。

なんか、突然、今まで出てこなかったスペシャルゲストがでてきたよ。(笑)


「うわ!」

のけぞって、箱を放り投げるソンギョル。

 

「いや~~~~~~~!」

「なんだよ、これ!?」

いろんな意味で、おののいてる2人(笑)

 

★第2話(前半)に続く★

どうでしょう。。。分割してしまいましたが、1話です。

やっぱり、王道はいいなぁ。

思えば、いろんなことが詰め込まれてました。

突然、人生が交差することになったソンギョルとオソル。

それもこれも、クムジャさんのお手柄ですけどね(笑)

ただ、擬人化するだけでも好きなんですが、もう、クムジャさん(人間)がすけて見えますもん。

二人のいろんな表情が見れて楽しかったです。

 (文字数制限でギリギリなんです)

★『まず熱く掃除せよ』第2話(前半)に続く★