分割してます。
■ 第11話(3)
それからというもの、自分とシンの今後について、どうすればいいのか、頭から離れず、悩みまくるウンタク。
ある日のウンタク。
「アジョシ、私、このまま死ぬよ。アジョシは生き続けて、私、生まれ変わったら、アジョシに会いにくるから。だから、このまま、ここにいて。私が絶対に、アジョシに会いにくるから。約束する」
「そうしようか?」
また、ある日のウンタク。
「ねぇ、アジョシの剣を抜きましょうか?私が死んだら、一人で生き続けるんでしょ。別の花嫁が見つからないかもよ。それなら、私が抜いてあげたほうがよくない?」
「そうするか?」
そして、また別の日のウンタク。
「アジョシ・・・、私たち一緒に死にましょうよ。それが一番いいわ」
日ごとに、思いが乱れるウンタク。
「同時に・・・。そうすれば、一人残されてたほうが、心を痛めることはないでしょ。」
かなり思いつめているウンタクの前に立つシン。
「俺を見るんだ、ウンタク。お前は死なない。俺がお前を死なせない。止めてみせる。いつだってとめてやる」
とうとう泣き出すウタンクを、抱きしめるシン。
「すまない・・・こんなに苦しませて。でも、俺たち、これを乗り越えないと。どんなドアが開くかはわからないが、俺はおまえの手を離すことはない。約束する。俺を信じろ。俺は、お前が考えてる以上に偉大なる人間かもしれないぞ」
翌日?
着替えておりてくるウンタク。すっきりとした雰囲気です。
「どこへ行く?危険だぞ」
「当然、バイトにいくのよ」
「俺のいうこと、聞いてたか?」
「聞いたし、全部わかってる。でも、こうして家に閉じこもってばかりの人生なんて嫌。残りの日々を震えながら過ごすなんてしたくない。たとえ、私が明日死ぬとしても、今日は生きなきゃ。アルバイトにも行くし、大学に行く準備もする。いつものように舗道を歩き、いつもみたいに家に帰ってくる。それが人生ってもんでしょ。だから、アジョシは人生をかけて私を守って。私は生きることに一生懸命全力を尽くすわ。信じる。ウリオンマは私を産み、育てた。だから、私は大学に行く。私には、生きるために理由がいっぱいあるのよ。そのなかでも、アジョシは例外的な大きな理由なのよ」
笑顔を見せるウンタク。
だからこそ、死なせたくないんじゃん。
「わかった、じゃ、もし、お前が危険だと感じたら、俺を召喚しろ。どんな高い場所にも昇ったりするなよ、わかったか?」
「ああ、墜落っていうことね。わかったわ。心配しないで。じゃ、あとでね」
家にいても落ち着かないシン。
ふと、手が煙につつまれているのに気づく。
「?」
にっこり笑って、ふりかえるウンタク。
「街灯が点滅してて、なんだか、危険に思えたの」
「あの人、すっごくイケメンなのよ。イケメンな人って、とっても危ないでしょ?」
「あの服、すっごく可愛いでしょ。可愛い洋服は、銀行の残高のバランスを脅かすでしょ。」
「なんだか、すっごく会いたくなっちゃって、息もできなかったの。私の人生って、危険だらけね」
毎度毎度、呼びつけられているにも関わらず、嫌そうな顔をするどころか、幸せそうに微笑むシン。
「俺もだよ」
幸せな気分のトッケビが、心のままに、真冬に桜じゃなくて桃の花を咲かせちゃいました。
「一体、どういうこと?真冬にさくら桃の花が咲くなんて。この木が、死にかけてるとか、そういう感じなの?」
驚くサニー。
翡翠の指輪を見つめる死神。
コートと帽子をもって、部屋をでると、サニーの店にやってくる。
誰もいない店内。
帽子を脱ぎ、席につく。
指輪をみているうちに、落としてしまう死神。そこへ入ってくるサニー。
慌てて、帽子をかぶる。
テーブルに置かれた携帯を取りに来たサニーがそのまま、行ってしまうと、落ちた指輪を拾い上げる。
もう一度、戻ってきたサニー。
気配を消す死神。
「彼は、184センチくらいよね。靴のヒールがだいたい2センチだとすると、このくらいの高さだわ」
持っていた桜 桃の枝を振り回すと、帽子がはじき飛ばされて、姿をあらわす死神。
(12話で、死神が、桃って言ってるようなので、桃にしました)
うーん、帽子が外れて、死神が姿を現すシチュエーション、もうちょっと自然なやつ、なかったのかな(笑)
驚き、なにも言えないサニー。
どこかで、覚悟をきめていたような死神も、ただ、サニーを見つめるだけ。
「それで、どうしてあなたがここにいるの?でも、まだ、理解できない。あなたは何者なの?おかしくなりそう。こんなの絶対不可能なのに、誰が信じられる?でも、そういうことなのよね。私の名前を知っていたのは・・・なぜ、名前を知っているのか聞いても、あなたの答えは全部、間違いだらけで。
以前にも、こういうことがあったとき、何かしたでしょ?今回はしないでよ」
「しません。もう、あなたに見つかったままにします。」
「それじゃ、なに? あなたは何者なのよ?」
「直符使者・・・」
「なんですって?」
「無理だと思いつつ、ハッピーエンディングを夢見ていました、でも、思った通り、悲劇のままでした。我々は別れるべきですよね?」
向き合ったまま、微動だにしないサニーと死神。
~大学~
「オリエンテーションが早めに終わったわ。選択科目の登録も終わったし・・・学内を見て歩こうかな」
「“会いたい”ハートマークつけちゃいなよ」
「“愛してる”ハート、ハート。そうしなよ。あ~あ、ロマンティックじゃん」
トッケビにメールをしようとするウンタクをからかう幽霊たち。
「私にも、そういう暖かな春の日だってあったんだよ。今はただ、暗く深いところをさまよい歩く毎日だけどさ。毎日が暗くて、冬の夜みたいなのよ。あんたがたった一度、そいつに会って、聞いてくれるだけでいいんだけど。手伝ってくれない?」
ウンタクは徹底的に無視してますが、つきまとう幽霊2人。
「頼み?なに?“まだ、わたしのこと愛してる”とか、そういうこと?キャー、なんて、ロマンティックなの?」
幽霊オンニが盛り上がる。
たまりかねて、ウンタクが二人に文句を言う。
「いいわ。あなたの冬の夜を終わらせてあげるわ。復讐でもなんでもしてやりましょう。そいつに何をしてやればいいの?」
夜になり、オフィスビルの前に立つウンタク。
ライターの火が着くかどうか、テストするウンタク。
「火でもつけるの?」
「備えあれば憂いなしよ」
シンを呼ぶ準備は万端。
人気のない夜のオフィス。
ターゲットの男だけが残業してる背後に現れたウンタク。
たじろぎながら、
「なにかご用ですか?」と訊ねる男。
「あなたの先妻についてお話ししたいことがあるんです。イ・ジョンファさん。時間ありますよね?」
ウンタクを、高層ビルの最上階の非常階段に連れてきた男。
これはこれは、かなりの高さです
「私の妻をなぜ知ってるんです?」
「ちょっとした知り合いです。メッセージを伝えてほしいと頼まれました。」
「ああ、そうなんですか。それならどうぞ」
ジョンファと同じように腕組みをすると、口調も出来るだけ再現するウンタク。
「元気だった?ヘジンとうまくやってるみたいね・・・って、言ってます。」
「誰が?」
「あなたの奥さんが」
「なぜ、君がヒジンのことを知ってる?」
「「家に連れ込んだでしょ。200日の記念日に」」
「「可愛いバッグを買ってやったでしょ、私の保険金で」」
自分で喋った内容に驚き、思わず、隣のジョンファに話しかけるウンタク。
「それ本当?うわぁ、そりゃ、マジで怒っていいよ。」
「「屋上であの日、私を突き落としたでしょ」」
あらためて、ここが誰もいない非常階段だと意識したウンタク。
「今、それ、言うの?それって、私をどうしようと?」
死神の部屋に置かれた死者のカードの死亡時期が、壬寅月から、発卯月に変わっちゃった。
っていうか、今日じゃん。
「そんなの、あまりにもひどくない?」
虚空に向かって、文句を言うウンタク。
「お前、何者だ?」
「あなたがヒジンと一緒に立てた犯罪計画を録音して、シューズクローゼットに隠したわ」
ジョンファが、言葉を続けるのを聞き、もっと聞き捨てならないウンタク。
「ちょっと待ってよ。シューズクローゼットに証拠を隠したなら、警察に持っていけば良かったじゃん。なぜ、そうしなかったのよ」
「お前、なぜ、知ってる?誰と喋ってんだよ」
「そうだよ。これじゃ、シットコムじゃなくて、サスペンスじゃん?それに、あんたの旦那、マジで怖いよ」
男の殺意を感じ取ったもう一人の幽霊オンニが警告する。
「こんな無謀なことして、みんな殺す気?」
「(私は)もう死んでるのよ」
「オンニ、それ、ちょっと自分勝手過ぎない?私はどうなるのよ?私は?」
「お前、イカれてるのか?誰と喋ってるか、聞いてるだろう?」
「あなたの奥さんよ。あなたが殺した奥さんよ!」
「ああ、お前も死にたいってことか。若い女は注意力が足りないよな。こんな高層ビルの屋上まで登ってきて、欄干を越えたいのか?」
「ああ、墜落死・・・。」
このときのウンタク、下を見ての恐怖と同時に、カードの内容が、ちゃんと合ってるってことに感心してる(苦笑)
「本当は、彼のライフラインとか使いたくないのよ。私の彼が、あなたに何するかと思うと心配だし、」
と言いつつ、ライターを吹き消すウンタク。
同時に、背後から強い衝撃を受けて、階段を転げ落ちる男。
うわー、怒りのオーラをまとい、剣を持ったシンが仁王立ち。
その迫力につい、「ご、ごめんなさい・・・」
謝るしかないウンタク。
警察署の前に引きずられてきた男。
「自首して、人間界の罰を受けろ。俺から罰を受けたら、お前、死ぬことになるぞ」
「私は人殺しです。妻を殺しました」
ぶつぶつ言いながら、警察署に飛び込んでいく男。
「ごめんなさい」
ジョンファが先に、シンに謝罪する。
「ただ、彼に、私が怒ってることや、傷ついたことや、助けてほしいと言いたかったんです。生きてるときには言えなかったことを、全部、言ってやりたかったんです」
「ね、彼女もこうして、謝ってることだし・・・」
ジョンファの前に立ち、かばうウンタク。
「お前、全く、バカか?もう少しで、死んでたんだぞ」
「わかってる。ごめんなさい」
ジョンファに向かって
「オンニもこれで、いいところに行かなきゃね。私は小言を言われると思うけど。」
「助けてくれてありがとう。聞いてくれてありがとう。あんにょん、ウンタク」
成仏して、消えていくジョンファ。
もう一人の幽霊オンニは、ただ消えただけかな。
~トッケビハウス~
「まだ怒ってる?そうよね。そうだよね。」
ウンタクを抱き締めるシン。
「怒ってないよ。ただ、心配だっただけだ」
「じゃ、なんで怒られてるみたいに感じるの?心臓がチクチクしてる」
「俺のよりは、ましだ。俺が1時間くらい、どれほど地獄と行き来したか、知らないだろう?」
「ああ、私たちって悲惨よね」
「アニ(いや・・・)」
「なによ、じゃ、不幸なの?」
「アニ(違う・・・)」
「それじゃ、アジョシ、まだ私を怒りたい?終わりにする?」
「アニ(そうじゃない)」
「大学で、短いスカートで、たくさんブラインドデートするのは?」
「アニ(ダメだ!)」
嬉しそうに、ぎゅっとシンに抱きつくウンタク。
~カフェ~
後輩死神に呼び出された死神。
顔色が悪いと指摘される。
「辞職でもするんですか?」
「いい加減にしろよ」
「落ち込んでるようだから、冗談のひとつでも言いたかったんですよ」
先輩が担当してる2件の漏洩者について、1件の報告が来ないと、天からの伝言を伝える後輩。
「理由書を提出しろですって。もう少し、頻繁に、事務所からのメール確認したほうがいいですよ」
「そうは言っても、少しでも何かわかってからでないと報告できないじゃないか」
「どういうことですか?先輩」
「20年前のことだ。死者の魂とすれ違ったが、情報がなかった」
「どんな死者だったんですか?」
「相当長い間、さ迷っていたようだった。なんとも不敵に見えた。直符使者を見ても、恐れない使死者の魂など、見たことがなかった。それだけでも奇妙に見えた。当然、見失った。それで、とりあえず、アクシデントが起きたようだと報告しておいたんだ。つまり、それが、知らされていない死者の魂の件だ」
~オリーブチキン~
掃除をしているウンタク。
すっかり、この辺のボス格になったのかな、幽霊オンニ。
「前に話したニューフェイスよ。20年くらい前に直符使者にあっても無事だったんだって。」と紹介する。
「へぇ、私と似たような体験を・・・」
と言いかけたところに入ってきた幽霊は・・・
パク・チョルホンじゃん。
「ようやく会えたな。お前がトッケビの新婦なのだな」
不気味な老人の霊を見つめるウンタク。
★12話に続く★