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第10話(1)はこちらからどうぞ。

 

■ 第10話(2)

パク・チュンホンの横暴ぶりに、思い余って、王の元に直訴しにきたソン。

「どうか、武官を冷遇することなく、文官の役人だけを重用されるのはお控えください。上将軍のキム・シンを呼び戻し、陛下の側を守らせてくださいませ。そして、なにより、パク・チュンホンを遠ざけられ・・・」
ソンの進言は、長年かけて、ワンヨを洗脳してきたパク・チュンホンからすれば、絶好のチャンス。

「それを言うためにここに来たのか?結局、そなたの欲心が膨らんできたということか?そなたの兄が、そなたを、一族の希望とでも言ったのか?」
すでに、ワンヨの心は、ソンから離れてしまっているのね。
「民を守るのは王だ。王を守る人間とはどういうことだ?そなたの望みが何を意味するか、わかっておるのか?そなたの兄は、いつも勝算のない戦いに挑ませても、もう二度と戻ってくるなと言っても、常勝の神となり、民の心をつかみ、私を嘲笑うのだ。そのようなそなたの兄の剣が、私を守るのか、切りつけるのか、そなたにわかるのか?」
「陛下・・・」
「私以外、誰も私の民の王となることはできないのだ、それゆえに、そなたの兄は、反逆者なのだ」

「たかが、武人の武功が思わぬ勢力を得て、文官はないがしろにされ、皇室の権威も失われつつあります。上将軍キム・シンを処刑し、過ちを正し、王の権威を民に知らしめるのです。」

パク・チュンホンの口から、ついに、キム・シンの名前が挙げられた。

ソンから目をそらすヨ。


1話冒頭、凱旋し、戻ってきたキム・シンの軍が、皇軍に囲まれ、入城を阻まれたのはこういう経緯があったのでした。



一歩たりとも近づけば、家族から殺すと言われても、毅然と、歩をすすめるように強くシンに、一族の覚悟を伝えたソンの胸に、矢が突き刺さる。

それが妹の最後の姿だった。
武臣の妹であり、気品高い皇后だった。

王が立つ場所への道はひたすら遠く、結局、たどりつくことはできなかった。

シンの最後を見届けることなく、無情にもその場を立ち去る王の姿を見るシン。

全部わかっていた、それがわかりながらも、進むことしかできなかった。
それが、私の最後の戦であり、そこで死ななければならなかったからだ。

溜息をつく死神。
「一体、なぜ?」

「王命を破って、戻ってきたというだけでも、それ(死罪)に値するのだ。それに、王の嫉妬と恐れを見過ごしてきたのは明らかに失策だった。若き王を守ってくれと言った先王の命令も忘れられなかった。一族の長として、罪なき命を救わなければならなかった。そしてなにより、私の妹が命をかけて、そのバカを守ろうとしていたからな。」

思いがけず、重い過去をきくことになった死神と、・・・背後にいるウンタク。

「前世の記憶がない者のまえで、話し過ぎたな。料理もすっかり冷めてしまった。」

「一つ、気になってることがある。この指輪に、見覚えはないか?」
翡翠の指輪を見せる死神。
「まさか、俺に渡そうとして、あの女社長から奪ったんじゃないよな?俺、そういうの困る・・・」
「しっかり集中して見ろって。本当に見たことないか?」
真剣な様子の死神を前に、
「ひょっとして、お前、本気で(自分の前世が)俺の妹だったと思ってるのか? それで、俺の過去を知りたがったのか? ちょっと、指輪、はめてみたらどうだ?どうなるか、気になるだろう」
「おい、来るなよ、来るなってば!」
「ソンよ! それで、お前は今、愛されているのか?」
シンの言葉に血相変えて、首をふる死神。

「お二人とも、貴重な時間を過ごされているのに、邪魔をして大変申し訳ないんですけど、ちょっと出かけてきますね」
と、ようやく、姿を見せるウンタク。


「どこへ? 俺も一緒にいく。もう俺たちはセットだからな」
この当然だろって感じのシンがいいわ。
っていうか、死神もシンもハイネックのセーターだったのね。コン・ユ、ちょっと胸板厚めで似合ってるし。

「そうだな、おまえたち二人で行ってこいよ。俺、ひとりになりたい」
「ウリソナも、一人でいるのが好きだったよ」
あははは・・・。
「もう、出てけ!出ていけ~~!」
 

連れ立って歩くウンタクとシン。

「チョンヒョンがね、花を買って、自分に会いに来てって。パジュにいるからって」
「カナダほど遠くなくて良かったじゃないか」
図書館で会ってた幽霊のお友達のことね。

「アジョシって、花より素敵よね。本当に私のタイプなのよ!いつだって、どんなときもね。アジョシは本当に性格もいいし、行動も立派だわ」
いきなり、誉め始めるウンタクに警戒するシン。
「俺、なにか悪いことしたか?」
「ううん」
「じゃ、どうしちゃったんだよ?それとも、お前が俺に謝ることでもあるのか?」
「ううん」
「なら、なんで、そんなことを言い出した?」
「うーん、ねぎらい?励まし?そんなようなものよ。」
「俺がお前のタイプだっていうのは、特にどの辺りだ?」
「ちょっと変わってて、かっこいいところよ」
微笑むシン。
いいお答えだったみたいね。

納骨堂を訪ねてきたウンタク。
「あ、ここだ。コ・チョンヒョン、来たわよ」
18歳になる直前に亡くなったのね。
お花をいけると、そこに飾られた写真を見て、顔色を変える。
ジョンヒョンと一緒に、隣で明るく笑っている女子高生の写真。


「オンマ?これ、これって、私のオンマよ。」
急に、シンの方に駆け出すウンタク。
「アジョシ、門、門、ドアを開けて!図書館に、すぐよ。急いで!」

ドアを開ければ、そこは図書館。

ジョンヒョンがいそうなところを探すウンタク。
ロッカーの前で、待っているジョンヒョン。
階段を駆け下りるウンタクに、「気を付けなさい。お迎えが来ちゃうかもよ」
「ねぇ、うちのオンマの友だちだったの・・ですか?」
急に、敬語になるウンタク。
「うちのオンマをご存じですか?チ・ヨンヒさんって人、知ってますか?」
「なんで、あんたの側にずっといたと思ってたの?あんたがヨニの娘だからよ。私たちの頃は、本当にアイロンでパウチしたのよ!ヨニが何度も手伝ってくれたわ。」
あまりのことに、涙ぐむウンタク。


「高校の時にね、約束したの。お互いに子供が生まれたら、可愛い洋服をプレゼントしようねって。私はその約束を守れなかった、でも、その代わり、ヨニの大事なお金は守り続けたわよ。開けてみて、鍵の番号は、486よ」
慎重にロッカーを開けるウンタク。
「この通帳って、まさか・・・」
「その通りよ。あんたが、ずっとないと思ってたもの。あんたの叔母さんがずっとあるって言い続けてたもの。ヨニの保険金よ。一番上のが最近のよ。大学の学費に使いなさい。合格おめでとう!」
「これのために、この世にとどまっていて下さったんですか?私のために?」
「周囲をさ迷ってる間、あんたの成長を見守るのに興味が湧いたのよ。さぁ、これで向こうに行って、ヨニといっぱいおしゃべりするわよ」
「行かれるんですか?今すぐですか?」
「行って、あんたのオンマにぜーんぶ話してあげるのよ。あんたの娘は本当にいい子で、勉強も頑張って、いい大学に入ったんだよって。さ、もう、バイバイだね」
「もう?」
笑顔で手を振るジョンヒョン。


「ありがとうございました。今までのこと、本当に全部感謝してます。向こうでオンマに会ったら、オンマの友だちを続けてください。どうかお気を付けて!・・・バイバイ!元気でね、コ・ジョンヒョン」
涙一杯で、必死にお別れを告げるウンタク。
消えていくジョンヒョン。

じっと、その様子を見守っていたシン。

いつも、ウンタクがオンマを偲ぶ突堤に立つ二人。


オンマ、オンマには本当にいい友達がいたんだね。でも実はね、彼女は私の友だちでもあったのよ。オンマが私のためにしてくれること、大好き!トック(お餅)、誕生会、赤いマフラー、それから、ジョンヒョンもね。全部よ
ウンタクの肩を優しくトントンするシン。
やっぱり、どこか不器用(笑)
「アジョシもね。ドアを繋げてくれてありがとう」
「俺は、偉大な人間だからな」
笑い出すウンタク。
「バカにしてるのか?」
「あ、そうだ、雨。最近、降らないわね」
「NASA に連れて行かれないように、コントロールしてるんだ」
「あははは、NASA って・・・」
一層、大きく笑い出すウンタク。

~トッケビハウス~
「久しぶりだな」
キム秘書を呼び出したシン。
「(あなた様は)少しもおかわりないようですね」
「既に知ってるとは思うが、私は少し複雑な事情がある人間なのだ。今日は、君に頼みがあって来てもらった」
「はい」
テーブルの上に置かれたウンタクの通帳、10冊程度。
「保険金が入っている。ある母親が死ぬ前に、子供のために残したものだ。その子は今度の9月になるまでは、未成年だ。法的な後見人である叔母の承諾無しに、この金を引き出すことは現行上、難しい。」
叔母さんの資料を渡すシン。
「お母様の遺された保険金は、正しい持ち主の手にわたるべきですね、正しき方法で。ご心配なさりませんように。全て、お任せください。すぐ、取りかかります」
立ち上がるキム秘書。
「あ、それから、もう一つ」
シンが呼び止め、自分も立ち上がる。
「本当に良く成長してくれて、ありがたく思っているよ」
「こちらこそ、感謝しきれません、全てにおいて」
一礼して、出ていくキム秘書。



~刑務所の面会室~
「姉が死んだとき、まだ、子供は小さくてさ、保険金が支払われたはずなんだ。しかし、あいつらときたら、あたしに借金があると、あの子の法定後見人になれないとか言うんだよ。だったら、どうすればいいかって?選択肢は一つしかなかったよ。借金を返して、後見人になったのさ。そうして、保険金を受け取った。でも、あたし名義の口座に金を移せなかったんだ」
「借金を返すために組んだ個人ローンのためですよね」
「そのとおり。それで一旦、ウンタク名義の口座に金を入れたのさ。ところが、その通帳が消えちまったんだ。彼女の通帳を手にいれるにはどうすりゃいいかね?あたしの言いたいこと、わかるだろう?」
携帯を見せるキム秘書。


《録音中》
「あなたは、はっきりと、保険金搾取の意思があると認めましたよね」
「あ、あんた、誰?そんなことして、どうするつもり?どうしようって言うんだ?あたしは、ウンタクを可愛がったし、はかなく消えるろうそくや一握りの砂のように扱ってきたんだよ」
「話にもならないことをおっしゃるのはおやめなさい。あなたには、2つの方法がある。一つ、単純に、彼女から取り上げたものを速やかに全部返し、刑務所を出所すること。2つ、数年間の養育を理由に出訴し、物事を複雑にするか、さぁ、1、2のどちらにしますか?」
「あんたは、私に相当な過ちがあったと言いたいようだね。あたしはこれでも、裏社会に友達がいるんだよ」
ちょっと凄みをきかせるイモ(叔母)。
「いえ、申し訳ないと思うのはこちらのほうかもしれませんね。なにしろ、アジュマよりも闇社会には詳しいですから」
そりゃ、シンによって、救われるまで、モノホンでしたから。。。

~会長の執務室~
「それで、旦那様のご要望はどうなった?」
「滞りなく。会長から言われたトクファくんの件もあわせて、解決済みです。基本的なことから研修するよう、机と椅子もご用意しました」
笑顔で何度も頷く会長。

~家具ショップ~
「ユ・ドクファさんですね」
店舗の主任者がトクファに声をかける。
「ええ、そうですが・・・。この店舗のレイアウトはとても気に入りました。どうぞ、仕事に戻ってください」
その答えで、トクファがなにもわからずにここに来ていることがわかる主任。
「さ、これが製品のパンフレットです。明日までに、詳細を覚えてきてください」
主任の言葉よりも、電動のデザインデスクを動かすほうに夢中になるトクファ。
「おお、上がる、上がる・・・ああ、すごいな、これで下がって、わ~、こんなふうに斜めになる・・・あれ、まだ、ここにいたんですか?」
「ユ・トクファさん」
主任の名札を読み上げるトクファ。
「ええっと、チャン・イルホンマネージャーさん?マネージャーさんは、私がここにくると聞いて、相当、ショックだったことでしょうね。私は、あなたよりも上流階級に生まれましたが、私は、ここでは一番 下から始めようと決めたんです」
「会長のお孫さんだということは存じております。私は、他の人と同じように、あなたを教育するよう、会長から指示をうけています。」
「わかってますって。もし、このまとめ作業を一日で行ったら、あなたはショックを受けるでしょう」
さすが、瞬時に状況を理解し、無駄にごねたりしないところは、ちゃっかり財閥三世(笑)
資料に目を通し、内容に驚いてみせるトクファ。


~クリーニング店~
自分の手を見返し、溜息をつく死神。
「ああ、いらっしゃいませ。お客様」
「帽子を受け取りにきた」
「ああ、あの帽子ですね、あれ、とってもいいモノですよね。イタリア製ですか?」
「Made in heavenです」
「ああ~、いい生地をつかうと評判ですよね、少し、お待ちくださいね。なんか、急に寒くなったようだな・・・」

サニーの前世の映像(お妃教育を受けたり、矢で打たれたり、)を思い返していると、サニーから電話がかかってきて、驚く死神。
死神が持つだけで、携帯に霜がついちゃうのね。
「もしもし」
「まだ、調査に時間かかるの?」
「それほど時間がかかっているわけではありませんが、ええ、まだ、調査中です」
「ずいぶん、複雑なのね・・・。今、なにしてました?」
「サニーさんの手をもう一度握るべきか否か、考えてました」
誤解をうむ発言ね(笑)。
「なに言ってんの」
ほら、サニー、嬉しそうに期待しちゃったじゃん。
「今日はどう? 少しでも若い時がいいわ」
「今日ですか?」

~トッケビハウス~
着替えて部屋から出てきた死神。
「出かけてくる」
以前、見えてしまった サニーと死神が別れるビジョンのときに着ていたのと同じコートの死神。

《これからは、連絡しないでね》

「今日なのか?」
「何が?」
「そのコートじゃないほうがよくないか?」
服装が変わればって、せめてもの思いやり?
「なぜだ? おかしいか?」
「いや、俺の忠告がお前の運命を少しでも変えればいいと思っただけだ。履きなれた靴を履いていけ。帰ってくるのに、相当、歩くことになるだろうから。あ、十分、変に見えるよ」
言いたいことだけ言って、その場を離れるシン。


死神「あとで、洗濯しておけよ。 あいつ、ちっとも家事を手伝わない・・・」

★第10話(3)に続く★