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第8話(1)はこちらからどうぞ。

 

■ 第8話(2)

 

~トッケビハウスに戻ってきた死神~

「ちょうど、今日は、チキンが食べたい気分じゃないのか」

死神が、チキンの袋を見せました。(笑)

っていうか、来る日も来る日も、チキンって(笑)

売り上げに貢献したいの? サニーに会いに行ってるの?

いいかげん、チキンにうんざりなシン。

 

「死神アジョシ、ちょっとこっちに来て。」

ウンタクに呼ばれても、先に食べるなよ。 さめる前には戻ってくる。

「誰が食べるかよ。」

 

「なんで、うちのチキン屋に、通い詰めてるんですか? 私のためじゃないですよね?それなら、うちの社長さんのためですか?」

「そんなわけないだろう? ただ、俺はあそこに、彼女に会いに行ってるだけだ。俺の正体を明らかにしない限り、誰でもあそこに行けるんだ」

「(死神アジョシが)なにか言うんじゃないかって、気が気じゃないんですよ。 テヒオッパが私のバイト先にきて、私に明るく笑ってくれることとか、彼が帰るときに、2つおまけしてあげたこととか、私たちの秘密でしょ?」

「秘密だと?」

早速ききつけて、シンがやってきました(笑)

「あいつ、おまえのバイト先に、お前に会いにきたのか? それで明るく笑ったのか?」

「明るく笑ったっていう秘密は守ったぞ。 だけど、テイクアウトしたことも秘密か? 正直になれ。 クーポンも渡しただろ?」

「やぁ、おまえは黙ってろ。あのバカは何回来たんだ?」

「5回だって言ってやれ。そのつど、クーポンを渡したってこともな。」

「おまえ、黙ってろ。なぁ、彼が有能な野球選手になれたのは、誰のおかげだ? 昔、守護神がしてやったからだと考えてみろ。 それについて、お前はどう思ってるんだ?」

「だから本当のことを言ったでしょ。でも、彼の成功の全てがアジョシのおかげってことはないでしょ。 私の初恋の人は、強くて粘り強いんです。 人間の粘り強さについてわかってます?」

シンに反撃するウンタク。

「私をみて。あなたの剣をつかめるのは、私だけですよ。かっこよくしないほうがいいらしいけど。」

「おい!!」

シンを無視して、その場を離れるウンタク。

 

「どうすれば、寿命以外で死のシステムが作動するかを、俺に教えろ。基本的なことだけでいいから。そうすれば、お前のために、チキンクーポンの問題を解決してやる」

「なんで、おまえに助けてもらう必要があるんだ? おい、ウンタク!」

「は~い」

シンをひとり残して、ウンタクのところにいってしまう死神。

「なんてこった! お~」

雄たけびをあげるシン。

 

「どういうこと? 何も言わずに、だれかがピアノを戻してきたのよ!」

テヒオッパのお母さんが驚いてます(笑)

数年ぶりに、ピアノが勝手に戻ってきた!!!

「誰が、こんな大きいものを近所の誰にも見られず、運び込んだっていうのよ!」

不審に思うテヒ。

 

~放課後~

「幽霊みたいよね。気味が悪いわ。」

そんな声がきこえてくるなか、

「やぁ、チ・ウンタク」

学級委員に声をかけられるウンタク。

「ちょっと時間ある? ちょっと話があるんだけど」

身構えるウンタク。

「受験 うまく行った?」

「なんでそんなこと・・・聞くの?」

「本当にうまくいったか聞いてるだけよ。それだけ」

「あなたもうまく行ったんでしょ? あたまいいから。」

「でも、あなたは学校以外の勉強してないじゃない? あなたのほうが頭いいわよ」

「それって、嫌味?」

「本気で思ってるの。 どの大学に行くことにしたの? 一緒だといいのに」

「たとえ、同じ大学でも、私は、社会配慮入学者だから、重ならないわよ」

「受かるでしょ?」

「なんのこと言ってるの?」

「幽霊を見れるって聞いたわ。幽霊は、教えてくれないの? 私だったら、受かってるかそうじゃないか、絶対、気になり続けるけどな」

「だから、何のことを言ってるのか・・・。でも、私の背景をしって、率直に聞いてくるところは気に入ったわ」

「自分をおさえると、自然にふるまえないの。」

「それでも、あなたはちゃんと勉強を続けた。 彼らのことはただ見えるだけ。別になにも言ってはくれないわ」

頷く委員長。

「もう いいでしょう。」

「3年間、同じクラスだった。3年間で、会話をした数より、多くしゃべったね。

あした、ソウン大学の面接でしょ? がんばってね。」

「あなたもね。」

微笑んで去る委員長。

不思議に思うウンタク。

 

~翌日の朝~

歩きながら、試験に遅れそうになって、シンと一緒に走ったことを思い出し、笑顔になるウンタク。

「私がいなくなろうと、そうじゃなかろうと何の注意もしないあなたが、こんなところに来たのはなぜ?」

「なにか忘れ物してないか?」

「あ、しまった。マフラー!」

赤いマフラーを忘れたことに気づくウンタク。

「あなたが私の挨拶を無視し続けたから、うっかりして忘れてきちゃったじゃない。」

赤いマフラーを ウンタクに巻くシン。

「恐れず、神経質になるなよ。 ついて行ってやろうか?」

「私は こどもなの?・・・なんで、バスが来ないの?」

「まだ、怒ってるのか?」

「もうお帰りください、でも、マフラーのことは感謝します」

「だから、おまえのヤキモチだ」

「もしそうなら、どうなんですか? 私がヤキモチをやいたら、嬉しいの?」

「ああ、一日中、すごく気分がいい」

何も言えなくなるウンタク。

「さぁ、もうお帰りになってください。面接がんばるね。マフラーありがと。」

「注意しろ、後ろに人がいるぞ」

言ってる傍から、通行人と軽くぶつかるウンタク。

「すみません。・・・ふつからないようにいくつもりだったのに。あなたの目は大きくてはっきりしてるから、よく見えるんでしょ? 本当に!」

「わかったから、バスに乗れ」

機嫌をなおしたウンタクが、大きくシンにむかって手を振り、バスに乗り込んでいく。

そのとき、後ろから、大声が聞こえる。

「つかまえてくれ。ひったくりだ~」

自転車が猛スピードで、舗道を走ってくる。

シンの目には、そのひったくりがはっきり見える。先日、みかけた事故で死ぬ予定の自転車の男だ。

シンがその事故を見透かすと、その事故が、ウンタクの乗ったバスを巻き込むことがわかる。

時間を止め、事故死した乗客の顔を確認するトッケビ。ウンタクの姿はなかった。

「なぜだ? なぜ、お前は乗ってないんだ?」

「なんか言いました?」

バスには、他の受験生も乗り合わせている。

うわ~、たくさんの死神さんたちが、バス停で待ち構えてるわ。

 

ようやく、トッケビが動き始めました。

自転車の男が大事故を起こさないように、先回りするつもりです。

露店のおじさんに話しかけます。

「早く店じまいをしたくないか? 家にかえりたくないか?」

「いや、まだ、売り始めてないよ。店じまいさせたいのか?」

「ここにある商品、全部買うよ」

「本当かね? これが何か知ってるのか?」

「靴下だろう? それがなんだ? だめなのか?」

時間を確認するトッケビ。

そこへ、自転車の男がやってくる。足をひっかけるトッケビ。舗道で転倒する男。

トッケビに気づく。

「あんた、ずいぶん先のバス停にいたよな。なんで、俺をつけてきた?」

念力を使い、自転車を持ち上げた後、地面に叩きつけるトッケビ。

驚く男。

ひったくった財布も、取り戻すトッケビ。

「おまえが、たかがわずかな金を盗んだために、今日、どれだけの人が死ぬ羽目になるか知ってるか?」

「あんた、何者だ? 警官か?」

「財布を奪われた持ち主は、全治三週間だ。その間、3週間も働けなかったら、解雇されるかもしれず、休まず仕事をするだろうな、全部、おまえのせいだ。」

ナイフをみせて、脅すひったくり犯。

 

「しかし、これは、私が人間の生死に介入することの副作用だ。だから、ただ生き続けろ。このつけは いづれ、十分な罰をうけるだろう。死後に至るまでの罰だろう。目には目を。歯には歯を。それが俺の流儀だ。少しは痛めつけるがな。」

男の手が勝手にねじりあがる。

 

何事もなく、通り過ぎるバス。

「時間だ」

整列する死神たち。

 

「あれ? 死神アジョシだ?」

手を振るウンタクに、手を振りかえす死神をみて、驚く後輩。

「あの子、我々が見えるんですか?」 

 

「たまに、死にかけてるせいで見えるときがあるらしい。あの子は若いが、気の毒だな」

死神の中でも、ベテランは知っていて、特に驚きもみせない。

「なぜ、あいつがここにいるんだ?」

逆に、驚く死神。

「だれか、チ・ウンタクのリストを持ってる人?」

「誰ですって?」

「本当だ。なぜリストに載ってない人間が、バスにいるんだ? 誰が彼女の死をサポートする?」

 

「ちょっと待ってください。 なにか変です」

「なにが起きたのかはわからないが、今日、ここで事故は起こらない。俺たちは、無駄足だ」

「何?なぜだ?」

バスが通り過ぎたあと、反対側のバス的に立っているトッケビ。それに気づいた死神。

動揺する死神たち。

「長年、死神やってて、こんなこと、きいたことないぞ」」

 

「“その他漏洩者”がからんだことも始めてです。奇跡が起こった・・・」

「奇跡が起きたなんて、報告書が書けるか?」

「この事態をどう収拾したらいいでしょうか?」

 

すでに、トッケビの姿は消えていた。

死神たちの後ろにたっていたトッケビ。

「・・・トッケビですよね。」

「なんだ? なぜ、俺を見る? (死神にむけて)ちょっと話がある」

死神だけを誘うトッケビ。

 

「ききたいことがあるんじゃないのか?」

「なぜ、 人間の生死に関係した?」

「チ・ウンタクが、今日、死にかけた。」

「それが、あの子の運命なら、避けられない。」

「誰が言った? 俺自身の死ですら、与えられるものなのだ。あの子のような全部の人間の死に干渉するのか?」

「お前、よくも神聖な場所で・・。」

「しかし、どう考えても、この事故は変だ。何日か前に俺は既にその事故を見ていた。しかし、そこに、ウンタクはいなかった。それに、あの子の10年後の未来の姿も見てるんだ。だが、これは、彼女がたしかに死んでしまうレベルの事故だ。」

トッケビが、死神に説明する。

「つまり、事故のせいで、彼女の運命が変わったってことだろう。彼女は、その事故で死ななかったからな。お前が助けたせいで。

彼氏がトッケビだった“その他漏洩者”のおかけで、今日死ぬはずだった彼らは助かったんだ、感謝すべきだな。おまえのせいで、残業決定だ。」

「夜食に、チキン食べるか?」

「お前、無になることを、ここらへんで考えてみたらどうだ?」

無言のトッケビ。

「冗談だ。本気にするな。」

「いや、無になったら、塵や風や雨なんかによって、拡散されるのかな?世界のどこにいくんだろう?」

「なぜそんなことを考える? “その他漏洩者”は 剣を掴めてすらいないっていうのに。」

「ウンタクは・・・剣を掴めた。動かせたよ、だけど、俺が・・あの子を殺すところだった。とにかくものすごい痛みで。こんな痛みを感じたのは、はじめてだった」

「本当のことを話すつもりはないのか? 剣を抜いたら、なにが起きるのかってことを。」

「いや。できるかぎり隠しておきたい、80年くらいの間は。」

「なんだよ。それじゃ、ほとんど 人間の寿命じゃないか。“その他漏洩者”は19歳だから、最大限生きるつもりか?」

「そう望んでる。」

 

バス停で、ソウン大の受験票を見るウンタク。

車で迎えに来たシン。

笑顔で車に乗り込むウンタク。

「迎えにきてくれるなんて、驚いたわ」

「昼飯まだなんだ。それが来た理由だ」

「わかりました。私を快適にさせるために外出したわけじゃないのね。」

鞄を後部座席に置いたところで、なにかに気づきました。

「あれ、これなぁに? 」

大量の靴下(笑)

「なに?この靴下?」

「今日、誰かの20歳、30歳の命を救ったんだ」

「ああ、その20歳、30歳の私を救ったから、今日から靴下を売ることに決めたの?私が、アジョシを失業者みたいに言ったから?」

「一緒にやるか?」

「いいわよ。 面接も終わったし、時間あるもん。だから、アジョシの行きたいところに連れてって」

「俺を連れて行きたいところはないのか?」

 

~トッケビハウス~

鉄アレイを持って、鍛えているウンタク。

「何してる?」」

「腕を鍛えてるの。次に剣を引き抜くとき、おじさんが痛くないように、」

複雑な表情のシン。

「この間、腕の力が重要だって思ったの」

「ま、がんばれ」

<なんなの? 本気で応援する気がないみたい>

白い蝶が現れる。

「悪いが、ちょっと プライベートな用事があるんだ」

「だれかくるの?」

「ああ、ちょっとだけだ。部屋に行っててくれないか?」

 

「ちょっとだけ、ここに来てくれませんか? これほどの罰を受ける必要がありますか?少しくらい褒美をくれても、それがそんなに悪いですか? 将来をわざわざ見せたりして、俺をがんじがらめにして、そう選択するしかないように追い込んで。死んでもしないぞ。ちょっと、降りてきてくれませんか? 顔をみて話しませんか?」

 

その場を離れたものの、なかなか部屋に行かず、様子をうかがっているウンタク。

「見てないわよ。本当よ」

「本当に、頼むよ。 俺、お前のことが好きなんだから、こんなバカなことするな」

「あなた、一体、今、なにを言ったの?」

「聞かなかったら、気にするな」

「全部聞こえたわよ」

「それはよかった」

突然、告白してきたシンに、呆然とするウンタク。

「だから、これって・・・彼は、私に告白したってことよね。 まったくあの男、本当に・・・」

顔を伏せ、嬉しがるウンタク。

 

~オリーブチキン~

今日もまた、一人、お酒を飲みながら、通りをとおる人を数えているサニー。

「48・・・、49・・・」

50人目が死神で驚くサニー。

電話を見せる死神。

ちょと待ってというしぐさで、自分の携帯を確認すると、着信10件!

「はぁ? なによ? あなたが電話しないから、携帯を確認しなかっただけじゃないの。驚いたじゃない!」

 

「はじめての電話に驚いたわ」

一緒に帰り道を歩く死神とサニー。

「10回も取り損ねたわ。」

「遅くまで働いていて、急に、あなたに言っておけばよかった。大切なことをいうべきだったって気づいたんです。」

「そうなの?そんなに重要なこと?」

「私の宗教について。私は持ってません。」

「10回も電話してきたのは、それを言うため?」

「できるだけ早くおしらせしたほうがいいと思いましたので。」

「なんて、かわいいの!」

「かわいい?」

「わからない? そういうこと、他の女性には言ったりしてないわよね?」

「他の女性には会いません。」

「そう、それいいわ。 誰にも会わないで! 他の女には会わないでね。それ、すごくいいことよ。わかった?」

微笑んで頷く死神。

「まったくやり手なの? 本当に答えて、本当に正直に。私もそうするから。」

サニーを見つめる死神。

「私の名前は、たった一文字なの。キム・サン(金 善)。両親は、善良な人になってほしいと願ったの。貧乏にも関わらず、占い師にみせて、その名前を私の名前につけたのね。

でも、私はサニーと名乗ってる。はじけるような第一印象がいいから。この名前が本当に嫌いだった。すこし、もの悲しい響きだし、昔の名前みたいだから。」

 

毎年その時期になると、彼はある場所に行き、供養をしている。

(お寺には、トクファがつきあってる)

「金 善(キム ソン)」と 筆で書くシン。

 

「キム・ウビンさん、あなたの本当の名前はなに? 偽名だってことはわかってるの。全然、ダサくてもいいし、似合わなくてもいいじゃない? だから、私には本当の名前を教えてくれない?」

困った顔の死神。

 

もう一人、シンが名前を書いている

「王・・・ 」

~回想~

「怒りと期待を込めて、おまえにこの剣をさずける。できるだけ遠くにいき、戻ってくるな。」

「それは、どういう意味で、おっしゃっているのでしょうか?」

「高麗は、王様の国です。私が国境を守り、敵を倒すのは、あなたがそう命じられたからです。この国に、私の妹がおり、民がおり、それから・・・」

「お前が、それについて憂いているのだな、だが、それは王がすべきことだ。せめて、英雄としての死を与えようとしているのだ。これは 王命だ。」

 

「王 黎(ワン ヨ)」と書き上げるシン。

 

その時、急に、死神が苦しみだす。

「胸? 真ん中くらい? 食事できそう? 手冷たい? ちょっと手を貸してみて。

急に 血の巡りが悪くなったときには、手をマッサージするといいのよ。」

手をつかまれないように、払いのける死神。

「すみません。ちょっと 僕の目をみてください。」

「え?」

「今日、ここでは会わなかったことにしましょう。申し訳ないが、一人で帰ってください。家に帰りなさい。」

暗示にかかり、そのまま、黙って帰るサニー。

 

~トッケビハウス~

そっと、シンの部屋をのぞくウンタク。

「どこいったのかな?」

 

~おじいちゃんと話すトクファ~

「将来的には、お前が 旦那様をお世話しなければならないだろう。だから、この日のことをよく覚えておくがいい。」

「彼が供養しているのはなぜなの? あの人たちは誰?」

「長い間、旦那様が、贖罪の気持ちを感じておられる方々だ。」

「でも、おじいちゃん! おじさんの心臓に剣を突き刺さってるって知らないの?」

「なぜ、お前がそれを知っている?お前が知っていることを 知らせるべきではないぞ。」

「何故?」

 

二人の名前をつけた風燈をあげるシン。

 

「あの剣は、旦那様にとっては、賞でもあり、罰でもある。旦那様が存在している理由でもあり、彼の終焉に導くものでもある。」

 

空に昇っていく風燈を見上げるシン。そんなシンを見ているトクファ。

 

俺の死と生を左右するお前を、愛している。だからこそ、秘密を守り、天に許しをもとめたい。何も知らず、100年くらい、知らないままで。

 

古本屋で、ウンタクが通り過ぎるのをみたトッケビが、彼女のもとに行こうとしたとき、本棚に 行く手を阻まれる。

三神ハルモニ 赤い服バージョンで登場。

 

「私をご存じ? あなたは知ってるはずだと思うけど。」

「早くしてほしいですね。俺は、一度も見たこともない神の顔を見るつもりはない」

「悪いことに・・・おそらく、すべてはお前から始めたことであろう」

 

「金 善」の肖像画を見ている死神。

 

「どこいっちゃったのかな」

玄関の外で待つウンタク。

「出かけるときは知らせろって言うのは、こういうことなのに。 なにも言わずにいなくなるんだから」

 

死神と話すウンタク。

「聞きたいことがあるんです」

 

<お前は、花嫁が現れたら、できるだけ早く遠くにいかなければならない。(無にならねばならない)>

 

「心配していたとおりになりそうなの。トッケビアジョシの心臓にある剣について、剣を抜いたら、正確にはなにが起こるの?彼は、ずっとそうしてほしくなさそうだった。

抜いたら、どこか遠くに行くって言ってた。それって どこのことですか?」

身構える死神。

 

三神ハルモニ:あなたは、できるだけ早く剣を引き抜かせなさい! 剣を引き抜き、消滅するのだ。

トッケビ:突然こんなところで、はじめて話すことが、俺に死ねということか。あんたの理由を 俺に説明すべきだろう。

 

「お前はもう十分生きただろう。しかし、あの子はそうではない。私は、彼女を授けるとき、本当に幸せを感じた。だからこそ、ここで終わらせなさい。」

「論理的だな。なぜ俺にそう決意させたいのか、わからない。俺が、キム・シンとして生まれたときも、祝福したのではないか。俺はお前の子供ではないのか?」

「だからこそ、これを伝えるのだ。我が子、キム・シン、お前が望むことのために。」

「おれが何をのぞんでいる?」

「お前は、あの子に生きていてほしいのだろう?おまえがそうしなければ、ウンタクが死ぬだろう。」

 

~死神とウンタク~

「どういうこと? 彼は(自分が)死ぬために、私に彼の花嫁になって、剣を抜いてくれって頼んだの?

だから、もし、私が剣を抜いたら、彼は死ぬの?

それは、もし、剣を抜いたら、消滅するってこと?この世から? 永遠に?」

何も答えない死神。必死に涙をこらえるウンタク。

 

「あの子は、生まれたときから、お前のために剣をぬくことが運命だったのだ。

もし彼女が、その道具として彼女の仕事を実行することに失敗するならば、彼女の存在理由は消え、彼女が存在するべき少しの理由もなくなる。それゆえ、もし彼女が剣を抜かなければ、彼女は死に直面し続ける。すでに 彼女は、何度も死に立ち向かってはいないか?

 

お前の考えたとおり、それらの事故は、将来的にももっと起こるだろう。それらの事故は、もっと頻繁に、そしてもっと猛烈になるであろう。

もし、お前が彼女を殺したくないのであれば、お前自身の手で」

 

そんなふうに、100年くらい生きた後、適度な天気のある日、初恋だった。

どうか 告白をさせてほしい、天からの許可を捜している。

 

 

★第9話に続く★

ヤキモチやいたり、やかれたり、可愛い二人のやりとりが続きます。

 

ウンタクがとうとう、剣を抜く意味にたどり着いちゃいました。

 

ウンタクが命を落としそうになる事故が、トッケビに守られることで、運命は刻一刻変わっていくから・・・という皮肉。

三神ハルモニの言葉からすると、それは、どんどん深刻なものになっていくようです。

 

まだ、死神とサニーの前世は確定してないけど、胸に痛みを感じるなど、死神に変化も見られるようになってきたし。切なさが始まりそうです。