こんばんは




先日紹介したタイムのフォークについてです。(こちら



コラムが足りず、延長しなければいけません。
カーボンコラムならば色々と方法はありますが、アルミコラムなので、行う事が限られます。


今回はアヘッドコンバータを利用し延長します。

しかし、ただ単にアヘッドコンバータをコラムに突っ込むのでは、通常のアヘッドステムを使うことはできません。理由は以下の2点です。



下写真はコラムにアヘッドコンバータをただ突っ込んだだけのものです。

まずお分りいただけるのは、コラムに対しコンバータが斜めに入っている事です。コンバータ下部が分かりやすいです。


これが起きる理由ですが、極めて単純です。
コンバータはスレッド用フォークに取り付けるものです。よって、コンバータのマウント部はスレッドの規格に準じています。
スレッドフォーク内部の径は7/8インチ (22.2mm)と1インチ(25.4mm)の2種です。しかし、1-1/8(28.6mm)のアヘッドフォークのコラム内径は24mm前後でどちらとも合いません。
つまり、ムリにアヘッドフォークにスレッド用のコンバータを取り付ければ、径が合わないのでズレるのは当然なのです。

bbbから出ているコラムエクステンダーが使えないのも同様の理由です。






次に、スレッドコンバータを使用していると、ベアリングに圧をかけることができないのが理由です。
アヘッドステムを付ける時に初めに上からトップキャップを締めますが、それができないのが問題です。

スレッドコンバータは押し子を引き上げる為に上部からボルトを締めますので、トップキャップを締めることができません。



以上の理由より、無加工でスレッドコンバータを取り付けるのは不可能です。


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しかし、不可能を不可能のままほっておいては何もできるようにはなりません。


よって、以下の様に加工をします。



はい。つまり、スレッドの押し子を締める用のボルトと、トップキャップを引く用のボルトを分離化しようという狙いです。

2本のボルトを長ナットで繋げますが、トップキャップ用のボルトと、スレッド用のボルトはM6とM8でサイズが異なるので、二口で径の異なる異径長ナットを使います。







って事で、コンバータを見てみましょう。


段付きになってます。長ナットを引っ掛ける段が必要ですが、この段のままでは深さが足りずナットが入りません。





切削工具で削りましょう。
中空ではなく、厚さは十分なので問題ないです。

この工具は電動ドリルやインパクトドライバ、ボール盤などに付けて使います。僕は電動ドリルしか持ってないのでそれで行います。
価格はモノタロウで1200円程度、今回はドンピシャの20mmを使います。







削ります。切削油がきれていたので、チェーンオイルを使いました。フィニッシュラインの緑がイイ線いってました。




最終的にコレくらい削りました。これ以上は切削ビットの長さ的にムリでした。25mm程度でしょうか?

しかし、これだと異径長ナットが入りきらないので、今度はナットの方をカットします。
これは普通の糸ノコで切れます。今回はユニクロのナットを使ってます。グラインダーで切ってもいいのですが、金の卵を切らしていたため使いませんでした。僕は砥石は金の卵しか使いたくないのです。








異径長ナットとはこの様なものです。ナットの径を変えることができます。
価格はモノタロウで約400円で2個入りでした。先ほどの切削工具もそうですが、僕は基本的にこの手のものは町のホムセンで買う事にしていますが、無かったものは仕方がありません。









異径長ナットまで貫通する全ネジが長ナットとズレては上から回転させることができません。
よって、下から他のナットで締め付けます。所謂、ダブルナット法です。ダブルナットで気をつけるポイントは締め付けるナットの強度と、噛むネジ山の数です。これが同数でなくてはいけません。また、トルク管理も極めてシビアに行います。

僕はココにネジロックを点して、更にガチガチに固めました。








さて、これであとは取り付けるだけです。

コンバータとコラム内径の差が問題点として残ってますが、今回はシムで対応しようと思います。
しかし、アルミプレートによるシムだと摩擦係数的に怖いので、カーボン用のプレッシャーアンカーに付属するギザギザ系のシムを使いました。









かなり真っ直ぐ取り付けられています。(ヘッドパーツ部にタイラップが見えますが、機能部品では無いので問題ないです。)




押し子の固定はソケットレンチで行います。ここを出先でいじる事はないので問題なしです。

あとはもう分かる通り、上からトップキャップをボルトで締めて、ベアリングのセンターを出すべく圧をかけます。最後にステムを締めれば完璧です。





うん。長くなりました。
試しにハンドルを付けてみましょう。






うむうむ、よしよし。なかなかイイねぇ。

やはりタイムにはタイムのフォークです。



しかし、残念ながらこのバイクでこのプロポーションは望めません。トップ560のフレームに110mmのステムをつけれるほど体が大きくありません。




うーん、、比較するとやはり小さめですねぇ。。
しかし、僕の適正ステム長は写真の90mmです。シート角が寝てるので、トップ560とかなり長めでもステムは案外伸ばせます。

もう少しリーチの短いハンドルを使えば100mmはイケますね!探してみようかしら??













あ、そーいや、とーとーやってしまいました。
自分でもやめときゃいいのにとは思ってますが、、、。


コイツ!やりおった!!


この写真が何を意味するのかはご想像にお任せします笑