こんばんは!

 
追記
手組みホイールの組み方、考え方についての記事を書きました。
 
 
12/Oct/2018追記
新たな最終回答が完成しました。今月中に発表予定です。書いたらURL貼ります。
 
ハッキリ言ってこの記事のホイールは考え方が幼稚レベルです。幼稚園児の脳内を観察する気のある方はお読みください。(発想は悪くないけどね)
 
9Apr/2019追記
最終回答の記事アップしました。こちらと、そのホイールの問題点を解決したこちらの記事です。
まだ改善点は山ほどありますので、研究は継続しています。
 
 
 
 
 
 
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本日は私の考えた(正確には、考える事の出来る)、ホイール組みの(机上の)最終解答を書いてみます。
 
 
{B6BC5727-B7DA-485D-8FAE-5BD9A66200BD}
 
 
 
長いので もくじ を書きます。
 

l    まえがき
ll    「⚪︎⚪︎組み」 発表
lll   通常ホイールの解説
    1  組み方による変化
        ・テンション差
        ・かかりの差
    2  左右のテンション差の是正
        ・2to1 
        ・ハイローフランジ
        ・左右異径組
        ・左右異組組
 
lV  「⚪︎⚪︎組み」の解説
 
 
と、こんな感じです。「⚪︎⚪︎組み」はまだ言えません。読めば出てきます。
 
 
 
では始めましょう。
 
 

24/Feb/2018 追記訂正
フランジ幅とフランジ径がごっちゃになってたので訂正し、一部追記しました。
 
 

l     まえがき
 
 
最終解答などと大々的に書いてますが、そんなに大したことでもないかも知れませんし、手組みホイールを組んでる方なら誰でも考えることかも知れません。さらには、既に巷にも知れており、私の無知加減、経験不足をさらけ出すだけの話かも知れません。笑
 
 
 
 
 
 

ll    「⚪︎⚪︎」組み の発表
 
 
その中で、私が考えた最適解と思う組み方があります。
 
 
 
その名も、、
 
 
2to1 反フリー側交差組み
 
です。
 
 
 
とは言っても、実はまだこの組み方で組んだ事ありません笑
机上の空論です。(^_^;)
 
 
 
後日実際に組んでみる予定ですが、取り敢えず今日は、この組み方の優位性(?)を解説してみたいと思います。
(解説したところで後日組んだホイールが××だったら全く意味がありませんが笑)
 
 
 
 
 
 
 
lll    通常ホイールの解説
 
 
まずは、普通、通常のホイールの説明からします。
 
 
 

1  組み方による変化
 
 
自転車の手組みリアホイールは基本的に、
 
20h、24h 、28h 、32h 、36h
 
の5種類です。
 
 
この5種類の中でも、手組みで使われることの多いのは、数の大きいほう4種です。
 
この h とはスポークの数(リムの穴の数=ホール数)の事です。
 
ホイール組ではその中で、スポークをどの様に交差させるかが鍵です。
 
 
 
まずは、交差のさせ方のパターンを見てみましょう。
 
0本組(=ラジアル組)
2本組
4本組  (2クロス)
6本組  (3クロス)
8本組  (4クロス)
 
 
この5つの中で何をどうクロスさせるかがポイントなのです。
 
この「組み方」とは何か、、
スポークは1本で、他のスポークといくつか交差をしています。その、他のスポークとの交差の最後の交差(最終交差)をしているスポークの付け根が、ハブの穴幾つ分隣か、という事です。
 
 
 
さて、この組み方ですが、何が違うかが問題です。
 
 
 

・テンション差
 
 
結論から言うと、クロスするスポークの根元のハブ穴が遠くなればなるほど(組み数が多くなればなるほど)、スポークにかかるテンションが同じでもリムを引く力が弱くなるのです。
 
{0B8A636B-B7CA-4F92-9110-3D17088360A2}
解りやすくするために図を用い、極端な例を挙げます。
 
スポークの長さが異なるので絶対的に正確ではありませんが、上の左右の図のスポークテンション(「スポーク」を引く力)が等しかった場合、リムをハブに対して垂直に引く力が強いのはどちらでしょうか。
 
図にもある様に左側が強くなります。リムをより垂直方向に引っ張っているから、、と言えば解りやすいでしょうか?
 
 
 
これは、左右のオチョコの量が同じで、左右で等しいスポークテンションでも、組数が異なれば、リムのセンターがズレるという事を意味します。
 
これが大変重要になってきます。
 
 
 
 
 
・かかりの差
 
組み数は、他にも、横剛性やかかりの良さにも関係してきます。
横剛性はたくさんクロスしてる方が、スポークがガッチリなるのでたわみにくい…。って考え方で悪くないと思います。厳密にはちょっとアレですが。
 
 
 
さて、かかりの良さについてです。
 
次のリアホイールの図の中で1番かかりの良さそうなホイールはどれでしょうか。
カーボンでガチガチに固められてるのではなく、普通のスポークとリムの場合を想定します。
 
{1B308DBB-B639-452B-ABA5-13217FAAA9D1}
進行方向 は右です。
 
 
 
 
 
 
 
実際にこの様な組み方は不可能ですが、恐らく通常のスポークなら「左端」が答えだと思います。
 
「真ん中」ではハブに力をかけた時にスポークが傾きそうですね。そして、「左」の形になった時にようやく、ホイールが回転し始めそうです。
 
「右」では、スポークがリムの穴から抜けてしまいます。そして、クランクを踏み続けると、結局「左」の形になって回り始めそうです。
 
つまり、左の状態が「回されるのを待っているだけ」の状態で、1番掛かりが良くなると思うのです。
 
 
さて、よく「左」を見てみましょう。
この「左」の回転方向で、次の様な場合はどうでしょうか。
{4A2D11B9-DDCB-4243-A08D-B90CC27711CD}

(絵がヘタすぎて違いがわからん)
 
掛かりが良さそうなのは右ですね(強引)
 
要するに、ハブの(フランジの)接線にスポークが近い時が1番掛かりが良くなる。って事が言いたいのです。
 
 
〜    〜    〜    〜    〜   〜    〜
 
では、さきほどの0〜8本組で、1番かかりが良さそうなのはどれか考えてみましょう。ただし、フランジの接線上より巻き込み方向にスポークは入らないとします。
 
 
そうなると、8本組です。
(よく分からない方は上の「テンション差」の項目のとこの、図をご覧になってみてください。2本組と10本組でフランジ接線に近いのはどちらでしょうか。)
2018/10/08追記
↑この考え方間違ってます。組数は大きくなればなるほど接線に近づくわけではありません。
 
 
手組みホイールで掛かりを良くしたいのなら、可能な限り組み数を大きくする、ってのが1番手っ取り早い、、と、なるのです。
 
 
 
 
 

2  左右のテンション差の是正
 
 
 
ホイールは、基本はフリー側と反フリー側のスポークを同数で組む組み方(左右同数組)です。
 
しかし、ホイールというのは左右対称ではありません。
 
 
{A9DAB328-A002-403B-AD45-ED0EF632879D}

 

はい。左右非対称なのです。
 
もし同じ種類のスポークを使ったとしたら、リムに対するスポークの入射角が異なりますし、スポークの長さも異なりますので、フリー側と反フリー側の必要スポークテンションが変わってきます。
 
これが厄介なのです。
 
 
 
えっ!じゃあ左っかわを狭めりゃえーやん
 
って、一概にはなりません。
 
{6E13AFF2-6724-4011-AC5B-6C70CF6B3EB7}
こーゆー事ですよね。
 
たしかにこれだと左右同テンションです。
 
しかし、自転車はダンシングもすればコーナーでバイクを倒したりもします。
 
これではホイールがヨレる、つまり、横剛性が足りなくなってしまうのです。だから、できれば目一杯フランジ幅は広げたいのです。
 
 
 
さてどうするか、、
 
これまでに、極力フランジ幅を広げて、左右のテンション差を埋めるために色んな人がいろんな組み方を考案をしてきました。
 
それぞれ見てみましょう。
 
 

・2to1 
 
 
{F5671534-CC0C-46A9-BCC1-18EE594611FA}

 
これはrovalの2:1組です。
 
フリー側に対して反フリー側の本数を半分にする組み方です。だから2:1なのです。
 
今となってはどこのメーカーもやってますね。
 
 
フルクラムだと2to1、カンパニョーロでもg3ではありますが、2:1です。
 
 
組んだ時に反フリー側のテンションが、フリー側の50%だった場合にはこの2:1組で理論上は解決します。
 
 
ただ、手組みの場合だと、反フリー側がラジアルだと厳しいので、2:1は現実的ではありません。
 
 
 
 
 
 

・ハイローフランジ
 
{58FD6710-D283-418F-A654-42B9A6EC388A}

ハイローフランジです。
 
フリー側のフランジ径を大径にして反フリー側は小径にして、スポークのテンション差を埋めるという組み方です。
 
この写真はtniのスターハブでかなり極端ですが、上の写真のrovalも同様です。
 
 
 
この様に左右で大小をつける意味とはッ!
 
{FC87D0D9-A0CC-469F-8C70-877FAB8B44DB}

↑これが通常のフランジ径、左右のフランジ径が同じ場合の、スポークのリムに対する入射角です。
 
左右で入射角が異なってますねぇ。反フリー側の方が大きく、フリー側の方が垂直に近いのでフリー側のスポークテンションにロスが少なくなります。
 
 
何がどうなろうと、左右で角度が違うのは気に入りません。はて、どーしよーか??
 
 
{7166CBBF-A4E1-440D-8109-26F1A519CAD8}

こーすればどーだ!
 
フリー側のフランジ径を広げてみました。
おっ!角度がほぼ同じですね!
 
こーなれば角度による差は無いも同然です。(図の場合は極端すぎて、スポークの長さが全く異なりますが、今は角度の話です。)
 
 
 
この様に、左右でフランジ径の差を持たせる事によりテンション差を解消する、これがハイローフランジのメリットです。
 
 
 
 
 
・左右異径組
 
ハブの左右でスポークの径、細さを変える組み方です。
めぼしいところでは、完組ではカンパニョーロのc15のゾンダに採用されてましたね。
 
{99DBE9BB-F0F4-430B-A15F-48D2B66F71ED}

左右差はそんなに大きくありませんが、写真を見ればよく分かります。
 
太さが変わればテンションが変わるのは当然です。左右同じ太さで同テンションだったのを、片方だけ細くしたら、細くした方の負担が増えてテンションは高くなりますね。それを利用しています。
 
 
 
 
 
 
 
・左右異組組
 
この「左右異組組」とはグミグミうるさいですが、私の造語です。
公開直後追記  
左右異組組はのむラボ用語では「左右異数組」だったと思いますが、「数」だと本数と間違えやすいので、私は組み方である「組」を使ってます。
 
左右で異なった組み方、つまり異なったクロスの数の組み方です。
 
 
先程、スポークテンションが等しくとも、組数が異なればセンターがズレる、と言いました。
これって言い換えれば、組数を変えれば、スポークテンションを同じにしてセンターを出せる
ってことです。
 
つまり、左右フランジ径が同じで、オチョコ量(フランジ幅)が違っても、うまーく計算して、組数を変えて、スポークテンションを変えてやれば、センター出しを同テンションでできるようになるかもって事です!
 
 
しかし、この異組組のメリットですが、大変効果があると言う方とがいれば、5%程しか変わらないと言う方もいます。
要するにその5%をどう見るかの違いな様に見えますが、私は経験上、十分とは言わないが、やるに越した事はない。と、思ってます。できればやります。
 
 
 
 
 
先程出した0〜8本組の中で何をどう組み合わせるかです。
 
 
大抵のロードの場合(ほぼ100%)、反フリー側はフリー側よりテンションが低くなります。反フリー側のフランジ幅が広く、オチョコ量が異なるからです。つまり、スポークテンションがフリー側に対して、反フリー側はやわやわのヌルヌルって事です。
 
これをどうにかするために、先に述べた左右異組組を使います。通常の組み方だと、適正スポーク長を使った時に反フリー側もフリー側なみにきっちり締めるとリムが左によります。
 
 
何をしたいのかを考えると、スポークテンションを均一に近づけたい、なので、
 
オチョコ量が違う(反フリー側のフランジ幅が広い)場面で、リムはフリー側に寄せたまま、反フリー側のスポークテンションを上げたい。ってことです。
 
先程の図を持ってきます。
 
{530B7991-775C-4101-9D2B-6917D5796459}
 
そうです。極端に言えば、
フリー側に2本組など小さい組数、反フリー側に8本組など大きい組数を持ってこればいいのです。
 
こうすれば、反フリー側はリムをあまり引かずにスポークテンションを上げられるのです。
 
 
よって、これらを最大限に生かしたスポークテンションの理想論は
 
フリー側 ゼロ本(ラジアル組)
反フリー側 多数組
 
なのです。
 
 
 
そして、それを実際に行ったメーカーがあります。
 
{26016DB0-DB2B-4EFA-A322-8259E02CA457}

 
マビックです。イソパルス組と呼ばれてます。
 
ただ、これは大径アルミスポークだからできる話であり、手組みでは基本は無理です。
 
そこで、手組みで実際落ち着くところは、フリー側4本組、反フリー側6本組となってきます。ヨンロク組と呼ばれています。
 
組数によるテンションの差の是正、これが左右異組組です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
lV  2to1反フリー側交差組の解説
 
 
さて、そろそろ本題に入ります。
 
冒頭部で述べた2to1反フリー側交差組です。
 
 
 
2to1の説明時に「手組みで反フリー側ラジアルは厳しい」と書き、手組みで2:1が厳しい、といった雰囲気を作ってわざわざスルーしましたが、なにも反フリー側をラジアルに縛る必要はありません。ただ、完組みホイールでラジアル以外のホイールが存在しないだけで。
 
2to1の完組の大半が反フリー側ラジアルになってるからといって、先入観に惑わされてはいけません。
 
 
完組ホイールに2to1の反フリー側が交差組のホイールが存在しないのは、わざわざそんな事しなくとも、専用設計で十分間に合う、もしくは全く使い物にならない。。かの、どちらかです。
 
 
ちなみに、1:1で、反フリー側ラジアルが厳しい理由は、先に述べた左右異組組に全くもって逆行しているからです。片側だけシュータッチするようなホイールになりかねません。
 
 
 
 
私の「2to1反フリー側交差組」の考え方は以下の通りです。
 
1   まず2to1にして、数で左右のテンションバランスをとる。
 
2   手組みで反フリー側ラジアルだと、横剛性が下がる上に、首折れスポークで片側をラジアル8本で支えるのはキツイ気がするので、反フリー側を交差する。
 
2の恩恵として、2to1にしただけでは取りきれない可能性のあるテンションバランスを、左右異組組で補正することにより、更なるテンション均一化が行える。また、クロスする事により横剛性も上がる。
 
ってところです。スポークテンションは解決し、横剛性も出そう。重量も軽くなるかも、という組み方です。
 
 
組む時は24hのリムと32hのハブを使います。ハブの方の反フリー側を半分に間引くのです。これで24hの2:1が可能になります。ただ、リムに穴振りがないものを選択しなければいけませんね。
 
組み方は、フリー側を8本組みにし、極力かかりをよくする。反フリー側は2本組みか4本組みが良いかな、、と。これは実際組んでみないと分かりません。2本組みと言っても、32hハブから半分に間引いてますので、実際のスポーク軌道は4本組の位相です。。
 
 
 
なんだか悪い所が無い気がしますが、そんな有能ホイールならもっと普及してるはずですので、何かがおかしいはずです。
 
 
気がかりなのは、スポークテンションが逆転しないかです。2to1でバランスがある程度取れているのに、クロスさせたら反フリー側の方がテンションが高くなる気がするのです。
その結果テンションバランスが崩れたら全くもって本末転倒です。
 
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しかし、自分で組み方を考えるのは楽しいものですし、もし出来たものがグスグスでも、私の糧になるので、大変楽しみです。
 
さてどうなるのか、早く組みたいところです。
 
 
 
 
 
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現在のところ、まだ組んでないのでわかりませんが、この「2to1 反フリー側交差組」がわたしの机上の最終解答となります。
2018/10/08追記
新たな最終回答が完成しました。後々記事にします。
 
 
 
誰だか組んでみた事のある方や、ご意見のある方、コメント頂けると大変嬉しいです。
私はまだまだ未熟ですので、間違えなどありましたら教えて頂けると助かります。
 
 
一応、これにて、この記事を締めくくらせていただきます。追記の嵐になるのと思いますが、今はこれでいっぱいです。出し切ったつもりです。
 
 
 
 
自転車の機材は基本的に消費者は受動的です。
メーカーに「こんな組み方のホイール作ったよー」「新しいプリプレグを投入したよー」なんて言われて、わーいわーいって喜んで、モノを買うのです。
そんな中、一般人が唯一、自らの手で変化させれる要素がホイールなのです。自分で組んでみれば、すぐにモノの善し悪しがわかってきます。
 
「あれ?なんでこのホイール逆イタリアンなの?」とか、「1:1で反フリーラジアルとか何考えてんの?」とか、、。
 
消費者の目が肥えればメーカーもテキトーなモノは作れません。結果として我々が享受できるものはより優れた製品なのです。その良いモノにお金をつぎ込む時、そのモノには価格以上の価値を見出せると思います。
 
能動的に自転車に触れ、訳の分からん「モノ」はどんどん指摘し、淘汰していくのが健康な市場だと思います。その過程で、変なモノを作るメーカーも出てくると思いますが、変なモノもそれなりの意味があって開発されるので、間違っていても間違ってるなりに面白い製品のはずです。
 
最近の自転車界は昔のような変化がなくてつまらんな、、なんて思ったりもします。それを変化させるには、私たち消費者が目を肥やし、モノを見る事が大切だと思います。
 
 
 
 
これを読んで手組みの考え方と、おもしろさ、自転車の世界が少しでもご理解いただければ幸いです。
 
 
 
 
 
それでは