ホイールの話の前に少しだけ。

先週の木曜の事ですが、久しぶりにマァマァ使えそうな写真が撮れて満足だす。空も春っぽくなってきました。このなんとも淡い感じがいいですね。まさに「か〜す〜み〜か〜く〜もぉ〜か〜」って感じですな。

 

肝心の桜はまだまだの様です。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー   ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

組んでみたホイールですが、走ってみました。初めに書きますが、良くも悪くも、大変勉強になった組み方でした。

 

 

ベンチマークにするために組むと言っていた24hリムのヨンパチ組ですが、よくよく考えたら組む事ができないことを組み始めてから気付くというかなり恥ずかしいミスをしたため組めていません。大人しくロクハチ用のスポークを買い直します。

 

そんで肝心の新作ホイール、 20本 4363 6:4組 のホイールですが、その完成写真が上の写真です。走ってみました。

 

ただし構造的問題点が1つ。これを解決しないことには とてもじゃありませんがお勧めできるシロモノではありません。実は組む前から危惧しており、何とかなると思ってましたがダメでした。

何がダメだったのかと言いますと、構造的に縦フレの出る組み方でした。これは一言で言うと欠陥的なホイールという事なのですが、この組み方はその反面、著しくスポークテンション差が是正されるという大変オイシイ特典がついてきますので、この組み方を変えずにこの縦フレ問題は解決したいところです。

 

 

では、その縦フレ問題と、考えられるその解決法を詳しくみてみましょう。

 

20本 4363 6:4組 は、通常の24hリムで間引きの位相が存在する組み方です。普通に考えれば間引きをすれば縦フレが出るのは当然のことです(実際のフレはタイヤで若干吸収されるから一応乗れる程度にはなりました。ただ、それが構造的にokかと言われると確実にNoだよな)。

 

ではなぜこんなわかりきった欠陥品を組むに至ったのかと言うと、マァ偏に俺の経験不足に他ならないんだけれども、一応僕なりの道理はありまして、単純に言うと、「カンパのG3やフルクラム系の間引き2:1は縦フレが(ほとんど)出ないじゃ無いか!!!」って事なんです。超厳密に見ると、実はG3系は僅かな縦フレが取りきれない(実際取りきれていない)らしいのですが、僕の知る限りそのレベルは問題になりません。

 

 

フルクラムの場合は、28hのリムから反フリー側7本を等間隔に間引いた形となるので、間引かれた広さは1つあたり1/28です。これは、24hの本ホイールより狭い範囲なので百歩譲ってフレが出ない理由にはなり得ます。しかし間引かれている範囲が明らかに大きいカンパのg3組で縦フレが出ない理由が分かりません、、、いえ、分かりませんでした。この問題に直面して理解できました。

 

実際の所は分かりませんが、僕の予想ですと恐らくあの極細スポークが効いています。カンパのボーラやゾンダを持っている方はご存知かと思いますが、あれらのスポークは僕の常識からすると極端に細く感じます。カンパのホイールはスポーク本数がリアは21本しか無いので、駆動の点からもう少し太くしてもいいと思っていたのですが、この縦フレ問題に直面してから何となくその理由が理解できたように思います。

スポークが細くなると縦フレが出なくなる理由ですが、これはスポークの細さを変えることによりスポークテンションを調節する左右異径組の理論と同じです。スポークテンション(たわみ量とは区別してくれい!)が同じの時、スポークは細ければ細いほどリムを引く力が弱くなります。これは確実な事実であるため、仮にスポークテンションが同じホイールが2本あったとしても、スポークの太さが2者間で異なればリムを引く力は異なっていると言えます。リムのフレの有無はスポークテンションの大小ではなく、実際にリムを引く力によって左右されますので、スポークテンションが同じの2本のホイールでも、スポークの太さが異なっていればフレが出やすいのはスポークが太い方のホイールとなります。

 

少し難しくなって恐縮ですが、これらの理屈によりボーラを筆頭とするカンパのG3らはスポークを極端に細くすることにより、縦フレの緩衝に成功していると思われます。

 

よって、この 20本4363 6:4組 のホイールは、スポークを左右ひと回りずつ細くして組み直してみたいと思います。今回初めに組んだものが、フリー側2.0mmプレーン 反フリー側1.8mmプレーンですので(反フリー側をバテットにしてニップルを揃えなかったのは1本20円×8本の160円をケチったからであり特殊な理由はないよ)、次回スポークを発注する際に同じ長さの1.8mmと1.6mmを頼むことにします。これで縦フレもリムの剛性で耐えれるレベルになる事を祈ります。

 

 

さて、このホイールの最大のウリであるテンション差の問題ですが、オフセットリムも相まって左右比7割越えは確実です。縦フレもありしっかり計測していませんが、上記の左右異径組との合わせ技で8割5分ほどが予想されます。手組みをやってない方に説明しますと、このテンション差の左右比というのは、100%を越えない限り高ければ高い方が良く(バランスがいい)、普通の手組みホールは5割弱です。どれだけ、このテンション差比7割越えがスゴイかお分りいただけるでしょう。

 

さて、僕があくまで左右テンション差にこだわる理由ですが、可能な限り低いテンションでスポークを張りたいからです。スポークには求められる最低テンションがありますので、例えば右側を低く張った時に左側がその最低テンションを下回ると困るのです。だから、バランスの良い組み方を追求し、右を弱く張っても左が落ちてこない事が必要なのです。

 

先月辺りに僕自身も再認識しましたが、スポークテンションは高ければ良いとは限りません。体重や乗り方、トルクの多きさにより適宜変更させる事が必要です。例えば僕の場合は体重が53kgと軽いのですが、ロープロファイルリムでフロントラジアルだと所有しているメーター読みで、スポークテンション85~95kgfと低めが最適です。リムによっても変わりますが、組み方が変わってもこの適正値は変化するので、組み方を新しく考案する度にその適正値を探す必要があります。しかし、それが楽しく、得られるものが多いので手組みが好きなのですが。

 

低テンション=クソ とか、低剛性=ゴミ とか、そういった指標は統計的な話でしかなく、一概にその1つの基準でモノを判断するのは危険だし、人が最高といったら、クローン人間でない限り、むしろ自分には合わないところがあると構えた方が良いと感じるようにここ数週間思えてきました。

 

 

皆さんも自分の指標を大切に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リムへの下処理は我流ですが行なっています。