札幌で終わった急行はまなすの旅ですが、まだまだ2016年3月21日は朝6時台。北海道の旅は始まったばかりです。
ひとまず函館本線の普通列車に乗り、根室本線の始発駅、滝川へ。
北海道は雪が似合いますね。
いよいよ本日の主役が登場します。
滝川発釧路行き普通2429D。
300キロほどの距離を8時間強かけて走ります。1日仕事ですね。
サボの通り、当時日本一運行時間の長い普通列車でした。
この旅行の数日後のダイヤ改正で山陽本線に岡山発下関行き(現在は短縮)ができたため最長普通列車の座を譲りました。
同時にこの列車も番号を2429Dから2427Dに変更したので、「日本最長普通列車の2429D」は見納めとなりましたね。
さて、乗り込みます。終点釧路に着くのは夕方の6時頃です。
根室本線は「本線」であり幹線に分類されていますが、滝川から新得の間は普通列車のみの区間で閑散ローカル線です。
しかし人がいないということは自然が目一杯あるということ。
残念ながら後述の災害によりこの区間の未来は明るくありません。滑り込みで乗れて本当に良かったです。
最初の長時間停車は北海道のへそを名乗る富良野。
この列車は何度もこのような長時間停車があります。観光はできませんが、じっくり駅舎の観察ができていいですね。
今年6月に富良野~新得間の廃止決定をJR北海道が発表しました。
しかしこの当時はまだ根室本線は元気に動いてました。
この区間の途中駅で外せないのが幾寅駅。映画『鉄道員(ぽっぽや)』の「幌舞駅」としてロケが行われました。
独り雪国のホームに佇む高倉健さん演じる駅長の姿に心を打たれた人は多いことでしょう。
しかし高倉健さんは亡くなり、この駅もこの年の豪雨で幌舞駅同様ほぼ廃止状態に。
時代の流れは悲しいものですね。
次の落合駅でまた暫く停車。見渡す限りの雪景色は北海道ならではのもの。
東鹿越~幾寅~落合は2016年8月31日の台風の豪雨により現在も不通です。
当時は知る由もありませんでしたが、筆者は滑り込みセーフでしたね。
落合~新得間の狩勝峠を超える区間はかつて日本三大車窓の一つに数えられました。
60年代に新しいトンネルができてこの車窓は幻になりましたが、周辺の景色が良いことに変わりありません。
まさか鉄路自体もなくなることになるとは…残念です。
長いトンネルの中で札幌方面からの石勝線と合流した後、新得駅に到着。もちろん停車時間を有効活用。
ここからは特急列車も顔を出すので旅が楽しくなります。
十勝地方の中心、帯広。旅も後半に入りました。
停車時間に帯広名物の豚丼を購入。
昔の旅行はこんなものだったんでしょうね。
このような駅に長時間停まるのもいいですね。列車で一つの立派な旅行として成立してます。
日も陰り、北海道の自然と空とのコントラストが美しくなっていきます。
白糠駅で最後の休憩(?)
太陽も味方してくれたようです。
列車に乗るといつの間にか1日が終わり、全てが背中へと追いやられていました。
お疲れ様でした。
筆者はそのまま夜で何も見えない釧網本線に乗り網走に向かいました。
1日仕事でしたが全く悔いのない楽しい旅でしたね。
本コースの再現は絶望的になりましたが、このようなゆっくりした鉄道旅を味わえる場所はまだまだ日本にたくさんあります。