茨木佐知子展
海の中は冷たいというイメージが、一般的にはあるかもしれない。しかし差し込んだ太陽光が作りだす水中のグラデーションは、そこに棲む生物をやわらかい印象へと変化させ、温かみを感じさせることもある。茨木の作品はそうした海の温かなイメージを思い起こさせる作品だった。
茨木の作品は、暖色系の色で描かれた作品はもとより、寒色系の色で描かれた作品も、海の温かみを絵画全体で表現していた。曖昧な輪郭線で生物を表現する茨木の手法によるものである。描かれた生物はクラゲとサメの主に2種類。いずれも、種類によっては人に危害を加えかねない危険な生物である。しかし、作品に描かれたクラゲとサメは、そうした恐ろしいイメージを全く持っていなかった。
クラゲの作品は、明るい暖色系の色を用いたものが多く、一点の明るくやわらかな光のように描かれていた。クラゲの体の中心に描かれた生殖巣が花のような形にも見え、愛らしさも覚えた。サメの作品は、サメの口元だけを描き、鋭い牙は1本も描かれていなかった。面白かったのは、作品に描かれたサメが全て、わずかに微笑んでいた事である。茨木には、サメがいつも泳いでいる時、笑っているように見えるのだという。
いずれの作品も生物の体全体を描くのではなく、体の一部のみを大きく強調して描いていた。私は、クラゲとサメが非常に身近な対象であるように見えた。やさしいタッチで描かれた生物は、写実的ではないが、そこに存在しているかのようだった。まるでガラスに張り付いているかのようなジンベエザメが描かれた作品には、特に親近感を感じた。
今回の作品を観ているうちに、私は自分が自然と笑顔になっていったことに気づいた。作品の細かい意図を理解していなくても、見ただけで茨木の作品に対しての思いが伝わってきた。私にとって、作品の説明が全く無くても作家の思いが伝わる事が、一種の作品の理想像だと改めて思った。
GALLERY はねうさぎにて開催(終了)
茨木の作品は、暖色系の色で描かれた作品はもとより、寒色系の色で描かれた作品も、海の温かみを絵画全体で表現していた。曖昧な輪郭線で生物を表現する茨木の手法によるものである。描かれた生物はクラゲとサメの主に2種類。いずれも、種類によっては人に危害を加えかねない危険な生物である。しかし、作品に描かれたクラゲとサメは、そうした恐ろしいイメージを全く持っていなかった。
クラゲの作品は、明るい暖色系の色を用いたものが多く、一点の明るくやわらかな光のように描かれていた。クラゲの体の中心に描かれた生殖巣が花のような形にも見え、愛らしさも覚えた。サメの作品は、サメの口元だけを描き、鋭い牙は1本も描かれていなかった。面白かったのは、作品に描かれたサメが全て、わずかに微笑んでいた事である。茨木には、サメがいつも泳いでいる時、笑っているように見えるのだという。
いずれの作品も生物の体全体を描くのではなく、体の一部のみを大きく強調して描いていた。私は、クラゲとサメが非常に身近な対象であるように見えた。やさしいタッチで描かれた生物は、写実的ではないが、そこに存在しているかのようだった。まるでガラスに張り付いているかのようなジンベエザメが描かれた作品には、特に親近感を感じた。
今回の作品を観ているうちに、私は自分が自然と笑顔になっていったことに気づいた。作品の細かい意図を理解していなくても、見ただけで茨木の作品に対しての思いが伝わってきた。私にとって、作品の説明が全く無くても作家の思いが伝わる事が、一種の作品の理想像だと改めて思った。
(浅田)
GALLERY はねうさぎにて開催(終了)
