昨日は桃の節句でした。キットPMはちょと早めでしたが、先々週妻がひな人形を出して、ハマグリのお吸い物とてまり寿司でお祝いしました。毎年季節の風物詩として楽しんでいます。ひな祭りが終わると本格的な春までもうすぐですが、今年の桜はいつもより早めの開花が予想されているようです。今年は自宅の近所にあるエドヒガン桜の自生地に初めて行く予定にしていて、白い可憐な花を見るのがとても楽しみです。
■ビジネスアナリシス
●ビジネス・アナリシスとビジネス・アーキテクチャ
前回は2つのBAの違いと重なり合う部分について、キットPMなりの解釈をご説明しました。ビジネスアナリストとしての立場から言えるのは、ビジネスアナリシスの活動の内にビジネスアーキテクチャのフレームワークが包含されるということです。ただし、ビジネスアーキテクトの立場から見ると必ずしもそうではないかもしれません。この議論はアメリカでは盛んに行われているようですが、残念なことに日本ではこのどちらも認知度が低いので、それほど大きな問題にはなっていません。
もう一つ押さえておかなくてはいけないのは、ビジネスアナリシスにしてもアーキテクチャにしても企業の中ではその役割を担っている機能が必ずあるということです。例えば新規事業を立ち上げようとするとき、何を目的としてその事業を行うのか、ターゲットのビジネスの現状がどうなっているのか、自社にその事業を遂行する力があるのか、どのような組織が必要なのか、投資資金はどれくらい必要でそれをどう調達するのか、などなど考えないといけないことは沢山あります。これらを一つ一つ解き明かして自社の戦略に沿って実行計画を立て、行動することになります。これはとても一般的な流れであり、この作業なしではビジネスの立上げはうまくいきません。そしてこれは、ビジネスアナリシスとビジネスアーキテクチャが持つ役割と重なっています。
ということは企業の中のなんらかの部署か担当者が、ビジネスアナリストやビジネスアーキテクトとして、意識せずにその仕事を行っているということになります。ではここで敢えてキットPMがBAについて語るのはなぜでしょうか。
それは先にあげた仕事を体系的に捉え、一つ一つの情報の関係を意識して論理的に構成するというガイドラインを提供するのがBAだからに他なりません。
ご存知だと思いますが、プロジェクトマネジメントのガイドラインである PMBOK® があり、その認定資格であるPMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)は今や日本だけでも5万人を超える有資格者が存在します。この PMBOK® が世に出て来た時、世のITプロジェクトの成功率が24%程度と低く、その改善の必要性が社会的にも大きな課題となっていました。普及の初期のころよく言われたのは、「経験」と「勘」と「根性」で乗り切るプロジェクトマネジメントから、論理的で体系的で国際標準のガイドラインに沿ったマネジメントへの転換でした。そのせいもあってか、PMP資格者は劇的に増加し、今ではプロジェクトの成功率も50%を超えるようになりました。
これに比べBAが受け持つ業務分野は、その重要性に比べうまく行かなかったときの影響や損失が、組織の中で見えにくいという点があり、特に経営層の意識として課題として認識しにくいところがあるのではないかと考えています。しかしBAの活動は、その後に控えるプロジェクトの実施という重要なイベントの成否を左右するものであるということは間違いありません。
前振りが少し長くなりました。次回はBAからプロジェクトへどのような情報を引き継いでいくのかについて考えを進めて聞くことにします。