すっかり春めいてきた今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今年はいつもの年より随分暖かいようで、桜の開花も早くなりそうな気配です。暖かいのは良いのですが花粉の多さには閉口します。花粉症のキットPMも目と鼻とのどと耳がかゆくてたまりません。この状況が5月の中頃まで続くのですが、毎年のこととは言え少々うんざりしてしまいます。
さて今年も3.11がやってきます。18,000名を超える犠牲者が出た未曾有の大震災でしたが、報道で見る限りはまだまだ復興半ばという感じのようです。道路や鉄道が通って、建物が立ち並んでもインフラの復興であって、その次に経済の復興があり、次いで生活の復興となりますが、最後は心の復興です。被災され家族を亡くされた方は心が癒されることはないとは思いますが、自分の心の中でなにがしかの決着がつくまで最低でも20年は必要となるそうです。そういう意味ではこれからが復興の本番ということになるでしょうか。
■ビジネスアナリシス
●ビジネス・アナリシスとビジネス・アーキテクチャ
前回はビジネスアナリシスとビジネスアーキテクチャの関係について説明しました。ビジネスアーキテクチャはビジネスアナリシスの活動に包含されアナリシスをより体系的にサポートするテクニックでした。ビジネスアーキテクチャの活動はビジネスの構造を論理的に解き明かすのに大きな力を持っています。また組織が新しいビジネスに挑戦したり、既存のビジネスをより良くするための変化をもたらすために欠かせないのがビジネスアナリシスの活動であり、その活動は日ごろから組織の中で行われているものだと指摘しました。もちろんその作業をしている人たちが「ビジネスアナリシス」という概念を持っているかは別の話です。
さてビジネスアナリシスの活動を通して創造したアウトプットを基に、実際に新しいビジネスを立ち上げたり、現状に変革をもたらす活動を行うことになります。この活動のことをビジネスアナリシス的な表現では「イニシアチブ(Initiative)」と呼びます。この言葉、日本語ではもっぱら「主導権」と言った意味で使いますがアメリカでは「問題を解決するための構想、戦略」といった意味や「行動を起こす」という意味も持っています。具体的には「~プロジェクト」の実行ということになるでしょうか。
ビジネスアナリシス活動の結果をイニシアチブに繋げていくことはそう簡単ではありません。そこをスムーズに行うにはいくつかの条件があります。一つは、ビジネスアナリシスの活動で生まれた成果がきちんと(論理的構造に)なっていることです。当たりまえのようですが重要なポイントです。次にその成果をイニシアチブのステークホルダーに理解できるように説明することです。そのためにも、ビジネスアナリストがイニシアチブのメンバーとして参画することが望ましいということになります。
この移行フェーズを上手くやるためには、PMBOK®でいうプロジェクトマネジメントの最初の活動である「立上プロセス」が重要な意味を持ちます。立上プロセスは、プロジェクトの「目的」「スコープ」「体制」「予算」などの基本的な前提条件をまとめ、関係者が共有するためにあります。そのため「プロジェクト憲章」と「プロジェクト・スコープ記述(暫定版)」を作成しますが、このアウトプットはプロジェクトの計画フェーズ完了まで何度か更新をします。この2つのアウトプットの元になるのがビジネスアナリシスの成果物です。
このテーマ次回も続けることにします。