急に冷え込みが厳しくなってきた今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナも三度目の猛威を振るい始めたようです。経済とウィルス対策の両立という最近では未経験の事態にどうすればいいのか、立ちすくむ思いです。とはいってもこの2つどちらが重要かという議論ではなく、どちらも重要であり、そのバランスをどうコントロールするかが問われていると思います。
前回のこのブログで触れましたが、企業におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進においても、既存ビジネスの保守と深化という側面と新規ビジネスの開拓という側面の2つを同時に実行していくことが重要だと述べました。企業にとってはまさしくコロナ問題に匹敵するほど重要なジレンマではないでしょうか。
今回は既存ビジネスの保守と深化というテーマでお送りします。
既存ビジネスとは今現在、企業がよって立っているメインのビジネスのことです。そこでは一つかそれ以上の競争相手が存在しマーケットシェアを取り合っています。そのため常日頃から一歩でも半歩でも競合より先に出ようと、様々な施策を実行しています。
その競争を支えるためのITとして、大きなコストをかけ、ERPを始めとする勘定系や業務系の基幹システムを構築し、維持しています。そのコスト故にこれらのシステムは構築から年数を経て、使い続けられています。
当然ビジネスとその環境は変化するため、基幹システムにも変化への追随が求められるのですが、「一気通貫」を合言葉に構築されたシステムの変更は簡単ではありません。機能変更や新機能追加によるシステム全体への影響調査だけでも膨大な時間を必要とします。またその作業は必然的にウォーターフォール(予測型)のスタイルをとることになります。これは、それにかかる時間と費用が大きいということを表しています。言い換えると簡単に機能追加はできないということになります。
変化の激しい現代では、特に時間がかかることは大きな問題を含んでいます。市場競争力を維持し高めることを目的としてるのに、それに大きな時間が必要であることはチョット矛盾していますね。
しかも業界によっては市場にデジタルネイティブな新しい競争相手が登場し、マーケットを侵食しています。例えば小売り店舗に対するネットモール。CDやDVDによるコンテンツ販売と映像や音源のネット配信などがあります。彼らは、最初からデジタル中心のビジネスモデルを考え、現代のビジネス環境に最適化したさらにネットによりユーザーの購入のための選択肢が広がり、国内だけでなく海外からも簡単に手に入れることができるようになりました。つまり無数の競争相手が増えるということになります。
このような状況の下、我々はどう対処していくべきなのでしょうか。次回はこの点について考えていくことにします。