早いものでもう10月も終わりです。今年もあと2か月となりましたが、あまり実感がありません。
前回まで、ビジネスの状態を表す2つのシチュエーションのうち「手不足状態」とその解消方法について考えました。
今回からはもう一つの状態である「手余り状態」の本質とその解消方法について考えを進めて行きます。
手余り状態とは簡単に言うと、需要が少なくて「暇」である状態です。そのため、手余り状態の解消は需要を掘り起こす、この一点となります。
と言えば「な~んだ、当たり前じゃないか。このデフレの時代皆なそれができないので悩んでいるんだ」とおしかりを受けそうですが、どうぞ少し我慢してお付き合いください。
需要を掘り起こすにははまず、営業を頑張ることが頭に思い浮かびます。もちろんそれは正しいのですが、問題はどう頑張るかその考え方なのです。
営業を頑張ろうと言っても、これまで営業していなかったわけでもなく、頑張っていなかったわけでもありません。今までと同じ発想で同じことを、ただ行っても効果が表れることを期待することはできません。
またビジネスの環境にはライバル企業の存在や、顧客の事情などが複雑に絡んできます。
このような条件を考えたとき、どういう手が打てるかを真剣に考えるしかありません。また当たり前ですが、その答えは個々の企業の状況によってそれぞれ異なるものです。
ここでは皆さんの課題解決のために、一つの考え方をご紹介しますのでご参考にしていただければと思います。
需要不足がボトルネックとなっているわけですから、まず需要に合わせたモノやサービスの量の提供を行うようにします。これも当たり前ですね。
ただこのとき、人を減らすことで量を調整しようとすると、需要が回復したとき簡単に「手不足状態」に陥りますので、最後の手段として慎重に考えることが必要です。
さて、これまで普通の会計の考え方コスト会計では、原価(材料費+人件費+直接経費+間接経費を数量で割ったもの)を上回る価格で商品やサービスを提供することが求められます。なぜなら原価を割った価格で提供することは、売れても赤字となるからです。これも当たり前ですね。
ここでちょっと考えてみましょう。繰り返しますが、手余り状態になるということは、人手や設備がフル稼働していないということです。
フル稼働していませんが、残業費を考慮に入れないとすると、そこにかかる費用はフル稼働時とほとんど変わりません。
Aさんが1日8時間フルに働こうが、暇なため働いたふりをしていようがそこにかかる人件費に変化がないことに注目してください。設備の原価償却費も同じですね。使おうが使うまいが同じ費用が発生するわけです。
つまり重要なのは、原価に本当の変動費以外の要素を入れると、ビジネスの状況を正しく把握できなくなることがあるということです。
スループットの定義を覚えているでしょうか?そうです、スループット=売上額-真の変動費(材料費・仕入費など) でした。
手余り状態を解消するためにスループット基準で考えると、コスト会計で見えていたのとは別の世界が見えてきます。
次回はこの問題にさらに切り込んで行きます。
