今週から新年度に突入しますが、新しい出会いの季節でもあります。少しの不安とワクワクが入り混じって、新鮮な気持ちになれる唯一のタイミングかもしれません。

プロジェクトのプロセスを改善することについて考えています。プロセス改善といっても、思い付きで気になるところを何とかしようとしても、大きな効果を得ることは難しくなります。
どのレベルで改善を実施するかにもよりますが、改善活動は継続的に行うことがポイントとなります。つまり、プロジェクト化して行うというよりは、定常業務の中で行うことが必要になるということです。ですから、これを担うのはPMOの役割になるのだと思います。
体制の話は後に譲るとして、ここではどの様に改善すべき箇所を探し出すかについて考えます。
プロジェクトのプロセスは、PMBOK® に規定されているように、立ち上げ、計画、実施、監視、終結の5つの大きなプロセスで実行されることがほとんどです。
PMBOK®では、この一連の大プロセスに対して、プロジェクトを上手くマネジメントするために、47のマネジメントプロセスが記述されています。これが、プロジェクトプロセスの縦糸だとすると、組織が独自に持つ明文化されたルールや明文化されていない不文律など、組織マネジメントのために規定される、様々なプロセスが横糸となります。
このように現在のプロジェクトマネジメントは、多くのプロセスの繫がりによって成り立っていることになります。
この一連のプロセスのどこに改善すべき問題があるのかを見つけるのが、改善の最初の一歩となります。
前回も考えましたが、これらのプロセスのあれもこれもと問題を探し出し、まとめて改善作業を行おうとするのは、あまり良い手ではありません。
それは、第一に改善作業の結果が本当に意味があるものか、判断が難しくなることと、大きなコストが見込まれることです。さらに、あるプロセス改善の結果が他のプロセスに及ぼす影響を、考慮できないことあります。
ある目的を果たすためのプロセスは、多くのプロセスの連なりで構成されています。ある一つのプロセスの変更が、その他のプロセスにどのような影響を及ぼすのかは、それを観察することでしか判断できないのです。
これは、ある改善作業の結果で、プロセス全体が抱える問題が変化する可能性があることを示しています。
これをモデル化してみましょう。一つひとつのプロセスをチェーンを構成する輪っかだとします。この輪っかで構成されるチェーンが何かを生み出すプロセスと考えます。
このとき、このチェーンの強度(パフォーマンス)は何で表現できるでしょうか。それは、チェーンの最も弱い輪っかの強度と等しいと考えることができます。私たちが、このチェーンの強度をあげようと考えたとき、最も弱い輪っかを強くすることで実現できることは、自然に理解できます。
次に、弱かった輪っかが強化された新しいチェーンで、最も弱い輪っかはどれなのかを考え、それを強化するというように改善作業を繰り返していくことになります。
ここまで来ると、皆さんにも素直な疑問が生じていると思います。どうやって、最も弱い輪っかを探すのかということです。次回はこれを考えてみることにします。