今週は随分と寒くなりました。今年は秋も駆け足で去って、すぐに冬が来そうな勢いです。毎年この時期になると、年末に向かっていろいろとプレッシャーが掛かって、ちょっとイラッとしてしまいます。
そんな中、気持ちを落ち着けてまず目の前に山積みになっている仕事を片付けるのに集中しましょう。
いつも誰もそうですが、赤の他人と分かり合えるのは難しいものです。これが、家族や同僚などいつも行動を共にしている人であれば、ある程度言葉にすることがなくても、なんとなく解ってしまうことがあります。これが、ハイコンテクストな関係です。
ハイコンテクストというのは、阿吽の呼吸というか、なんとなく雰囲気で察してしまうというか、言葉や文章以外で行うコミュニケーション密度が高いということです。
一番イメージし易いのは、長年連れ添った夫婦の会話ですね。「おい、あれどうした?」「あーあれね。ほら昨日なにしちゃいましたよ!」みたいな感じです。
これが成り立つのは、いつも一緒にいて経験を共有しているから、行動がパターン化されているということもあります。特に日本の場合は、最近では幾分弱くなってきたとは言え、古くから社会全体がハイコンテクスト化されているために、小さな頃から生活習慣として獲得するものです。
逆に考えると、個人の社会活動の範囲内に異質なものが混じってしまうと、途端にコミュニケーションが難しくなり、組織自体がギクシャクしてしまいます。そのため、基本的な考え方として、混じりこんだ異物は排除するという圧力が働きます。
さて、このような生活習慣、文化を持つ私たち日本人は基本的に交渉事が得意ではない、ということはご承知いただけると思います。
このことはよく日本の外交下手さに現れていると言われます。相手の状況を黙って「慮って(おもんばかって)」先に譲歩してしまうことがよくあります。個人間の交渉でも見られる現象です。
ところが冷徹な国際外交や、大きなお金が動く交渉などではこのような交渉スタンスが不利になるのは明らかです。
ではどのような基本的なスタンスが必要なのでしょうか。それは、合理的な説明と理解、理性による納得によるものです。
それが私たちが目指さす「コミュニケーション」の大きなポイントとなるのですが、見て来たように私たち日本人はそれが苦手なのです。
長くなりましたが、ここまでが前置きです。ここで前回の課題、お母さんと子どものお小遣い値上げ交渉に戻ります。
一見、主張が対立しているように思える親子の関係ですが、お小遣いを上げる(上げない)ための共通目的を探し出し、それを達成するために納得できるプロセスを考え出すことが、この交渉のポイントとなります。
このとき、ハイコンテクストな親子関係を前提にした交渉を行おうとすると、なかなか上手く行きません。双方が、言わなくても当然わかってくれるだろうという考え方に立つと、共通の理解を得る努力(これが結構手間と時間と精神力を必要とします)をすることはありません。
ということは、これまで人生を通じて培った能力である、ハイコンテクストなコミュニケーションを捨てることから始める必要があるということになります。
つまりそのためには、お互いが相手のことを独立した人格として認識し、尊敬を持って接し論理と理性で交渉を行うことを意識する必要があります。
ん~、これは結構難しそうですね。どうしたらいいのでしょう。次回も考えを勧めて行きます。
