先週末から学校は夏休みに入ったようですね。小学生、中学生の皆さん夏休みの宿題は早めに片づけるようにしましょうね。てっ、無理かなぁ~
TOCの教えの中に、スケジュールは必ず遅れるというのがあります。その大きな原因の一つに「学生症候群」が上げられています。
学生症候群とは、時間的な余裕があると、やるべき宿題に取り掛かるのが遅くなり、あった余裕があっという間に食いつぶされるというものです。
身につまされる例えですが、人間の当たり前の心理なのかもしれません。人間の自然な気持ちを、知恵でコントロールすることが、マネジメントなのですね。
さて前回、別の自然な人間の心理である、所属する集団に対する忠誠心が、一時的な組織であるプロジェクトチームへ参加することで、プロジェクトにとってマイナスの影響を及ぼしていることについて考えました。
プロジェクトに参加しながら、別の方向を向いている人、結構いますよね。
プロジェクトの成功のためには、この問題を解決する手段を考え出さないといけません。
最大の武器は、評価制度にプロジェクトの要素をちゃんと取り込んで、プロジェクトの目的達成のための行動を正しく評価するということです。
でもこれだけで、私たち日本人に染み付いた無意識の意識が払しょくできるはずはありません。
更に、評価制度の改革を補強することが必要になります。それは第一に、所属する部門のトップが、プロジェクトの必要性、重要性を理解するということです。
ということは、組織のトップレベルですべてのプロジェクトについて、何らかのコミットメントが必要になるということです。
そんな大げさな、と思われるかもしれませんがトップがそこまでかかわる必要のないプロジェクトであれば、まずプロジェクトを実施する必要はないかもしれないと、考えることが必要です。
つまり参加するメンバが、プロジェクトに集中できるような環境を整えることが、トップの仕事だということですね。これは重要です。
もっと出来ることはないでしょうか。
キットPMは、PMの仕事の半分は技術職だと考えています。プロジェクトには様々な立場の人が参加しますが、PMはプロジェクトマネジメントのプロの技術が必要になります。さらに、マネジメントはPM一人で実施できませんので、マネジメントチームとしてプロジェクトの実施に係る体制が必要になります。
ということは、マネジメントチームはいつも同じような顔ぶれで、気も心も知り尽くした人間関係の結びつきの中で、仕事ができる可能性があります。
このような、プロとしての意識をもつ専門のチームが、プロジェクトを引っ張ることで、一時的に参加するメンバのコントロールを含めて、プロジェクト全体をうまくまとめていくことができます。
もちろんこの時のPMの仕事には、マネジメント技術以外に多くのスキルを求められることになります。でも、このやり方はプロジェクトの成功率と効率の向上を可能にする方法だと考えます。
場合によっては、マネジメントチームを外部から調達することも可能です。いつも複数のプロジェクトが動いているような規模の会社であれば、内部に組織を確保するほうがいいでしょうし、それほどでもなければ、都度外部調達する方がコスト的に見合うのではないでしょうか。
実はPMOのタイプの一つに、PMプール制という役割を持つものがあります。これは、PMOが所属する人材の中から、最適なPMチームを編成してプロジェクトに派遣するというものです。
定常的にプロジェクトを実施する組織には、とてもフィットする、効率のよい考え方だと思います。
また、PMOがプロジェクトとメンバの出身集団の間に入り、PMに変わってプロジェクト目線でモチベーションの調整を行ったり、プロジェクト終了後に帰ってくるメンバの受け入れをコーディネートしたりすることも、解決の一つの手段となります。
こういう動きを組織として行うことで、プロジェクトに参加するメンバに安心感を与え、プロジェクトに集中する環境を整えることになります。
もう一つ、プロジェクトに参加したメンバの活躍が、組織の中できちんと認知されるような動きも重要です。
そのために、実施sてるプロジェクトの目的や内容を組織にプロモーションし、目的を達成した時には、それを称えるようなセレモニーを実施することも、有効な手段になります。
いかがでしたか。所属する小集団に対する帰属意識を断ち切ってプロジェクトメンバとして最善を尽くすための環境を整えることの重要さをご理解いただいたでしょうか。
次回は「日本的なもの」の一つ、「全員一致の意思決定」について考えていくことにします。
