プロジェクトマネジメントのパワー-9- | キットPM奮闘記 改め キットビジネスアナリスト奮闘記

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PMの世界からビジネスアナリストへ、キットPM2.0を目指して奮闘中です。BAを超上流とか言いますが、当たり前のようで難しいビジネス要件をどうやればちゃんとまとめられるのか、皆さんとご一緒に考えていきます。

▼今日は特に冷え込んだみたいです。
  辛い冬を乗り切るためには、ここが踏ん張りどきですね。春遠からじです。

スバル
マウナケア山頂になる日本が誇る天体望遠鏡スバルです。

▼前回、部分最適に陥る理由として
  個人的な合理性を追求すると部分最適になるという考えを示しました。合理的であるがゆえに、否定できないわけです。

  その解決のためには、部署なり個人の目標を全体最適を前提にしたものに変え、評価軸もその目標の達成に置くことで改善することが可能になります。

  ただ、「言うは易し行うは難し」で、評価基準を改めただけで意識が変わるかというと、もちろんそんなわけはありません。まぁ、評価基準を大転換するという事自体も、組織にとってはとってもハードルが高いことですから、相当の負荷がかかることになります。経営者にとってはなおさらです。

  「個別最適」の体制から「全体最適」を目指すということは、経営方針を改めるということにかなり近い発想が必要となります。つまり、まずトップが変わらなければいけないということです。どうです?難しさを感じていただけるでしょうか。



▼さらに、ここに日本人としての
  特性が影響してくることになると、ことはもっと大変になります。

  日本人としての特性(なんというか民族性とでもいいましょうか)が、部分最適に非常に都合のよいものであるということです。

  それは中根千枝さんの「タテ社会の人間関係」という本(古典的な名作ですが、今でも色あせない名著です)に詳しいのですが、日本人の社会と個人の関係のあり方に原因があります。
  



▼簡単に説明しますと、
  日本人の社会はタテ方向の結びつきが非常に強いということです。タテ方向とは、上下関係となりますがそれだけではありません。
  ある集団が上下関係で結びつくだけではなく、その結びつきが非常に強固なため、集団の外と内という感覚を強く持つことになります。

  外との境界が明確になると、ますます内の結びつきも強まることになります。ということは、集団に属する個人は集団の利益を追求することが自己の利益になるだけでなく、その集団の中で個人の影響力を強めることになります。

  このような心理メカニズムは、まず個人が所属している最小単位の集団に現れます。さらに、その集団が所属する上位集団、さらにその上位、最終的には組織全体という階層構造になります。




▼これに反して
  日本以外の国ではどうかということになりますが、簡単にいうと多くの国では個人が所属する集団の数が複数であり、その重みが一つに偏ることが少ないのです。
  つまり、会社にも所属しているけど趣味のクラブや地域社会にも、心理的にも深く関わっているということです。

  日本人の場合も、複数の集団に所属することはありますが、一つの集団に圧倒的に深く関わる傾向があります。そのため、いろいろなメリット・デメリットが発生することになるわけですが、話が逸れるのでここでは詳細には触れません。




▼何が言いたいかというと、
  個人が所属する集団、それももっとも小さい集団に個人の人生が依存するわけですから、最上位集団の利益を考えながら行動するという発想自体が、難しいということです。

  組織構造の問題と日本人としての特性を考えると「全体最適」を実現するというのが、いかに大変かお分かりいただけたかと思います。

  組織に所属するすべての人達が、全体を見渡す広い視点とチェーンを構成する各リングの働きと問題点を認識して、今自分がやるべきことを考えることができるようになる。もしくは、それを理解しているリーダーがリーダーシップを発揮してフォロワーを導いていくことが必要なわけですね。フゥ、大変です。




▼さて、「部分最適」に特化した組織が
  「全体最適」を実現するためにモダン・プロジェクトマネジメント(MPM)が突破口になるというのが、キットPMが考える真のMPMのパワーです。

  次回は、ではどうやってそれが実現できるのかを見ていくことにします。