不確実性とプロジェクトマネジメント -1- | キットPM奮闘記 改め キットビジネスアナリスト奮闘記

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PMの世界からビジネスアナリストへ、キットPM2.0を目指して奮闘中です。BAを超上流とか言いますが、当たり前のようで難しいビジネス要件をどうやればちゃんとまとめられるのか、皆さんとご一緒に考えていきます。

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■すっかり春めいてきましたが皆さんはいかがお過ごしでしょうか。伊豆の河津では川津桜が満開というニュースが流れていました。10年ほど前、キットPMも見に行ったことがあります。少し濃い目のピンクで川沿いに咲き誇っている姿は見事なものでした。もう春も目の前ですね。景気の雪解けはまだ当分お預けのようですが。(涙)

■さて、今回からいつもとはちょっと指向を変えて「不確実性とプロジェクトマネジメント」と題し、PMに期待する真の役割と何かについて考えて行きます。またまた、大上段に振りかぶってしまった感がありますが、お付き合いのほどよろしくお願いします。

■今回このような話を書こうと考えたのは、ある本に触発されたからです。その本のサブタイトルには「不確実性とリスクの本質」とありました。日ごろ”不確実な未来をコントロールすることがPMの仕事だ”と思い込んでいて、また口に出していたキットPMとしては当然手にすべき対象と思ったのは自然なことでした。ところが読んでみると、なんとその本には”不確実性はコントロールできない”と書いてあったのです。

 上下2巻の本ですが、やっと再読が終わって内容を咀嚼しキットPMなりの考えをまとめることができましたので、このブログで考えを披露しようと思った次第です。

■さてその本ですが「ブラック・スワン(上)(下)」の2巻です。著者はアメリカのデリバティブ取引のプロ(要するに禿たかファンドと呼ばれるような)であるナシーム・ニコラス・タレブという人です。2006年にアメリカで出版され、150万部のベストセラーとなったそうです。

 著者はレバノン出身のギリシャ系らしいです。本のカバーにある著者説明には「文芸評論家、実証主義者にして、非情のデリバティブ・とレーダー」とあります。まぁ、アメリカで成功したお金持ちですね。ユダヤ人でないのがちょっとびっくりですが。   

■この本は一口で言うと”ブラック・スワン理論”の説明ということになります。

(Black swan theory)認識論学者で元ヘッジファンド運用者としての経験を持つエッセイスト、ナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim NicholasTaleb)氏が、2006年に刊行した著書「ブラックスワン(The Black Swan)」で説明している理論。
従来全ての白鳥が白色と信じられていたが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されたことで、鳥類学者に大きな驚きを与えた。従来からの知見では、黒い白鳥はいないとされていたためだ。黒い白鳥の発見により、鳥類学者の常識が大きく崩れることになった。
タレブ氏は、この出来事を元に、確率論や従来からの知識・経験からでは予測できない極端な現象が発生し、その現象が人々に多大な影響を与えることを総称して「ブラックスワン理論」と呼んだ。(以下略)

  http://www.hf-klug.jp/hfglossary/line_ha/hu/003474.html

 もう少し詳しい説明をご覧になりたい方はこちらを参照ください。
 
  http://suadd.com/wp/blog/352
  

■さて、本の内容をキットPM的に解釈して説明してみます。
 
 ありえないと思っていたことが起きたり、とても強固だと思っていた今の状況がアッサリ覆ることはよくあることだ。でもほとんどの人間は覆って初めてそういうこと(ブラック・スワンの発現)の可能性に気がつく。ところが、なぜそれまで考えもしなかったことが起きたのかについて、後追いで理屈をつけて納得してしまう。つまり、それが起きたのは”必然”だったと思い込む。そう思い込むことで、その起きた事象はコントロール可能だと結論付けることができる。でも、本質的には予測もコントロールもできないので、新たな思いもよらない”ブラック・スワン”が発現し、再び右往左往する。

 要は”不確実性”をコントロールできると思っているのは幻想でしかない。人々にできるのは、いつか発現するかもしれない思いも寄らない事象に備えることだけだ。

 ブラック・スワンは悪いことだけではない。良いブラック・スワンもある。人類に大きな影響を与える偉大な発明の多くは、発明しようとしてできたものではなく、何らかの作業の結果偶然たどり着いたものだ。つまり、予測できなかった良い結果をもたらす偶然が、人類を前に進めている。

 私たちは、悪いブラック・スワンに対しては徹底的に保守的に、手堅く対応することでその影響を小さくする努力をすべき。反対に良いブラック・スワンに対してはできるだけその発現可能性を高くするよう行動すべきである。

■なんだか良く分りませんか?んー、本にはたくさんの例やたとえが載っているのですが、特に印象に残ったものをご紹介します。悪いブラック・スワンについては、七面鳥は人間が毎日餌を与えてくれることは”あたりまえ”と思い、当然明日も餌を食べられると考えているが、11月のある木曜日(感謝祭)に食べられてしまう。という話。良いブラック・スワンについては、ペニシリンを偶然発見したエピソードを上げていました。

 実はキットPMが引かれたのはこの2つのブラック・スワンについてです。タレブはこの考えを応用して、デリバティブ取引を行っている会社のアドバイザーをしているそうです。今のところこの会社は大儲けしているらしいのです。なぜ? そう、リーマンショックというブラックスワンが発現したため、それを利用できたからです。

■ざっとですが、キットPMの解釈をご説明しました。次回は、この考えをプロジェクト・マネジメントにあてはめるとどうなるのかを考えて行きます。