不安を感じたとき、身体に何が起きているのでしょうか

 

 

 

胸がざわざわする。息が浅くなる。頭の中で同じことを何度も考えてしまう。

そんな経験はありませんか。

 

 

たとえば、誰かに送ったメッセージの返事がなかなか来ないとき。「何か気に障ることを言ってしまっただろうか」「嫌な思いをさせてしまったのかもしれない」と、次々に考えが浮かんでくることがあります。

 

まだ何も起きていないのに、身体は落ち着かず、気持ちまで重くなってしまう。

 

 

 

このようなとき、私たちはつい考え方を変えようとします。

大丈夫だと自分に言い聞かせたり、心配する必要はないと考え直したりするのではないでしょうか。

 

 

もちろん、考えを整理することが役立つ場面もあります。

 

 

ただ、不安が強いときには、頭で考えることだけでは落ち着きにくい場合があります。

不安を感じると、身体は危険に備える反応を起こすことがあります。呼吸が速くなったり、筋肉が緊張したりするのも、その一つです。

 

 

つまり、頭の中で考えが続いているだけでなく、身体も緊張した状態になっているのです。そんなときは、考えを無理に止めようとするよりも、身体の緊張を少しずつ緩めることから始めてみましょう。

 

 

 

1.まずは息を長く吐いてみる

 

不安を感じたときに、最初に試してほしいのが呼吸です。

難しいことをする必要はありません。今の呼吸に少しだけ意識を向けて、吐く息をゆっくり長くしてみます。

 

 

鼻から軽く息を吸い、口から細く長く吐きます。

 

目安としては、2秒ほどで吸い、6秒ほどかけて吐く方法があります。これを3回ほど繰り返してみてください。

 

 

ただし、秒数に合わせることが目的ではありません。苦しくなったり、息苦しさやめまいを感じたりしたら中止し、自然な呼吸に戻してください。

 

 

 

なぜ、息を吐くことから始めるのでしょうか。

 

ゆっくりとした呼吸は、身体の緊張を和らげる助けになります。特に、無理のない範囲で吐く息を長めにすると、呼吸のリズムが落ち着きやすくなります。たとえば、仕事で失敗したかもしれないと気づいた瞬間。すぐに原因を探したり、今後どうするかを考えたりする前に、一度ゆっくり息を吐いてみるのです。

 

 

問題そのものが消えるわけではありません。

 

それでも、焦った状態のまま考え続けるのとは、少し違った感覚が生まれることがあります。問題を解決する前に、自分の身体が落ち着ける余地をつくる。

 

 

まずは、それだけで十分です。

 

2.足の裏に意識を向ける

 

呼吸に意識を向けることが難しいときは、足の裏の感覚を確かめてみましょう。

 

立っているなら、床に触れている足の裏を感じてみます。座っているなら、足が床に触れている感覚を探してみてください。かかとに伝わる重さ。足の指の付け根に感じる圧力。靴の中で足が触れている感覚。

 

 

何かを変えようとせず、今ある感覚に気づくだけです。

 

 

不安が強いときは、意識が頭の中に集まりやすくなります。

まだ起きていない未来を想像したり、過去の出来事を繰り返し思い出したりするからです。

 

 

そんなとき、足の裏に注意を向けると、意識を目の前の身体の感覚へ戻すきっかけになります。たとえば、駅のホームで電車を待っているとき。仕事のことが気になって、頭の中で考えが止まらなくなったとします。そんなときは、無理に気分を切り替えようとしなくても大丈夫です。足の裏が地面に触れていることに、ほんの少し意識を向けてみてください。

 

電車を待つ時間は変わりません。

 

抱えている問題も、そのままです。

 

それでも、考え続けることから一度離れ、今ここにいる自分の感覚に戻ることができます。

 

 

3.自分に短い言葉をかける

 

身体に意識を向けたら、もう一つ試してほしいことがあります。

自分に短い言葉をかけることです。

おすすめしたいのは、次のような言葉です。

 

 

「今、身体が警戒しているんだな」

 

不安を感じたとき、私たちはその感情をなくそうとすることがあります。

 

 

こんなことで不安になるべきではない、もっとしっかりしなければ、と自分を責めてしまうこともあるでしょう。しかし、不安を感じている自分を責めると、最初の不安に加えて、責める気持ちまで抱えることになってしまいます。

 

そこで、少しだけ見方を変えてみます。不安を感じていることと、不安の原因が現実に起きていることは、同じではありません。身体が危険に備えている可能性がある。今は少し緊張している。そのように捉えてみるのです。

 

 

たとえば、人前で話す直前に胸がどきどきしてきたとします。

「失敗したらどうしよう」と考え始めると、さらに緊張が強まるかもしれません。

 

 

そんなとき、「今、身体が警戒しているんだな」と言葉にしてみます。

 

緊張を無理に消そうとするのではなく、今の状態に気づくのです。

 

自分を説得する必要も、すぐに前向きになる必要もありません。

 

不安を感じている自分と、不安そのものを少しだけ切り離してみる。

 

その小さな違いが、自分への接し方を変えるきっかけになります。

 

 

 

変わらない日があっても大丈夫

 

ここまで、呼吸を整えること、足の裏に意識を向けること、自分に短い言葉をかけることを紹介しました。どれも、特別な道具を必要としません。仕事の合間でも、電車を待っているときでも、自宅でひと息ついているときでも試すことができます。ただし、実践しても不安がすぐに和らぐとは限りません。

 

呼吸を3回整えても、まだ胸がざわついている日もあるでしょう。

 

足の裏に意識を向けても、心配事が頭から離れないこともあります。

 

 

それでも、うまくできなかったと判断する必要はありません。

 

 

身体の反応には個人差があり、不安の強さや原因によっても、落ち着くまでの時間は変わります。大切なのは、不安を感じるたびに自分を責めたり、無理に気持ちを変えようとしたりするのではなく、今の自分にできることを一つ選べるようになることです。不安は、必ずしもすぐになくさなければならないものではありません。現実に確認すべき問題があるなら、それに向き合うことも必要です。

 

 

 

 

ただ、問題に向き合う前に、自分の身体を少し落ち着かせる時間を持つことはできます。次に胸がざわついたら、まず息を吐いてみてください。それだけで、すべてが解決するわけではないかもしれません。

 

 

それでも、焦りの中で考え続ける以外の選択肢が、一つ増えます。

 

自分の状態に気づき、今できることを選ぶ。

 

そんな小さな積み重ねが、不安との付き合い方を少しずつ変えていくのではないでしょうか。

 

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

次の土曜日まで皆様が健やかに朗らかに過ごされますように。

 

 

 

 

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