Paul Motian『It Should've Happened A Long Time Ago』



1984,7 (ECM)


Paul Motian (ds,per)

Joe Lovano (ts)

Bill Frisell (gt,gt-synth)


1.It Should've Happened A Long Time Ago

2.Fiasco

3.Conception Vessel

4.Introduction

5.India

6.In The Year Of The Dragon

7.Two Women From Padua



80年代以降、モチアンの音楽活動の主軸の1つとなったベースレストリオ。

そのデビュー作となった今作だが、バンドの方向性は早くも確立されている。

ビルフリの変幻自在なギターは既にしっかり変態サウンドだし、力強さと幻想的な要素が共存しつつもアヴァンギャルドさを覗かせるジョー・ロヴァーノのテナーも唯一無二。


ベースレスが故にビート感が希薄で、地に足が付かない浮遊感とスカスカなサウンドの中での三者の個性の混ざり合いは絶品。

全体的に落ち着いたトーンの楽曲が中心となっているものの、トリオでの演奏とは思えないほどに音楽的なスケールが大きく、奥に秘めた熱さや哀愁が垣間見えるところにモチアンの人間臭さが感じられる。