Miles Davis『On The Corner』


1972,6,1
1972,6,6 (Columbia)

Miles Davis (tp)
Teo Macero (sax)
Dave Liebman (ts)
Carlos Garnett (ts)
Chick Corea (key)
Herbie Hancock (key)
Harold I.Williams Jr. (key)
John McLaughlin (gt)
David Creamer (gt)
Michael Henderson (ba)
Jack DeJohnette (ds)
William W. Hart (ds,per)
James Mtume (per)
Don Alias (per)
Colin Walcott (sitar) 
Badal Roy (tabla)

1.On The Corner
2.New York Girl
3.Thikin' One Thing And Doin' Another
4.Vote For Miles
5.Black Satin
6.One And One
7.Helen Butte
8.Mr. Freedom X


『Bitches Brew』以降の極彩色なファンクを下敷きに、更に多彩なパーカッションやシタール、タブラと言ったインド楽器も持ち込んだごった煮なサウンド。
音像はファンクなのにグルーヴは非常にスクエアで、つんのめるような複雑なビートをループし続ける感覚はビートミュージックを彷彿とさせる。

カオスな音の洪水に身を任せることが出来れば独特な快感を得られるものの、マイルスの存在感はほとんど感じられない。
誰が主導権を握ってるかも曖昧な垂れ流しセッションにも聴こえるので、まだまだ実験の域を超えていないように感じる。
参加ミュージシャンも実力派揃いなのにいまひとつ印象的な瞬間が無く、あえて無気質なムードを狙っていたのかもしれない。