Art Blakey & The Jazz Messengers『Free For All』


1964,2,10 (Blue Note)

Art Blakey (ds)
Freddie Hubbard (tp)
Wayne Shoter (ts)
Curtis Fuller (tb)
Cedar Walton (pf)
Reginald Workman (ba)

1.Free For All
2.Hammer Head
3.The Core
4.Pensativa


ブルーノート盤3管メッセンジャーズの中でも最もアグレッシブな1枚。
スタジオ録音とは思えないほどに猛り狂うブレイキーのドラミングと、それに負けじと熱に浮かされる3人との殴り合いが見事なタイトル曲#1「Free For All」が壮絶。
ショーターのフレーズに迷いが見えたり、フラーのパワー不足感が顕著だったり、リズムセクションも危なっかしい瞬間があったりと荒い部分は多々あれど、それを補って余りあるほどの熱量。
勢いと知性が上手く同居していた『Mosaic』よりも後先を考えない破れかぶれな演奏。

ほどよくファンキーなリズムの#2「Hammer Head」や、歯切れの良いボサノヴァで〆る#4「Pensativa」など、勢い一辺倒ではないものの全編通してテンションが高い。
屋台骨として抜群の安定感を誇っていたジミー・メリットと比べると、ブレを感じるレジナルド・ワークマンのベースだが、リズムや音の選び方は自由度が高く、いよいよハードバップ時代の終わりを予期させる。