Bill Evans『The Paris Concert Edition One/Two』



1979,11,26 (Blue Note)

Bill Evans (pf)
Marc Jonson (ba)
Joe La Barbera (ds)

Edition One

1.I Do It For Your Love
2.Quiet Now
3.Noelle's Theme
4.My Romance
5.I Loves You Porgy
6.Up With The Lark
7.All Mine (Minha)
8.Beautiful Love

Edition Two

1.Re: Person I Knew
2.Gary's Theme
3.Letter To Evan
4.34 Skidoo
5.Laurie
6.Nardis


マーク・ジョンソンとジョー・ラバーベラとのトリオでの最晩年にあたるライブ盤。
同時期の作品にも顕著なことではあるが、ピアニストとして表現のレンジが広くなったことで、ドラマチックなバラードを好んで演奏していた晩年のエヴァンス。
そのため必然的にピアノがリードして、ベースとドラムはあくまでもそれに追随するような演奏が多い。

エヴァンス自身はこのトリオを非常に気に入っていたようだが、かつての緊密なインタープレイは鳴りを潜めてしまい、それぞれの高水準な個人技を味わう趣に。
1+1が2ではなく、3にも5にもなっていた有機的なトリオの在り方を知っているといささか物足りなさを感じてしまうところ。
その個人技の極地が『Edition Two』#6「Nardis」で、たしかに個々のスキルの高さに圧倒されるものの、トリオ演奏としてはファストテンポで荒々しいところも晩年のエヴァンスの特徴の1つ。