このドラマをとりあげようと思った理由は、前記事に書いたとおりです。
『美しい彼』に腑抜けてる私には、まだまだ、リハビリが必要でして。。。
そんな私に、心地よい、短めドラマをユネクで発見して、気づいたら、雑感を書き始めてた・・ってところです。
なお、本サイトは、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
夢中さ、きみに。
《MBS 制作 “ドラマ特区”》
原作:和山やま
Jan 7, 2021 - Feb 4, 2021
1話24分程度×5話構成です。
私の筋追いは、基本、視聴後に読まれることを前提にはしているんですが、ネットでの出会いって、そう、状況を限定できるものばかりではないんですよね。
ただ、このドラマは、その中でも、特に、見終わってから読むほうがいいような気がします。
というのも、大抵の方は、見終わってから、そっか・・という気持ちで、1話から見返すんではないか・・と思うんです。
途中、物語の構造と伏線に気づき、頭から引き返す、という道を選択される猛者もいらっしゃるかもしれませんけども(笑)
ちなみに、私は、振り返りたかったけど、一応、最後まで見てから、「再視聴した派」です。
基本、これは、言葉で説明するようなドラマではないので、とりあえず1話だけ、ちょっと詳し目に追いながら、思ったまんま、見たまんま、感じたまんまを書いていこうかな。
2話以降、読むか読まないか、ドラマを見るか見ないかはあなた次第。🤭
私は、U-Nextの加入者なので、見放題で見れましたが、たぶん、Huluストア(課金)でも見れるはず。
ちなみに、タイトルバックは、この、男子ツーショットですが、このふたり同士は「じゃない」です(笑)
オープニングソング
1話の中に、2つほどのエピソードで構成されてます。
1話:「友達になってくれませんか?」
まずは、都内のお嬢様高校に通う松屋めぐみ(まつやめぐみ)/福本莉子 のターンですね。
この子、顔も声も可愛いなぁって思ったら・・・
誰かと思えば、橋下さん@消えた初恋(笑)
別人。。。
人付き合いは決して悪くないけれど、完全に、周囲と馴染めているかと問われると、そうとも言えず。
みんなと一緒に、バス停にいるときの、悟られないようにやり過ごす微妙な距離感と視線の力加減。
でも、決して、排他的でも厭世的でもない。
友達といる自分以外に、ちゃんと自分の世界を持っている・・・そんな感じ。
読書が趣味で、現在は、『鉄と鉄』がお気に入り。
「 “私と、友達になってくれませんか?”・・・」
人間と、黒い鉄の塊であるロボットとの心の交流を描くその場面まで読んだめぐみ。
もし、その次の行まで読んでいたのなら・・・いや、その場面を心に留めていたならば・・・。
これは愛なのだ、と感極まった気持ちのまま、SNSで、気に入った本のことを呟いたりして・・・。
めぐみのアカウント名は”おいも3兄弟” ← おいもが好きなだけ。
偶に、同じ本を読んで共感した人からリプが来たりする。
“仮釈放”も、そんなリプをくれたうちの一人。
『鉄と鉄』がお気に入りで、何度も読み返しているという。
彼の、他のつぶやきの内容は、ちょっと独特すぎて・・・
生き恥・・自腹・・ラミレス・・すじこ・・・米騒動・・ウーロン茶
看板や掲示物などの文字を拾ってきて、切り貼りし、単語にしているところまではいいとして、実はこれが、しりとりになってるところに気づくところなんて、シュールなのか、王道なのか!
めぐたん、さすが!
私なら、余分な推理をめぐらせ、どつぼに、はまっていただろう(笑)
ここで、一口に、看板や掲示物の一文字といっても、様々なフォントや級数、背景、角度や向き、質感などがあるのだ、という文字の個性もさりげなく示してます。
なんとなく目についた看板に、画像と同じ文字を発見したところで、
めぐみ:ここで、撮られた文字なんだ!
よく気づいたなぁ。
お気づきだろうか。
私がなんとなく、彼女のことが気になり、ドラマを見続けてしまった理由というか、同じ“性癖”の持ち主だということを。(笑)
“仮釈放”なる人物が、自分の周囲にいる可能性が高いことに気づき、それとなく、周囲に設置してある、様々な看板や掲示物を気にし続けるめぐみ。
ある朝、通りの向こう側で、写真を撮ってる男子高校生の姿があるのに、視界を遮られて気づかないところとか、ちゃんと、気をもたせてくれるのは忘れない。
そう、通りの向こう側、中高一貫の男子校「鐘亀高等学校」のスクールバスの停留所で、
画像を撮っている変わり者の“仮釈放”こと、林美良(はやしみよし/大西流星なにわ男子)をみかけて、近寄ってきたのは、後輩の小松くん。
※すっかり役者業が板についた旺ちゃん@まえだまえだ です。後に出てくるので、また、その時に。
この二人も、美術部員の小松くんと、その絵のモデルの林センパイという、なかなか珍しい組み合わせ。
このバスに乗らないと、次は、始業ギリギリ。
小松「祈ってます、間に合うこと」
林「まかせろ」
この言い方が、気負うでもなく、坦々としていて、それでいて、ちょっとかっこいい。。
行き過ぎる通学バスを、目で追う林。
この、究極の、優先順位の付け方。
なお、林くんには、諸事情により、お顔に🐼が重なる場合があります。ご了承ください。🤭
そして、とうとう・・・ある日。
見つけちゃうの。
めぐみ「“仮釈放”さん?」
まぁ、こんなことしてる奴、そうそういない。(笑)
この二人の出会いも、ある意味、ドラマの中核をなしている。← 大げさ(笑)
秋の日の公園。
このドラマ、美しい風景や、平凡な街並み、色調、インサートされる小物たちなども、ドラマの重要な小道具のひとつです。
こんな美しい公園なのに・・・、ただ、淡々と飄々と、自然体でベンチに座る“仮釈放”と、お父さん以外の男子と話す経験のなさを露呈し、舞い上がってる“おいも三兄弟”の佇まいの対比も、すでにそれだけで笑いを誘う。
“おいも三兄弟”さんは、何番目ですか?っていう“仮釈放”の質問に対し、「私ひとりで三兄弟」っていう答え方がなんとなく、あとからジワる。
そして、ここでは、二人が並んでいるショットは撮らない。
いきなり消えたと思えば、黙って焼き芋を買いに行っていたり、
“松屋めぐみ”だと本名を明かしためぐみに「吉野家さん」と呼びかけたり、まるで捉えどころのない“仮釈放”
めぐみ「松屋です」
この生真面目さが心地いい。
それでも、はじめての出会いで、焼き芋を頬張る二人。
ようやく、一枚に収まりました。
ピコン!
ウーロン茶・・焼きりんご・・ごま団子・・・(笑)
別れ際、あっさりと、じゃあ、と去ろうとする“仮釈放”に、「え・・?」となるめぐみ。
ここも、自覚よりも先に、もう・・っていう気持ちが先に出てて、
めぐみ「あの・・・お名前は?」
林「林です」
なにか言わなくちゃ、言わなくちゃ・・・
めぐみ「あの・・・私と、友達になってくれませんか?」
少しの沈黙の後・・・
林「それは・・承諾しかねます」
で、このめぐみの表情をみた林の・・・ん?・・あぁ・・っていう表情の微かな変化が、もうもうもう!!
すみません、Office J様
りゅうせいくんの演技に免じて、ここだけ許してちょんまげ。
すみません、と深々と頭を下げるめぐみに、聞こえてきたのは、林が立ち去る靴音。
家に帰ってから、亡者と化しためぐみ。(笑)
「ぐれてやろうかしら」という発想と表現が、昭和だ。
「忘れよう、ひとりで、静かに、鉄のように」
本の世界に浸ろうとして、『鉄と鉄』を手に取っためぐみ。
私と、友達になってくれませんか?
それは承諾しかねます。
じゃあ・・・また、会いにきてもいいですか?
喜んで。
めぐみ「(まさか!!)」
これは、ある意味、衝撃よね。
「(偶然よね、あの時、私が気づいていたら・・・いずれにしても、オタク失格。)」
気付けなかった失態に失意しつつ、相互フォローする前で良かった・・と思いながら、“仮釈放”からの最新投稿を見るめぐみ。
林 <松屋さん また会いに来てもいいですか?>
めぐみ「喜んで!!」
バスの中で、大声をあげためぐみを一瞬見て、また、正常に戻る車内。
すぐさま、バスを降り、「よろこんで」の「よ」の文字を探し始めるめぐみ。
「ろ」がなくて、焦り、そこらじゅうを必死で走り回るめぐみを追い越していくのは、鐘亀高校のスクールバス。。
そんなめぐみの様子を、バスの窓の外を眺めていて、気づいた林。
決して、動じたり、慌てたり、焦ったり、不必要に走ったりしない林くんの、このスニーカーの足もとショット!!
通学バスを途中下車し、めぐみの背後に立ち、話しかける林。
林「“ろ”なら、向こうの掲示板に・・・いいですよ、あそこの“ろ”」
めぐみ「・・・・さようでございますか」← この返事の仕方も、マイブーム(笑)
これを、I think so. と訳され、「・・そうなんですね」と訳しているのが、いつもの私。
しゅん。。😢
ここで、おもわず、吹き出す林。
すぐに、真面目な顔に戻そうとして戻しきれず、笑みを湛えたまま「はい」と返事をする。
私が取り上げると、ほんと月並みな「青春きゅんストーリー」みたいな感じになるのが困りもの。そういう部分もあるんだけど、このドラマ、それだけじゃないの!(苦笑)
めぐみ「どうして、こんなことしてるんですか?こんな大変なこと・・・」
林「心に余裕があるうちは、意味のないをしていたいんです。きっと今しかできないから」
ここで、林くんの、ちょっと観念的というか、哲学めいた部分が、顔を覗かせる。
“仮釈放”というアカウント名の由来を訊ねるめぐみ。
中学校時代のあだ名だと、平然と答える林に、どういう中学時代を(過ごしたら、そんなあだ名がつくのだろう)?と気になりはじめるめぐみ。(笑)
そんなめぐみの疑問を、全く意に介さない林が、スマホを向けた先には・・・
林「あれ、見えますか? あれ、どこでしょう、高校」
めぐみ「さぁ?」
さて、いよいよ、もう一人の重要人物 二階堂明くんの登場です。
1話:うしろの二階堂(前編)
話はガラリと変わり、とある地方の、小塚高等学校でのターンです。
関わると必ず不吉な目に合うという、都市伝説扱いされてる二階堂明(にかいどうあきら/高橋文哉)
原作と比較しても、この再現率の高さ!!(笑)
長い前髪にメガネ、制服のブレザーをイン・・・という、陰キャの完全体。
そんな二階堂の前の席になってしまったのが、私の一押し、目高優一(めだかゆういち/坂東龍太)
『ソロモンの偽証』に出てた子なので、演技力は折り紙付き。
最初は、皆と同様、二階堂の不気味さに引いていたものの、
掃除当番のペアとなってしまったり・・そうも言っていられず。
持ち前の、好奇心と、超絶技巧並みのメンタルバランスで、とうとう、二人でトイレ掃除をしている時に、二階堂に話しかけてしまう。
「二階堂、お前って、伊藤潤二の漫画に出てるよな?」
さすが、伊藤潤二先生。
令和の時代でも、ご活躍でなにより。
誰よりも読んでいそうなのに、意外にも「俺、読まないから・・漫画」と、伊藤潤二を知らない二階堂。
時々、角度的に、美形陰キャを演じてるときの、神木(隆之介)くんっぽさを感じます。すでに、ジャンル化した感あり(笑)
その返事に、思わず爆笑してしまう目高。
目高の反応にびっくりして、トイレから逃げ出す二階堂。
目高くんの初手で、なにかが動き始めた・・GJ!
実際、目高の言ってた伊藤潤二が気になって、検索してみる、とか、もう、二階堂クンったら、性格可愛いところが隠せてないのよ(笑)
あまりの絵柄の恐ろしさに、恐れおののき、奇声をあげ、ガタンと席から立ち上がる二階堂。
実は、二階堂の、ビビり&怖がり体質も肝。
俺は、こんなのに出てると思われてるのか・・・とちょっとショックでしょ。。(笑)
プリントを後ろの席に回す際、二階堂の引っ張る勢いが強くて、紙で指を切ってしまう目高。
それは思ったよりも、ざっくりと切れていて、血がプリントの上に滴る。
これが呪いか・・と呟き、またまた、二階堂への印象は逆もどりしかけたように見えたものの・・・。
帰り道、小学校の同級生、佐藤みのるから声を掛けられる目高。
この子の登場が、二階堂問題の突破口になるのよ。
小学校卒業式ぶりに会うという二人。
軽く近況に触れ、目高が、小塚高校と聞いて、「じゃ、明くん、いるでしょ? 二階堂明」とテンション高めになる佐藤みのる。
他校の女子としゃべってるなんて、 傍目には、リア充。
でも、話題は二階堂!😅
二階堂と同じ中学だったというみのると、共通の話題と言え、目高の関心事でもある二階堂の話しになったのは、自然な流れだったのか?(苦笑)
目高「あいつって、中学の時から、あんな感じだったの?」
みのる「もうすっごい・・あんな漫画みたいな人いるんだ・・って感じ」
言葉がかぶりながらも、みのるは、本心から二階堂を誉め称えている様子。
当時の二階堂が、まるで“少女漫画の王子様”みたいだった、と言われ、言葉をなくす目高。
まるで、芸能人みたいに、学年関係なく女子にモテてた、と言われても、俄には信じられない。
翌日(?)登校途中、バスの中で、みのるに送ってもらった、当時の二階堂の写真を確認する目高。
目高「・・・・・・!」
ここの、目高くんのモノローグが大好き。
次の瞬間、全部、持っていかれた
特に意味はない
これは、ただの好奇心だ
ただ、あいつを見たいだけだ、あの写真の中の・・・
この表情は、ただの好奇心というよりも、もう少しだけ強めの切望、まだ、気づけていない、いわば、恋の始まりだよ。
まだ、来ていない二階堂を探しに、教室を飛び出していく目高。
本人の自覚とは裏腹な、この必死さを、私は、数々のドラマで見てきたよ(笑)
そして、そんな目高のことを、ずっと目で追ってる荒川ちゃん。(緑の矢印)
そう、隣の席の彼女です。荒川ちゃんについても、また、改めて(笑)
みのる:ある日、流血事件に発展しちゃって・・・
二階堂明をめぐり、女子たちの争いが勃発する中、靴箱に詰め込まれたラブレターやプレゼントに交じって、血の付いた生理用品が入っていたことで、不安定になってしまった二階堂明。
みのる:中学卒業と同時に消えるように・・・
登校してきた二階堂を待ち受けていた目高。
手招きクイクイに、身構える二階堂。
見たい・・本当のアイツを・・・
自分を追いかけてくる目高に、逃げながら「お金なら持ってないから!」と叫ぶ二階堂。
壁ドンならぬ、足ドンというらしい(笑)
二階堂「呪われるぞ、お前。俺に関わるとひどい目にあうよ」
身構える二階堂に、思いっきり、変顔をしてみせる目高。
結論:二階堂明は、ゲラ男だった。
我慢できず、吹き出し、大口をあけて笑い出す二階堂。
二階堂「なんだよ、それ・・」
眼鏡をはずし、笑いで滲んだ涙をぬぐった二階堂の顔をみた目高の周囲だけ、時が止まったよ💘
目高「明・・・」
別人のような二階堂を見て、思わず、下の名前をつぶやいてしまう。
はっと我に返る二階堂。
慌てて、立ち上がり、教室に向かおうとする二階堂の背中にむかって、「いいじゃん、笑えば。無理に変人ぶってないでさ。」と投げかける目高。
二階堂「誰から何を聞いたか知らないけど、あえてだから・・・。変な虫が寄ってくるくらいなら、嫌われてるほうがずっと楽なんだ、一人は別に不幸じゃない。自分で選んだことだから」
そういうと、眼鏡をかけて、立ち去っていく二階堂。
二階堂の深い絶望と覚悟を知って、この時はそれ以上、引き留めることはしなかった目高。
拒絶されてもなお、目高の心は、逆に、二階堂の本心を知り、寄り添いたくなったって感じかな。
この時の、目高くんの立ち姿と面構えが好きなんです。
きっとこの人は、このまま、二階堂をほうってはおかない、って予感させる。
携帯を取り出す目高。
目高:佐藤、うちにこんな〇ャニー〇ジ〇ニアは・・・いない
再び、教室を前に、いつもの二階堂に戻った明。
<1話終わり>
・・・とまぁ、こんな感じで、1話終了です。
まだまだ、出てきてないキーパーソンもいるのでここでやめるのもなぁ(笑)
本当は、全話分、一気に雑感にまとめたいくらいだったんですけど、ついつい、あれもこれも、と欲張ってしまいました。
2話以降は、もう少し簡便にざざっとくらいに押しとどめようかな、とは思ってます。
ほんと、説明すればするほど陳腐になっていく。
学生時代なんて特に閉鎖された環境で、しかも、同じ条件のなかにいて、キラキラなんて、渦中にいる時はわからない。
時々、線引きを越えて、踏み込んでしまう距離感のアンバランス。
出会う人間も限られているのに、一つとして同じじゃないのは、引き合う何かのせいなんでしょうかね。
後半の「うしろの二階堂」はエピソードとしては、前編に位置付けられているので、まだ、状況説明なんですよね。
でも、目高くんのモノローグ、
次の瞬間、全部、持っていかれた
これ以上の、強い意志を秘めた、心の軌跡があるのか、と思うくらい、二階堂クンに向かうべクトルが、はっきり示されてました。
とにかく、腑抜けてる状態ではありますが、あまり深すぎず、薄すぎず、心を活性化してくれる感じがここちよかったので。。。