引き続き、14話いきます。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。![]()
『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin
2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022
45分×全20話
脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao
演出: Xing Jian Jun
前記事未読の方は、こちらから
#EP14-1
~許先生の自宅~
先生の アトリエで、存在しないはずの自分の絵を見て、沈翔が衝撃を受けていた頃、杜城は、台所にいて、冷蔵庫の中を開けたりしています。
そのおうちの生活ぶりを見るには、台所が一番。
中身は、卵が2個、しなびたレタス(生菜)がぽつん。。
余談ですが、中国のレタスって、タイニーシュシュじゃなくても、葉っぱが白菜っぽいのあるよね(笑)
冷蔵庫の扉にも、たくさんの付箋が貼られている。
ここにも、“思文の好物は豚の角煮”とか、メモされてる。
窓に貼られた付箋を一枚、手に取る杜城。
杜城「“絵を持っていくこと 园山南路296号 22日の午後”・・・明日か?」
気になるよね。
その時、ヒールの音が聞こえ、現れたのは、お久しぶりの林敏(リンミン)。
沈翊の姉弟子です。
杜城「なんで、あんたがここに?」
さぁ・・・少しだけ首をひねる林敏。
林敏「・・・・」
それって説明、必要?
そう言えば、杜城は、林姐に会ったこと、沈翊に伝えたんだっけ?
杜城「今日、ある人に会ったぞ。もっと知りたいか?」(#6-1)
この時は、直後に局長室で事件が起きちゃって、伝えられなかったんだけど、その後も、(曹棟に)海に突き落とされた沈翊の病室でも顔を合わせてるんだよね。(#6-4)
既に、沈翊をめぐって訳ありな顔見知りの域です(笑)
あ~、病室の廊下で沈翔の意識が戻った時の杜城の押し殺したような笑顔、良かったよなぁ。
林敏の足はそのまま、沈翊がいるアトリエの方へ。
林敏「一块石头落进水里都有回声 一介人掉进江河却了夭生息呢(石が水に落ちても音がするというのに 人が大海に飛び込んで亡くなったのよ どういうことになるかわかるでしょ)」
似たような言い回しの漢詩があるのかな?
すでに、許先生が亡くなられた噂は広まっているのだ、と、まるで、沈翊に聞かせるように呟きながら、アトリエに入ってきた林敏。
ここ、一瞬、緊張したような沈翊。
まだ、(ここにある模倣絵の)事情がわからないのに、一番知られたくない人に、来られてしまったから。
林敏「許先生が生きている間に描いた絵は、全てここにあるはずよね? 整理して追悼展を開きたいのよ」
ラックに収められている油絵を見ながら、今度はしっかりと、沈翊に問いかける。
沈翊「何のために? 懐古? 追憶?」
林敏「・・・・・」
沈翊「もう亡くなっているんだぞ。(そんなことをして)なんの意味がある?」
杜城も、アトリエにやってきました。
林敏「亡くなっても、絵は残っているわ。許先生は、芸術に人生を賭けてこられたけれど、その絵が世に出ることはなかった・・。見てもらえない絵はただの画材よ。放置すればするほど価値は下がってしまう」
林敏は服装の感じからしても、すでに、絵は描いていなくて、(実際、画廊を経営してるかどうかはわからないけれど)画商とか、コーディネーターっぽい雰囲気あるよね。
ここで、会話しながら、部屋の中を見回していた林敏が、イーゼルにかかっている“横顔の絵”(沈翊の模倣画)に気づく。
そして、林敏が気づいたことに、沈翊も気づく。
林敏「・・・・・」
これが、どういうことなのか、なにも言う気はないのね、と、口角をあげる林敏。
二人の間に流れた変な空気に、敏感に気づく杜城。
じっと、沈翊を見つめるだけの林敏。
林敏「・・・・・・」
沈翊「わかった。やりたいなら、個展を開くのは構わないよ。」
沈翊って、本心を隠そうとするとき、ふっと微笑みを浮かべるよね。
林敏「一つ条件があるの。あなたとの共同開催の追悼展にしたいのよ」
沈翊の名前がなければ、人が来ない、注目もされない、と暗に言ってるようなものです。
沈翊「・・・興味ない」
部屋の中央のイーゼルに置かれた「横顔の絵」に触れる林敏。
そりゃ、気づかないわけがない。
画の目利きっていうだけじゃなく、実際、沈翊の絵を燃やした時に、その場にいたんだもん。
林敏「他人に知られたくないなら、(絵の世界に)戻って本物の絵をあなたが描けばいいのよ。いずれにせよ、先生はあなたの恩師だったのよ」
これって半ば、脅迫にも受け取れかねない言葉だけど、それよりなにより、許先生を貶めるような発言に、腹を立てる沈翊。
沈翊「君の指導者でもあっただろ・・」
中国語字幕だと、「先生の弟子は俺だけじゃない・・」になってるんだけど、ここは、林敏の他人事のような発言を責めたい気持ちが出ているので、あえて、英語字幕のほうを採用(笑)
きょうだい弟子というのは、兄弟でもあり、仲間でもあり、ライバルでもあり、いろんな意味で、複雑なんでしょう。
少なくとも、林敏は、私(たち)の知らない、昔の沈翊も知り尽くしているってことです。
そういうと、中央に置かれた「横顔の絵」と、そして、もう一枚、「赤と青の絵」も掴むと、
部屋を出ていこうとする沈翊。
杜城「どうする気だ?」
沈翊「僕の絵だ。どいて!!」
沈翊の剣幕に、訳が分からず、なんだ?と不思議そうな杜城。
杜城、加油!
~画廊通り~
沈翊が帰ってしまった後、一人、許先生の自宅にあったメモの住所にやってきた杜城。
园山南路296
中から、声を掛けられる杜城。
「なにか御用ですか? どうぞ、おはいりください」
ギャラリーに入り、警察バッジを見せる杜城。
杜城「北江分局の者です。少し、お伺いしたいことが・・」
ああ・・警察の方ですか、と戸惑うギャラリーの店主。
杜城「この方、ご存じですか?」
許先生の写真を見せる杜城。
店主「ええ。絵を売りに来たことがありましたね。たしか、今日もあとで、来る予定になっていたはずですけど・・・」
杜城「・・来られなくなりましたよ」
店主「はぁ?」
おそらく、このあと、事情を説明したんでしょうね。
奥から、女性の顔の油絵を出してきた店主。
店主「これが(持参した中で残っている)最後の絵ですね」
近づいて、よく見る杜城。
左下に、沈翊のサイン、発見。
杜城「・・・これは沈逸の絵じゃないのか?」
店主「よくおわかりですね。これは、沈逸が七年前描いたもので、絵を描くのをやめる前の、最後の作品の一つです。この、色合いと構図を見てください。素晴らしい才能です・・・」
いつしか、絵を売りつける際の口調になってる。。。
杜城に、ぎろりと睨まれ、口をつぐむ店主。
杜城「この絵を売った男は、この絵をどこから手に入れたのか言いましたか?」
店主「個人的なコレクションだと言っていました。他にもたくさんの絵を持ち込んできたんですけど、どれも無名作家のものだったんで、買わなかったんですよ。その後、彼は実際に、沈翊の作品を何点か持ち込んできたんです。きっと金に困っていたのかもしれませんね。そうでなければ、どうして、みすみす手放したりしますか?」
これからも、価値はどんどん上がるのに・・・とでも言いたげです。
厳しい顔をして、画を眺めている杜城。
実際に、こうして画を見て、あのアトリエでの、沈翊と林敏の様子がおかしかった理由とその意味に思い当たったのね。
~北江分局 杜城の部屋~
結局、その少女の画は、押収してきたらしいです。
なんて言って、理由をつけたんだろうか・・・ちょっと気になる。
顔を近づけて、じっと見ているフォン。
杜城「7年前の沈翊の作品だ」
フォン「それの何が、そんなに変なんですか?」
杜城「沈翊の姉弟子は、沈翊は、七年前には全ての絵を焼却したと、俺に話したんだ」
フォン「じゃ、これが、唯一残った絵ってことですか?」
ここ、“もしや、すごい価値があるんじゃないか”と、色めきたつフォンがおかしい(笑)
杜城「違う。・・・許意多は、この半年で沈翊の絵を何枚も売っている。つまり、可能性は二つしかない。 姉弟子が俺に嘘をついたか、もしくは、沈翊の署名入りの絵は全て、許意多が描いた贋作か・・・」
フォン「・・・許意多って、沈翊の先生なんじゃないんですか? どうして、師匠が、自分の弟子の作品を模倣なんかしたりするんです?」
事情を何も知らなければ、フォンの疑問は、しごく真っ当なものです。
その時、ハンが、急ぎ足気味に、ノートパソコンを持って部屋に入ってきました。
ハン「城隊!! 許意多の携帯電話の分析が完了しました。で、この動画を見つけたんです」
すぐに、再生するハン。
父さん。
裁判がまだ終わらなくて、もう少しお金が必要なんだ。
約25万ドルほど。
助けてくれないか。
これが最後だと約束する
杜城「これは、誰だ?」
ハン「許先生の息子の、許思文です。」
これはこれは、なかなかインパクトのあるビデオメッセージが発見されちゃいました。
これにより、事件の方向性がガラリと変わってくるのです。
~沈翊の自宅~
「赤と青の絵」を、壁に掛ける沈翊。
この時の、沈翊の横顔が、柔らかいの。
ノックの音がして、出てみると、杜城でした。
この感じ、なぜ、杜城がここに来たのか、察しがついてるみたい。
早速、本題です。
ポケットから、例の少女の画の写真を取り出し、ポンと腰棚に置く杜城。
杜城「林敏の話では、おまえは警官になる前に全ての絵を燃やしたそうだな」
写真を手に取る沈翊。
当然、沈翊には、既に、額装された贋作が世に出てしまっていることの意味がわかります。
沈翊「・・・もしかすると数点残っていたのかも」
声も目も顔も死んでる。
沈翊の優しさというか、先生思いの気持ちに、こっちが泣きそうです。
杜城「違う!」
被せ気味に否定する杜城。
杜城「お前は自分の絵を全部燃やした。これらは、許意多が偽造した贋作だ」
沈翊「先生はそんなことしてない」
杜城の目を見る沈翊の暗い瞳。
沈翊「彼は芸術家だぞ。そんなことするはずがない。」
沈翊が否定したい気持ちもわかる。
でも、真実を知らないほうがもっと沈翊が傷つくだろうことも予想できる。
小さく頷きながらも、「もし彼が大金が必要だったら?」とスマホを取り出し、さきほどのビデオを再生する杜城。
父さん。
裁判がまだ終わらなくて、もう少しお金が必要なんだ。
約25万ドルほど。
助けてくれないか。
これが最後だと約束する
杜城「許意多の息子は、海外で裁判沙汰を起こした。そのせいで、許意多は緊急に大金が必要となったんだ。だが、一人でそんな大金などとても工面できない。だから、お前の絵を模写し、売り払った」
ビデオに映る思文の顔を見て、ショックで、頭がクラクラしてます。
写真を持っていた指に力が入り、くしゃっと変形する写真。
できるだけ、感情を表にださないようにいうのが精いっぱい。
沈翊「全部・・・君の想像だ」
写真を放り投げる沈翊。
心を沈めようと、キャンバスの前に立ち、絵を描き始めた沈翊。
杜城「おまえは最初から知っていた。だから絵を持ち去った。自分の師匠が、半端な芸術家だったってことを認めたくなかっただけだろ!!」
現実を直視しようとしない沈翊に対して、わざと厳しい言葉をぶつける杜城。
思わず、力が入った手から、炭がはじけ飛んでしまう。
手が停まる沈翊。
うわ~~ん!!![]()
二人とも、心の中では号泣よ。
~沈翊の自宅 アトリエ~
すっかり夜です。
杜城は帰っちゃったみたいだ。
ま、今日のところは仕方ない。← なにを期待してるんだか。
相変わらず、ホネ男が苦悩している・・・
例の、許先生のところから持ち帰ってきた「横顔の絵」に、新たに絵の具を重ねていく沈翊。
今は、この萌え袖にも、萌えてはいけない気がする。。。![]()
どんどん、青で塗り進められ、とうとう、左下の模倣サインまでが消えました。
そこから、新たに、パレットと筆を持ち、新しい絵を描き始める沈翊。
~回想 子供時代~
許先生<自由こそが、一筋の道だ。絵を描くことで、その道を見つけられる。>
階段脇で出会った日、許先生は、普通の大人みたいに落書きしても怒らないどころか、一緒になって絵を描いてくれたのね。
沈翊が描こうとしていたものが、だんだん、露わになってくる。
それは、出会った頃の、まだ若かった日の許先生。
遺体安置室で、すでに冷たくなった先生に触れたときのことを思い出し、泣きながら、どんどん、キャンバスの上に絵の具を重ねていく。
自分に、絵を通じて、いろんなことを教えてくれた頃の、先生の顔をじっと見つめる沈翊。
~追悼展会場~
結局、沈翊は、自分の名を冠した共同開催を認めざるを得なかったみたいね。
盛況とは言えなくとも、これくらいのスペースで開催できてよかったよね。
アトリエにあった絵が、会場に配置されている中、沈翊が描いた許先生の絵が飾られているのが見える。
画壇からは退いたと言われる希代の天才画家、沈翊の作品となれば、ある意味、これが今回の追悼展のメインね。
会場には、絵だけではなく、弟子たちと撮った写真などもたくさん並べられている。
中には、沈翊と先生、二人だけで撮った写真もある。
許先生を中心に5人で映っている写真の、先生の隣に立つ女性が、林敏かな。
振り返った沈翊。
自分の描いた先生の肖像画の前に、一人の男性が立っているのに気づき、
声をかける。
沈翊「許思文・・・」
その声に振り返った男性、例のビデオの人だ。
うっすら、微笑む沈翊。
許思文「久しぶりだな・・」
年齢的にも、沈翊と同じくらい。
当然、顔見知りよね。
ここで切ります。
★『猟罪図鑑』Ep.14-1 雑感★
前回の恩師の自殺というショッキングな出来事から、一転、贋作騒動が持ち上がり、先生が息子の不始末でお金に困っていた、という事実を突きつけられ、沈翊の苦悩は続きます。
「どれも無名作家のものだったんで、買わなかったんですよ。」
杜城が聞いた店主の言葉、絵の世界のシビアさを突きつけてる感じです。
杜城も、陰でずいぶん、沈翊のために動いてますね。
なにも話してくれない沈翊を問い詰めるより、まずは察してあげて、それでも、自分が知った事実を隠すことはせず、言いにくいこともちゃんと言ってあげます。
ちなみに、 「赤と青の絵」も「横顔の絵」も、筋追いの便宜上、勝手に名付けただけなので、本当は、もっとそれっぽいタイトルを付けたい。
「赤と青の絵」は、生命力がテーマだったから、そのものズバリ『いのち』でもよさそうだけど、「横顔の絵」はなにがいいかなぁ。
そういうことを考えるのが楽しくて仕方がないのです。
★『猟罪図鑑』Ep.14-2に続く★







































































