2026年6月に東証グロース市場へ上場したGO株式会社(581A)。日本交通グループの配車アプリ「GO」を運営し、大幅な黒字化を達成したことで注目を集める同社ですが、投資家として必ず頭に入れておきたいのが「ロックアップ解除」と「大量のストックオプション(潜在株式)」による需給リスクです。

本記事では、株価の重しとなり得る今後のスケジュールと需給への影響を分かりやすく解説します。

 


1. GO(581A)のロックアップ解除スケジュール

 

GOの大株主に対するロックアップ(上場後に一定期間、株を売ってはいけない制限)は、保有する株主によって「180日間」と「360日間」の2段階に分かれています。

 

また、一般的なIPO銘柄によくある「公開価格の1.5倍で解除」といった価格解除条項がありません(期間解除のみ)。

 

📅 ロックアップ解除の日程と対象株主

解除までの期間 解除日 実質売却可能日 対象となる主な株主
180日間 2026年12月12日(土) 2026年12月14日(月) 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
株式会社NTTドコモ
トヨタ自動車株式会社
中島 宏(社長)、川鍋 一朗(会長)など
360日間 2027年6月10日(木) 2027年6月10日(木) 日本交通ホールディングス株式会社

 

⚠️ 投資家が注意すべきポイント

 

株価に関係なく、2026年12月中旬に大株主であるDeNA、ドコモ、トヨタなどの制限が一斉に外れます。

市場では将来的な保有持分の売却(オーバーハング)に対する警戒感が意識されやすいタイミングとなるため、12月中旬前後の値動きには注意が必要です。

 


2. 破壊力抜群の「1円ストックオプション」と希薄化リスク

 

GOの需給面を語る上で、ロックアップ以上に見逃せないのが膨大なストックオプション(新株予約権)の存在です。

 

📊 発行済株式の約10%にのぼる潜在株式

 

GOの新株予約権による潜在株式数は約7,620万〜8,620万株規模(発行済株式総数に対して約9%〜11%弱)存在します。

これはマザーズ/グロース市場の新興企業の中でも希薄化リスクはかなり高い部類に属します。

さらに、以下の2つの特徴が売り圧力を強める要因となっています。

  • 9割近くがすでに権利行使可能: いつでも株に変えて市場で売却できる状態です。
  • 「1円ストックオプション」の存在: 役員や従業員へのインセンティブとして、1株=1円という破格の安さで購入できる権利が多く含まれています。
 

💡 どれくらい儲かる?ストックオプションの仕組み

 

ストックオプションは、あらかじめ決められた価格(行使価額)で将来株を買える権利です。

  • 一般的な例(行使価額500円・1万株の場合):
    株価が3,000円に値上がりした時に権利を行使すると、500万円で買った株を3,000万円で売却できるため、2,500万円の利益になります。
  • GOの「1円ストックオプション」の場合:
    行使価額が「1円」のため、現在の株価(仮に3,400円とする)であれば、1株あたりほぼ3,400円丸ごとが利益になります。

持っている人からすれば夢のような制度ですが、一般投資家から見れば、株価が上がるたびにこれらが市場に降ってくる(=上値が重くなる)という慢性的な売り圧力に繋がります。

 


3. 現在の需給状況と直近の注目イベント

 

重い需給構造を持つGOですが、直近では需給の改善やプラスのイベントも控えています。

  • 信用買残の整理(需給改善): 9月中旬には400万株を超えていた信用買残ですが、直近では320万株台まで減少。徐々にシコリ玉の整理が進んでいます。ただし、依然として信用倍率は40倍を超えており高水準です。
  • TOPIX(東証株価指数)への新規採用: 2026年10月30日付でのTOPIX採用が決定しています。インデックスファンドによるまとまった買い需要(パッシブ買い)が発生するため、これが短中期的な下支え要因として期待されています。
  • 1Q決算発表: 2026年10月15日に今期第1四半期の決算発表を控えています。通期の営業利益+84.6%という強気な計画に対して、順調な滑り出しを見せられるかが目先の最大の焦点です。
 


4. まとめ:GO(581A)の投資戦略

 

GO株式会社は、タクシー配車アプリの圧倒的シェアを背景に業績は非常に好調です。しかし、以下のスケジュールに沿った需給リスクが常に付きまといます。

  1. 10月15日: 1Q決算発表(成長トレンドの確認)
  2. 10月30日: TOPIX採用(買い需要イベント)
  3. 12月12日: 180日ロックアップ解除(大株主の売り警戒)
  4. 常時: 大量のストックオプションによる利益確定売り

ファンダメンタルズ(業績)がどれだけ良くても、大量の潜在株式と大株主のロックアップ解除によって株価が乱高下しやすい地合いが続きます。目先の決算や10月末のTOPIX採用による上昇ののち、12月のロックアップ解除に向けてどのような値動きを見せるか、需給動向を注意深く守っていく必要があるでしょう。