こんにちは!

 

今回は、2026年8月4日に東証グロース市場へ新規上場(IPO)した株式会社エブリー(607A)について、IPOの基本情報から、投資家なら必ずチェックしておきたい「ロックアップ」や「公開株数の内訳」の意味までをわかりやすく解説します。

 

「レシピ動画メディアの『デリッシュキッチン』の会社だけど、投資対象としてどうなの?」「目論見書の数字の意味がよくわからない…」という方は、ぜひ参考にしてください!

 

 


1. エブリー(607A)IPO基本データ

 

まずは、エブリーの上場時における主要なデータを振り返ってみましょう。

  • 上場日: 2026年8月4日
  • 市場: 東証グロース
  • 公募価格(公開価格): 230円
  • 初値: 294円(公募価格比 +27.8%)
  • 主幹事: SMBC日興証券
  • 公開株数合計: 6,808,400株
  • 吸収金額(公開規模): 約15.6億円

公募価格230円に対して、初値は294円と+27.8%の好発進となりました。吸収金額(市場から集めるお金の規模)が約15.6億円と、グロース市場の中では「中規模(重すぎず軽すぎず)」なサイズ感だったことも、底堅いスタートにつながった要因と言えます。

 

 


2. 投資家必見!ロックアップ情報と「345円」の壁

 

IPO株をセカンダリー(上場後の市場)で取引する際、絶対に無視できないのが「ロックアップ(大株主の売却制限)」です。

 

エブリーには、主に以下の2パターンのロックアップが設定されています。特にベンチャーキャピタル(VC)の「1.5倍解除条項」には注意が必要です。

 

⚠️ 注意:90日間 + 1.5倍解除条項

  • 解除株価条件: 345円(公募価格230円の1.5倍)
  • 解除日(期間満了時): 2026年11月1日
  • 対象株主: WiL Fund II, L.P.、DCM Ventures、グロービス、DBJキャピタルなどのVC(ベンチャーキャピタル)系

【ここがポイント!】
株価が345円以上になるか、上場後90日が経過するとロックアップが解除され、VCが一斉に売りを出せるようになります。VCの保有比率は約22%と高めなため、株価345円付近や11月1日前後は「売り圧力による需給悪化(株価の上値が重くなるリスク)」を意識しておく必要があります。

 

🔒 180日間(価格解除条項なし)

  • 解除日: 2027年1月30日
  • 対象株主: 吉田大成氏(社長)、KDDI、伊藤忠食品、加藤産業、菅原千遥氏など

こちらは株価に関わらず、約半年間は売却できない制限です。経営陣や主要な提携企業が並んでいるため、こちらは目先の売り圧力にはなりにくいでしょう。

 

 


3. 「公開株数合計:6,808,400株(公募/売出/OA)」の内訳を徹底解剖!

 

IPOの目論見書を見ると、よく以下のような内訳が書かれていますよね。

公開株数合計:6,808,400株(公募:1,105,300株 / 売出:4,815,100株 / OA:888,000株)

この数字が一体何を意味しているのか、初心者向けに噛み砕いて解説します。

① 公募(こうぼ):1,105,300株

  • 意味: 「会社が新しく発行した株」です。
  • お金の行き先: 投資家が買ったお金は、そのままエブリーの会社の口座(金庫)に入ります。今後の事業拡大や設備投資の資金として使われます。

② 売出(うりだし):4,815,100株

  • 意味: 「すでに元からいた株主(創業者やVC)が手放した株」です。
  • お金の行き先: 投資家が買ったお金は、元の株主のポケット(利益確定)に入ります。会社には1円も入りません。

③ OA(オーバーアロットメント):888,000株

  • 意味: 「人気が高かったときのために用意された、追加の予備株」です。
  • 役割: 主幹事の証券会社が、大株主から一時的に株を借りて投資家に販売します。上場直後の株価を安定させるためのクッションの役割を果たします。

④ 公開株数合計:6,808,400株

  • 上記の「公募 + 売出 + OA」をすべて足した、今回のIPOで一般投資家向けに市場に流れた株の総数です。
 


 

4. この内訳から読み解く「エブリーIPO」の裏側

 

このバランスを見ると、エブリーのIPOがどんな性質のものだったのかが見えてきます。

💡 「売出」が約7割!VCの出口(エグジット)案件

全体(約680万株)のうち、約7割(約481万株)を「売出」が占めています。
これは、「会社がこれから急成長するためにお金を集める」というよりも、「これまでに投資してきたベンチャーキャピタル(VC)や既存の株主が、上場を機に株を売って利益を確定させる(出口戦略)」という意味合いが強いIPOであることを示しています。

 

だからこそ、第2章で解説した「VCのロックアップ解除条件(345円)」が、今後の株価の行方を握る非常に重要な節目になるのです。

 

 


5. まとめ:エブリー株を狙うなら「需給」に注目

 

エブリー(607A)のIPOは、初値+27.8%と順調なスタートを切りました。しかし、中身を紐解くと「VCの保有比率が高く、売出が多い『エグジット色』の強いIPO」であることがわかります。

今後のトレード戦略としては、以下のポイントに注目です。

  • 短期的には株価345円の手前でVCのロックアップ解除を警戒した売りが出やすい
  • 2026年11月1日の90日経過時点で、VCの動向(売り降してくるか、ホールドするか)を監視する

ビジネスモデル(レシピ動画等)としての成長性はもちろんですが、IPO直後のセカンダリー投資においては、こうした「需給(売りたい人と買いたい人のバランス)」を意識することが成功への近道です。

みなさんの投資の参考になれば幸いです!

 

 


📝 免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の勧誘や投資の推奨を行うものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断において行われるようお願いいたします。