■「頑張ったね」は良く効く魔法の言葉

昨年の11月に
旭川に住んでいた両親が大阪に引っ越してきて
我が家から歩いて10分くらいのところで
私の妹と3人で暮らしています

数年前から認知症とになっている父は
大阪に引っ越してきてからは毎日のように
「(旭川に)帰る」と言っています

このような状態になるのは
予想の範囲内でしたが
予想外だったのは
父のそばにいる母の状態でした

母は大阪に越してきてから
明らかに精神的に不安定になったのです

具体的には
-人の話を聞かない
-気持ちに余裕がない
-超ネガティブ思考

という感じです

母へのケアをどうしたら良いかを家族で話したところ
一度専門家に相談してみようということで
2年前にお会いしたことのある
地域包括センターの主任介護支援専門員の方(Mさん)に連絡して
両親の家に来てもらう事にしました

大阪に来る前からですが
とにかくよく喋る母は
Mさんにも怒涛のごとく話をして
Mさんは(当たり前ですが)嫌な顔一つせず
母の話を聞いていました

そしてしばらくしてMさんは
母に言いました

「お母さん
色々あったけど
頑張ってこられたんですよね」

すると母は
「そういうのはやめて下さい...」と言うと
後ろを向いてしまいました

涙を見せたくなかったのですね

母は人に弱みを見せたくない性格で
人に頼ったり甘えたりするのが苦手です

なので自分で全て背負って頑張ろうとする
一般的な人よりも頑張っているのですが
頑張るのが当たり前すぎて自分では
頑張っているとすら思っていない

しかし第三者から「頑張ったね」と言われると
普段はそう言うことがまずないので
心の琴線に触れて涙が出たと言うことでしょう

人は誰でも子どもの頃は
「頑張ったね」と言われることが多いですが
大人になるとなかなかそう言う機会も減ってきます

大人になって「頑張ったね」とほとんど
言われない人が「頑張ったね」と言われると
とても嬉しく感じるのです

なので誰が見ても「頑張った」と言う人にではなく
なかなか「頑張ったね」と言う言葉を
もらっていないような人の影の努力を探して
「頑張ったね」と言ってみましょう

 



きっと魔法のように効くと思います

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