
そうなると、主人公が「冒険者ギルド」に所属して、なにがしかの「依頼」を受注・遂行し、生計を立てるという展開が多くみられる。
「冒険者」って、どういうことになっているのかなあと、思う訳だ。
だいたいお仕事は、
- モンスターや盗賊退治。
- 商人などの護衛。
- 薬草や鉱石の採取。
- ダンジョンや遺跡の調査。
てなことが多い。
これって、冒険者の仕事か?
最後の、「ダンジョン、遺跡の調査」くらいは、「冒険者臭」がしないこともない。
危険を伴う、未知の領域への挑戦。そういう意味で。
でも、それって職業として成り立つのかなあ?
現実の世界には、「冒険家」と呼ばれる人たちがいる。
秘境を踏破したりする人たちである。
そっち(=冒険家)は、「職業」というよりも、そういうことに生涯をかけている人という響きがある。
冒険で食っていけるわけではないだろう。超一流、超有名になれば別かもしれないが。
ファンタジー世界の「冒険者」は、ごまんといる設定になっている。
一流から有象無象まで。
そうなると、職業ジャンルとして確立されていると考えなければならない。
それにしては、「冒険者ギルド」って形態は、経済システムとしていかがなものかと思う。
「薬草や鉱石の採取」って、一次産業じゃん。それなら、流通ルートができて、商品の売買という取引に落ち着くんじゃないの?
実際、ファンタジー世界にも薬屋とか道具屋があるんだから。それともなにか、冒険者ギルドというのは「採取権」とか「入山権」みたいなものを管理している、「座」のようなシステムなのか?
それもまた職業組合としての「ギルド」というものかもしれないが。
でも、そうしたら、「冒険者ギルド」で「依頼」を受けて採取するというのは、どうなの?
採ってきたら、報酬が出たり、買い取ってくれたり……。
ふつうに考えたら、採取の権利を排他的に管理して、冒険者から権利料を取り立てる方が自然じゃないか?
「株」を買わないと、採取稼業をさせないとかね。
護衛とか、討伐にいたっては、ギルドを通す意味が分からん。せめて実例めいたものを探すならば、「口入れ屋」とか「周旋屋」みたいなものか?
でもそれって、「依頼主」の方から口銭や報酬が払われるのが普通じゃない?
ギルドが成功報酬を払うというリスクを取るのは、どうかなあ。
経営として考えると、現実的ではない。
ファンタジーなので、現実的でなくともいいんだけれど。
こんな経営形態は、現実にはあり得ないよなあと考えていたら、「あれ、そうでもないか?」と思い直した。
現実社会に似たようなものが一つだけある。
「芸能プロダクション」である。
そうか! 芸人さんって、「冒険者」だったのね。