「冒険者」って、どないやねん? | 「藍染 迅(超時空伝説研究所改め)」の部屋

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小説家ワナビーの「藍染 迅(あいぞめ じん)」です。

書籍化・商業化を目指し、各種コンテストに挑戦しながら、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ、アルファポリスなどに作品を投稿しています。

代表作は異世界ファンタジー「「飯屋のせがれ、魔術師になる。」。

青年向けのラノベを読んでいる訳であるが、「異世界もの」キラキラの割合が高い。
そうなると、主人公が「冒険者ギルド」に所属して、なにがしかの「依頼」を受注・遂行し、生計を立てるという展開が多くみられる。

「冒険者」って、どういうことになっているのかなあと、思う訳だ。

だいたいお仕事は、

  • モンスターや盗賊退治。
  • 商人などの護衛。
  • 薬草や鉱石の採取。
  • ダンジョンや遺跡の調査。

てなことが多い。

これって、冒険者の仕事か?

最後の、「ダンジョン、遺跡の調査」くらいは、「冒険者臭」がしないこともない。
危険を伴う、未知の領域への挑戦。そういう意味で。

でも、それって職業として成り立つのかなあ?


現実の世界には、「冒険」と呼ばれる人たちがいる。
秘境を踏破したりする人たちである。

そっち(=冒険家)は、「職業」というよりも、そういうことに生涯をかけている人という響きがある。
冒険で食っていけるわけではないだろう。超一流、超有名になれば別かもしれないが。

ファンタジー世界の「冒険者」は、ごまんといる設定になっている。
一流から有象無象まで。

そうなると、職業ジャンルとして確立されていると考えなければならない。

それにしては、「冒険者ギルド」って形態は、経済システムとしていかがなものかと思う。
「薬草や鉱石の採取」って、一次産業じゃん。それなら、流通ルートができて、商品の売買という取引に落ち着くんじゃないの?

実際、ファンタジー世界にも薬屋とか道具屋があるんだから。それともなにか、冒険者ギルドというのは「採取権」とか「入山権」みたいなものを管理している、「座」のようなシステムなのか?
それもまた職業組合としての「ギルド」というものかもしれないが。

でも、そうしたら、「冒険者ギルド」で「依頼」を受けて採取するというのは、どうなの?
採ってきたら、報酬が出たり、買い取ってくれたり……。

ふつうに考えたら、採取の権利を排他的に管理して、冒険者から権利料を取り立てる方が自然じゃないか?
「株」を買わないと、採取稼業をさせないとかね。

護衛とか、討伐にいたっては、ギルドを通す意味が分からん。せめて実例めいたものを探すならば、「口入れ屋」とか「周旋屋」みたいなものか?

でもそれって、「依頼主」の方から口銭や報酬が払われるのが普通じゃない?
ギルドが成功報酬を払うというリスクを取るのは、どうかなあ。

経営として考えると、現実的ではない。
ファンタジーなので、現実的でなくともいいんだけれど。

こんな経営形態は、現実にはあり得ないよなあと考えていたら、「あれ、そうでもないか?」と思い直した。
現実社会に似たようなものが一つだけある。

「芸能プロダクション」である。


そうか! 芸人さんって、「冒険者」だったのね。

そりゃ、体張ってるわけだ。