こういう場合、「宗教」「政治」「経済」「歴史」は、テーマにするのにしんどい。
常識を共有していないので、どんどん話を広げていかないと、意味が通じないからだ。
なので、当たり障りのないテーマを選んだ。
「MANGA」。現代日本文化の代表格であろう。
意外と、これがツボにはまった。
「どんなマンガが好きなのか?」とか、いろいろと質問された。まあ、それが練習なのだろうが。
第二次大戦後、ヨーロッパおよびアメリカの映画、そしてウォルトディズニーのアニメーションに、日本のマンガ家は大きな影響を受けた。そのために、「動き」「時間経過」「感情」などの「動的な要素」を画面、構成のなかに盛り込むようになったのだ。
てなことを、語った。(つもり)
D先生は、「聖闘士星矢」がお気に入りだったらしい。
確かに、ローマ時代っぽい(ギリシャ?)コスチュームだし、星座にちなんだキャラクターや技なども、イタリア人向きなのかもしれない。
日本のMANGAでは、アメコミと異なり、複数の主役クラスが一つのストーリーに登場することが多い、という話もした。
「聖闘士星矢」も、その典型例。
「北斗の拳」にしても、「ドラゴンボール」にしても、準主役クラスもそれぞれのドラマを背負っている。
これは、長編連載を主流とする、日本のマンガ事情によるところが大きいと思う。
主人公一人にかかわるドラマだけでは、単調になりやすいし、種も尽きてくる。
長く続けるには、いくつものストーリーをからみ合わせる複雑性が必要なのだ。
アメコミは、基本、一話完結である。TVドラマも、そういう構成が主流だ。
「これは、数々の困難を乗り越えて、一人の青年(女性)が成長する過程を描いた物語である」という設定は、アメリカでは少数派である。
すでに出来上がったキャラクターが、毎回異なる事件に巻き込まれる、というのが、お約束なのだ。
それはさておきーー。
調子に乗ったD先生。学校のそばにある、MANGA専門店を紹介してくれた。
「Starshop」というお店である。
間口は狭いが、店内は意外に広く、日本のマンガ以外にもアメコミやイタリアのコミックスなど、いろいろと並んでいた。客は、こどもか若者ばかりだが……。
せっかくなので、買ってみた。
まずは、既に読み進めている「ONE PIECE」のつづき。

「ゴムゴムの実」とか、「ゴム人間」のくだりもイタリア語になっている訳だが、「ゴム」はイタリア語で「gomma(ゴンマ)」なので、相性が良い。
英語だと「rubber」になってしまうので、ニュアンス変わっちゃうわな。
でもって、海外ならではのものということで、アメコミも。

「Superman」や「Spiderman」よりは、「Batman」である。根が暗いので。
「バットマン-最後の危機」ってな感じだろうか?
中身は、オールカラーで、しっかりした紙質。ハードカバーなので、ずっしりと重い。
37.5ユーロ。こどもは買わないね。
アメコミは画がうるさいし、セリフが面倒くさいので、読むのが大変そう。
ぼちぼち手をつけよう。