映像は、言葉を超えるというお話。ナポリでね。 | 「藍染 迅(超時空伝説研究所改め)」の部屋

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小説家ワナビーの「藍染 迅(あいぞめ じん)」です。

書籍化・商業化を目指し、各種コンテストに挑戦しながら、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ、アルファポリスなどに作品を投稿しています。

代表作は異世界ファンタジー「「飯屋のせがれ、魔術師になる。」。

暇つぶしにと、DVDを何枚か、買いこんだ。
ナポリのアパートで、プロジェクタで壁に映写しながら、一人上映会をやる訳だ。

DVDの1枚が、「イップマン3」。ドニー・イェン渾身のシリーズ、第三作。
このシリーズは、あまりストーリーを味わうような映画ではなく、ドニー・イェンの演ずるところのイップマンが繰り広げる「詠春拳」の格闘シーンを楽しむ、という映画と、解釈している。

DVD、プロジェクタ、シアターシステムのセッティングを済ませ、いざ上映!
ソファに寝転んで見始めたら、「あれ?」となった。

通常、ナポリで買ったソフトを見るときは、メニュー画面がから「音声言語」と「字幕言語」を英語に設定して、視聴している。たまには、字幕があっても、字幕なしで音声のみで観てみたり。
さらには、字幕がイタリア語版しかない場合もあり、そんなときは「英語音声+イタリア語字幕」で、鑑賞したりもする。

今回は――。


あれ? イタリア語音声はあるが、英語音声がない。字幕は? あれ、こっちもイタリア語字幕しかない!

よく考えると、香港映画なので、そもそもオリジナルが中国語音声なのだ。イタリア国内販売版なので、アフレコがイタリア語しかないということ。

さて、どうしよう?

イタリア語音声で再生してやろうかと、一瞬思ったが、たぶん画面と音声の違和感が凄いことになるだろうと思い、結局、「中国語音声+イタリア語字幕」で鑑賞した。

こりゃあ、訳わからないかも?


そう恐れていたが、いざ始まってみると、ほとんど困らない。
もちろん中国語音声は、ほぼわからないのだが、ストーリーはほぼ完ぺきにわかる。

設定とか、悪役のキャラクター、事件の展開が、もうこってこてのベッタベタ
水戸黄門並みの分かりやすさ。
1960年前後、英国統治下の香港という時代背景がわかれば、だいたいお約束の筋立てなのだ。

中国語は早口で情報量が多いせいか、イタリア語字幕のスピードが速すぎて、字幕を読み切る時間はない。
ないのだが、チラッチラッと、キーワードが目に入ってくる。

本作でも格闘シーンは、なかなかの力作。ではあるが、サモハンが出演した「イップマン~葉問~」の衝撃は、超えられない。マイク・タイソンを出演させたことも、構成的には失敗だった。

そこそこ楽しめるので、「駄作」といってはかわいそう。良くも悪くも、シリーズ三作目という等身大。
「少林サッカー」とか「カンフー・ハッスル」くらい、振り切った表現のカンフー映画が、また出てこないかなあ。