「おっちゃん、これいくら?」
「▲×%&#ーー」
え、なんだって?
2回聞き直した結果、「1.5ユーロ」だとわかった。
買った。
「ここで、食うのか?」
「うんにゃ、持って帰る」
ビニール袋に入れてくれるようだ。
おっと、待った。味付けは要らないよ。
テーブルの上には、塩のほか、マヨネーズとか、怪しげな瓶が並んでいる。
家にかえりゃあ、「しぼりたて生しょうゆ」があらあ。
ナポリ風焼きトウモロコシ。

イメージは、なんというか、貧しいトウモロコシ。

昭和30年代のやつ? 品種改良とか、一切考えてない感じ。
細い。
固い。
甘くない。
むかしのトウモロコシは、こんなんだったなあーー。
今じゃあ、家畜の飼料にしかならないね、日本では。
今夜の主食となりました。
味?は、想像通り。固い! もっそもそ!
味うっすい!
醤油のうまさが良く分かる。
昭和一桁生まれの、うちの親父に食わせたら、泣いて喜ぶだろうなあ。
「固ったいトウモロコシが、食いてえ
」って、よく言ってるもん。

人間、子供の頃に食べたものは、一生忘れないらしい。
年を取ると、昔の味が懐かしくなるもの。
といいつつ、ビールのつまみにしてしまうのであった。

自分で焼いたら、もっと美味いかな?