「ちはやぶる――」。枕詞って、面白い。 | 「藍染 迅(超時空伝説研究所改め)」の部屋

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小説家ワナビーの「藍染 迅(あいぞめ じん)」です。

書籍化・商業化を目指し、各種コンテストに挑戦しながら、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ、アルファポリスなどに作品を投稿しています。

代表作は異世界ファンタジー「「飯屋のせがれ、魔術師になる。」。

広瀬すずさん主演で、コミックスの「ちはやふる」が実写映画化されたそうな。
撮影が、終了したというニュースを見た。

電子書籍で、愛読していたりして、内容は好きです。
名人が好きかな。

それはそれとして――。

枕詞としては、「ちはやぶる」なんだそうな。漢字にすれば、「千早振る」。
いまどき、WikiとかWictionaryでチェックしてもらうと、意味、由来はわかるわけです。

曰く:

  • 「神」または「宇治」にかかる、枕詞。
  • 「荒々しい」という意味。

分解すれば、「すごく早くて」「勢いのある」「ふるまい」という感じ?
それもまた、良しとして――。

なんで、「神」なの? なぜ、「宇治」なの?って話。


すんません。まだ、調べてまっしぇーん!
というか、まともな答えは、存在しないようです。

なので、雰囲気だけ触ってみよう。

「神」と「荒々しい」が結びつく件。

これは、「荒霊(あらたま)」ってことばが、あるわな。

神道の概念になる訳であるが。
神の本質、「神霊」とでもいうものには、二面性がある。

一つは、荒々しい魂である、「荒霊」。
もう一つが、やさしい魂である、「和霊(にぎたま)」

見方にもよるだろうが、荒霊とは神が備えている力、威力そのものをストレートにとらえたものだろう。
天変地異や、疫病を起こしたりする力。そりゃあ、怖いわな。
神は、祟るものである。

神様をお迎えして、社に祀れば、和霊となる。
これは、静かに落ち着いた魂。民に安寧と、恵みをもたらしてくれる。

この辺が、日本神道の独特なところ、というか、「癖」なんじゃないかと思う。
荒くれ者の神様に、居心地の良い「代(しろ)」を与えて、尊び、敬えば、静かになって、恵みを与えてくれる。

なんか、傷ついた流れ者のガンマンを、優しく受け入れて、手当てをしてやったり、着替えや寝床を与え、食いものを恵んでやったら、街を守るシェリフになってくれた、みたいなこと?

もともとが荒々しければ、荒々しいほど、のちのち霊験あらたかな神になる。
須佐之男命とかね。

神の魂には、ほかに「幸霊(さきたま)」「奇霊(くしたま)」という呼び名もある。
これは、神の属性であると同時に、その力のはたらきを表している。

いろいろあって、「神」な訳だ。


そういえば、縁起物の「くす玉」って、もともとは薬を束ねて神前に捧げていたことから、「薬(くす)玉」と呼ばれていたという説がある。
そうかもしれない。そうはいっても、神の属性、「不思議な力の発現」である「奇霊(くしたま)」との連想を否定できない気がする。

草を食べたら、病気が治るって――。
神の力が宿ったんじゃないの?


それは、凄く自然な考え方だと思う。
ドラクエって、神道イズムだわあ。

元に戻って、「宇治」
神様に荒々しい属性があることは良しとして、なんで「宇治」なの?

これは、その土地に何かあったんだろうねえ。
宇治といえば「荒々しい」というほど、強烈な何かが。

歌舞伎町的な?

冗談はさておき、何かの集団が住み着いていたんだと思う。強烈に荒っぽく、凄まじく強い。
鬼か、天狗か?

可能性的には、どっかの神社の神人集団というところが、ありえそうな話だと思う。
宇治神社かなあ――。