一番顕著なのが、タクシー・ドライバー。
やはり、職業柄人との接点が多く、観光客向けの営業もありますから、日本人受けに関心を持っています。
なので、タクシーを利用すると、「日本語を教えてくれ」と頼まれることがあります。
まずは、あいさつ。
良い印象を、相手に与えたいのでしょう。リピーターを獲得したり、長距離の観光コースを売り込んだり。
「Thank you.」は、日本語でどういうんだ?
「ありがとう」ですわね。そう教えてみましたが、どうもピンと来ていない。
ならば!
「どうも」で通じるよ。
「Domo?」
「Duomo」と同じだよ。
へえ、本当?!
この教え方、結構、有効だと思います。
Duomoとは、街を代表する大聖堂のことで、だいたい各都市の中心地に建っています。

昨日も、そのタクシーでナポリのDuomo前を通ったばかりだったので、上記の説明を思いつきました。
じゃあ、「Buongiorno」は?
実はこれ、意外と難しいんですよね。
イタリア語には、「おはよう」と「こんにちは」の区別がない。夕方までは、「Buongiorno!」。
タイ語なんて、一日中「Sawas Dii Khrap」ですが……。
朝は、「おはよう」だよ。
「Ohayoo?」
アメリカの「Ohaio」州と同じだよ。
ああ、「Ohaio」?!
でも、すぐ忘れそう。
実は、挨拶も「どうも」で通じるよ。
挨拶も「Duomo」???
そう、人に会ったら「Duomo」っていえばいいんだよ。
「どうも、ありがとう」、「どうも、すみません」、「どうも、わかりません」、「どうも、はじめまして」。
「どうも」自体には、ほとんど意味がない訳ですが、後ろの本文を省略してしまうという、日本語特有のむちゃくちゃな用法。
でも、「なんちゃって日本語」には、すさまじく便利な言葉ではないでしょうか?
とりあえず「Duomo...」と言いながら、微笑んだり、手を振ったり、頭を下げたり、身振り手振り、表情を加えれば、だいたい意図は通じそうです。
イタリア人にあったら、「一番簡単で、大切な言葉」として教えてあげてください。