イタリア語って、動詞の活用パターンが多いのです。
言葉にはそれぞれ「癖」があるもので。
動詞の活用形が多いのは、イタリア語の癖。
名詞が女性名詞、男性名詞、さらにその複数形と複雑なのも、イタリア語の癖。
それに合わせて、形容詞も語尾が活用変化するのも、イタリア語の癖。
癖が強いんじゃ!
先はまだまだ長いです。
それはそれで、まじめに勉強するわけですが。
早速、練習ということで、未来形を使って話してみなさいということになる。
「来年はどうするの? 来月は? 来週は? 今晩は何をする?」
そんなもん、先の計画を立てて人生を歩んでいる人が、世の中にどれほどいるのか?
その日暮らしで精いっぱいやがな。
「週末はイタリア語の勉強があるので、旅行とかは行きません」
的なことを、しどろもどろで答えたところ。
「それは、pigroだからなの?」
と、問い返された。
はい、出ました。「pigro」!
「怠け者」という意味ですね。
以前は、このフレーズに心が折れて引き下がったわけですが……。
今日は、違うぞ。戦いました。
「それは、考え方による。外出するのが好きじゃないだけだ。家にいても、やることはたくさんある。非常に勤勉なのだ!」
と、言いたかったのですが、当然うまくは言えません。
それでも、くじけず何とか言葉をひねり出しました。
「勤勉ていうのは、仕事について使う言葉よね。でも、言いたいことはわかったわ」
じゃあ、家で何をしているの?と聞かれたので、ブログを書いたり、電子工作をしたり、プログラムを書いたり、いろいろやることはあると、これもしどろもどろで訴えた。
「へえー、凄いじゃない?」
分かってか、分からいでか、怠け者ではないのねと、納得してくれたようではありました。
授業が終わって、先生が宿題のコピーを取りに行っている間、ぼーっと待っているのも芸がないので、黒板を拭いてきれいにしていました。
そこへ先生が帰ってきて、
「ありがとう。確かに勤勉だわね」
と、ほめてくれました。
ちょっとうれしいけれど、違うねん。これは、「陰徳」でええねん。
褒められよう思うて、やってることと違うねん。
少し世の中がうまく回る。
そう自分が、納得できればそれでええねん。