
でかいし、高い!
長きにわたり、ミラノ市で一番高い建築物だったのだそうな。
その高さは、当然に神への崇拝を象徴している...。
「高さ」は古来、崇拝、尊敬、畏れの対象だったわけですね。
ピラミッドしかり、マチュピチュしかり、ナスカの地上絵、山岳信仰、etc.
先日、ヨーロッパ人に日本語の単語を説明したんですが、日常の言葉にも日本人の宗教観、自然崇拝思想が入り込んでいるんだなあと、自ら感じ入ってしまいました。
それは、ごくごく普通、日常的なことば。意味さえ考えずに口に出すが、かつては「祈り」であった筈の言葉。
「いただきます」
食事の前の、ご挨拶。両手を合わせて、唱えます。
その言葉の意味、ジェスチャーの意味を、研究所的に牽強付会すると...。
1) 「いただく」とはもちろん「頂戴する」=受け取ることであるが、もっと本質的な原義は「頂き」すなわち、「てっぺんに置くこと」であろう。
「自分よりも高い場所に置きます」=食べ物に対する尊敬・尊重の念、さらには実りを与えてくれる神への感謝を、「いったん高い場所に置いて、崇めたうえで、食べさせてもらいます」という行為に込めたものであろう。
2) 「山の頂」、さらにはその上空は、神の領域と思われていた訳であり、両手を合わせる所作は、山頂の三角形を表し、もともとはその三角形を自らの頭上に差し上げて、崇敬を表したのではなかろうか?
3) 限界を超えて、妄想しよう。両手を合わせる所作の大本は、両手の親指と各4本の指で「三角形」を作ることではなかったのか? それはピラミッドの頭頂部であり、「All-seeing Eye」が宿る部分である...。


日本人の「言霊」は、それほど深いと思うのであります。