映画館で観たのは「イコライザー」。デンゼル・ワシントンが元CIAのおじさん役で活躍していました。
ただもう、理由なく強いっていう、強引な設定でした。
戦いのきっかけとなるロシア人娼婦役に、クロエ・グレース・モレッツを持ってくるあたりが憎い配役。蓮っ葉な役を上手く演じていますね。美人タイプじゃないけど、名女優となる風格あり。
ストーリーは、なし。ただもう、なぎ倒すのみ。
デンゼル・ワシントン主演にしては、脚本が薄味です。ギャラだけで出演したのか?
相手をやっつけたら終わり。そういう映画です。
今回の「映画デー」収穫は、「北国の王」でした。
タイトルだけ見ると、「演歌歌手の映画」かと思ってしまいますが。サブちゃんとか、登場しそうで。
原題は、「Emperor of the North」。「北の皇帝」ってところですかねえ、直訳すると。
ただし、映画の中では「Emperor of the North Pole」と言っていましたね。「北極の皇帝」。
貨物列車のただ乗りをする、ホームレスの英雄?の「通り名」なんですけど、北極に大地はないので、国を持たない帝王ってことなんですね。当然、権力も、財産もない訳なんですが、その分「自由」だということを暗示しているのでしょう。
映画そのものは、「男対男」の対決を描いた泥臭くも、単純なストーリーなんですが、時代背景が面白い。
1930年代の世界恐慌下、アメリカにはHobo(ホウボウ)と呼ばれる失業者があふれていた。
食いつめた彼らは、職を求めて西をめざすんですな。当然列車に乗る金なんかないので、貨物列車にただ乗りしようとする。
そうすると、それを阻止せんとする鉄道員との戦いとなる。
大ハンマーでぶん殴って、列車から振り落とすんだから、半端じゃない。列車に轢かれて死んじゃいます。
人の命に価値がなかった時代なんですね。戦争があり、恐慌が来た。
「北極の皇帝」こと、「A No.1(エイ・ナンバーワン)」を演じるのは、リー・マービン。貫禄あります。
敵役の鬼車掌?に、アーネスト・ボーグナイン。ゲジゲジ眉で、いかにも底意地が悪そう。
この二人が、ただ乗りの成否をめぐって、丁々発止の戦いを繰り広げるというお話。
血みどろの殺し合いという面があるんですが、風景といい、SLの疾走といい、どこか牧歌的な雰囲気が漂っていて、救いになっています。リー・マービンも飄々とした味を出しています。
アホみたいな設定ですが、意外と楽しめました。純粋娯楽映画。
まったく別の話。アーネスト・ボーグナインといえば、個人的にはTVシリーズ「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」。
小さな航空会社のおっちゃん役で出演していました。名脇役ですね。
ギョロ目にゲジゲジ眉、すきっ歯が印象的です。あの外見でもスターになれるんだから、ハリウッドの懐深し。
古い映画とめぐり合うためには、レーザーディスクも悪くありません。