SONYのヘッドマウントディスプレイと異なり、HDMI出力につなぐことができません。
Wi-Fi経由でYouTubeの画像を観たり、SDカード内の動画ファイルを鑑賞するのに適しています。
とはいえ、DVDやHD録画データなどを観られないのは寂しいところ。
また、折角モバイル仕様なので、ビデオカメラのビデオ出力をその場で目の前に映し出したり、ゲーム機につないだりしてみたいと思うのではないでしょうか。
EPSONアメリカのサイトでは、「試作品(?)」としてMoverio用のビデオ入力ボードの存在が紹介されていました。実際、Moverioの背面には拡張端子が仕込まれており、内蔵アプリに「外部入力」というものがあって、ビデオ信号に切り替えることができるようになっています。
EPSONアメリカは、ビデオ入力ボードを利用したユニークな使い方をユーザーに募集し、良いアイデアにはボードを貸し出すというキャンペーンを実施していたようです。
いずれオプションとして発売されるのではないかと、Moverioユーザーは期待しましたが、一向に発売される様子がないまま、後継機種が発表されてしまいました。
残念ながら初代ユーザーは置き去りにされた形です。
ネットを見ると、アメリカではビデオ入力ボードを自作したグループがいるようです。どうもしっかり専用基板をデザインして、量産しているらしい。
うらやましいなとさらに情報を集めてみると、Moverioの端子に接続するためのコネクタの形式とそのPIN配列情報を入手することができました。
(moyashikiさん、ありがとうございます)
それなら部品を買って、半田付けすれば自分にも作れるかもしれない。
もちろん失敗するかもしれない。
成功するにしろ、失敗するにしろ、それもまた楽しいのではなかろうかと、製作を決意しました。
しかし、断線したコードを修復するくらいしか半田ゴテを使った経験がないので、実際のところ精密配線ができるかどうかは自信ありませんでした。
駄目もとでやってみよう! ということで、通販で部品を購入。
肝心のコネクターが特殊なもので、一個1,800円くらいしましたが、後はたいした値段ではありませんでした。
送料込みで総額3,000円程度で揃ったんじゃないでしょうか。一部部品を多めに買ったり、道具の分は別にかかりました。
さて、休日の土曜日、朝9:00から午後3時まで、カップめんをはさんで電子工作に没頭しました。
結果、なんとか動作するものを作り上げることができました。

横から見たところ。

コネクター側の写真。

角度を変えて、もう一枚。

ステレオ・ミニジャックを基板に実装しました。

続いて、FRISKのケースに実装を試みました。
(使ったユニバーサル基板が、「FRISK」内蔵用だったので)

ビデオジャック(コード付き)を取りつけた際、余長部分を基板に巻き付けたりした関係で、分厚くなってしまい、FRISKケースの厚みからはみ出てしまいました。

それでも頑張ってケースに嵌めこんでみました。

残念、ロゴの向きが逆さまになってしまいました。そこまで考えていなかったので。
画面下側、ケースの端部に隙間が目立ってしまったので、コネクタを出すために切り取った底板を加工して、アロンアルファで塞ぎ板として接着しました。

以上で、ビデオ入力ボードの完成です!
はじめての電子工作にしては、上出来というべきでしょう。
早速テスト・ドライブしてみると、無事ビデオ入力画像をステレオ音声付で鑑賞することができました。
ただし、若干問題はありました。
Moverioで再生される画像が白トビ気味になってしまいました。
これが、Moverioの特性なのか、自作ボードの接触不良なのか、「正解」がわからないので判断できません。
まあ、それなりに実用に耐えられそうなので、よしとします。
もちろん、これはすべて個人の暴走である。