「ダピンチ・コード」には、およばないなあ。何より、結末が弱い。
「純粋知性科学」なるものを、フリー・メイソンやあらゆる宗教が伝える「古(いにしえ)の知識」に重ね合わせるアイデアは面白いが。
いわく、人間には本来神の力が秘められている。思考は物質を変容させる力がある。
南方熊楠の南方曼荼羅を連想する。
日本を代表する天才博物学者は、謎のイラストを多数残している。
その画の一つは、「思考が因果律を変化させる」または「意思が偶然を左右する」という命題を表しているように、自分には見える。
生物の進化は、本当に単なる偶然の積み重ねなのか?
鳥は「飛びたい」と願ったから、羽を持つ方向に進化したのではないか。
意思の力、すなわち思考力が強いほど「現実を変える力」も強くなるのではないか。
だからこそ人類は、他の種の追随を許さない進化を遂げたのではないか?
やがて人類が言語の殻を破り、直接思考によるコミュニケーションを実現したとき、世界は本質的に変わるのだろう。
これはすべて想像の産物である。