前回のお話です。

 

 

 

本格的に品質管理部として動き始めたモンチッチです。

 

 

相変わらず「虎の巻」を片手に、

試験官として全国の店舗を回っていました。

評価するポイントは少しずつ分かってきた。

でも問題はその先でした。

 

「分かっている」と「判断できる」は全然違う。

 

技術面なら、ある程度は基準に沿って判断できます。

でも接客はそう簡単ではありません。

「この接客は良い」

「これは悪い」

と、白黒はっきり決められるものではないからです。

 

 

その人の個性もあるし、お客様との相性もある。

だからこそ「じゃあ、どうしたらもっと良くなると思う?」

と聞かれると、私は途端に自信がなくなりました。

 

 

 

 

ここで自分の経験の浅さを痛感することになります。

そもそも私は自分自身が

指名をたくさんもらっていたわけではありません。

 

 

だから、

「こうしたらお客様に喜んでもらえるよ。」

「こうすれば指名につながるよ。」

と、自信を持ってアドバイスできるだけの経験がなかったんです。

 

 

 

 

さらに、私の性格も少しややこしい(笑)。

昔から自分が理解していないことや納得していないことを、

人に教えるのが苦手でした。

「会社がそう言っているから。」

だけでは、自分の中で消化できない。

自分で腑に落ちていないことを、

もっともらしく人に伝えることができませんでした。

 

 

その結果、フィードバックもうまくできない。

言葉を選びすぎて、結局何を伝えたいのか分からなくなる。

当然それは受験者にも伝わります。

私が担当したスタッフの、その後の指名アップ率は目標より低い結果になっていました。

「やっぱり私の伝え方が悪かったのかな。」

そんなことを考える日々でした。

 

 

 

 

そしてもう一つ苦戦したのが、

試験後にスタッフへ渡す評価表です。

もともと文章を書くこと自体は嫌いではありません。

むしろ、文章を考えることは好きな方でした。

 

 

でもここでは普段の文章とは違います。

会社の正式な文書として、

きちんとした日本語で書かなければならない。

 

 

 

しかも、この部署を立ち上げた上司たちは、

「正しく、美しい日本語で公式文書を作る」

ということをかなり大切にしていました。

できたばかりの若い部署だったからこそ、

他部署から軽く見られないように、

という意味もあったのだと思います。

 

 

過去の上司たちの評価表を参考にしながら書くのですが、

なにせ言葉が出てこない。

 

「このことをどう表現すればいいんだ?」

「この文章で失礼じゃないかな?」

 

そんなことばかり考えてなかなか筆が進みません。

ここでは自分の語彙力のなさも、

嫌というほど思い知らされました。

 

 

 

 

今振り返るとあの頃の私は単純に

経験が足りなかっただけではなかったと思います。

 

「こうしなければいけない」

「正しく評価しなければいけない」

「上司に認められる仕事をしなければいけない」

 

そんな思い込みが強すぎた。

そして何より周りからどう見られているかを気にしすぎていました

 

 

 

失敗しないように。

間違わないように。

ちゃんとした人に見られるように。

 

 

 

そうやって力が入りすぎていた。

今なら「そりゃねぇ(笑)」と思います。

でも当時の私はそんなことにも気づかず、

一生懸命「正解」を探し続けていたのでした。