22日のクリスマス・イブ | 妄想 C o C o o n

22日のクリスマス・イブ

職場を逃げるように退社して向かった先は梅田のバー。
美奈とのクリスマスディナーを予約していた。
クリスマスディナーとしては周囲の店より若干高め。
なので客層もそれほど若くなく個性的だったので、周囲の観察も楽しみながらのディナーだった。


イブではない日に集まるカップルはどうしてこの日を選んだのだろう?
それぞれの男女の見た目や会話の様子から、根拠も無い想像をしたりしていた。


僕達こそ、逆に周囲からそういう目で見られていたかも知れない。
僕達のイブは今年で3年目。
もはや僕達は言い争いをすることもなく、イブを避け必然的に祝前日のこの日に食事することをすんなりと決めていた。


食事はとても美味しかった。
彼女もとても満足していたし、いつもより良い酔い方をしたのか、いつもより多く話をした。
僕達は当分このままの関係だろうということ、彼女が僕のことを好きでいるということ。
彼女が過去そうなったように、自分を乱さないよう、マイペースを守ってこの付き合いを続けているということ。


僕はいつもより、いやいつも以上に、自分の気持ちをしゃべることができなかった。
彼女はもはや以前よりずっと、自分の気持ちを正直に伝えるようになっていた。
でも僕は逆だ。彼女の気持ちを思えば思うほど、どんどん自分の気持ちを闇に葬っている気がする。

彼女に伝えたのは、この関係を断ち切るための言葉ではなく、この関係をしばらく続けていくための上手な言葉ばかりだった気がする。
自分も彼女と同じように、自分の心を乱さないための振る舞いを自然と身に着けてしまっているのだろう。