偶然がきっかけで
美奈と別れる際に、最後に僕は彼女に、
「どうしても会いたくなったら、夜マンションまで押しかけるからね」
と伝えてから別れた。
多分、そんな風にはならないだろうと思いながら。
気持ち的には半分半分。
まだ彼女とは別れたくないという気持ちと、これをきっかけに別れるべきという気持ち。
どちらに転んでもいいように、もしもの時の宣言をしておいた。
それから数週間。
予想に反して僕は、彼女と連絡を取らなかった。
ブロガーさんとの出会いがあったり、意図的に職場のお気に入りのコや元カノと飲みにいったりして、気が紛れた部分もあったのかも知れないけど、結果的に彼女の想いは日に日にやわらいでいたと思う。
その後、意外にも彼女からメールが2通。
ひとつは「元気してる?」、もうひとつはその1週間後の休日、「いま○○通りを車で通ったでしょ?」というメール。
確かに僕は休日の昼間、車でそこを通ったばかりだった。
彼女は偶然、その通り沿いにある公園に来ていて、僕の車を見かけてメールを送ったらしい。
すっかり忘れていたのに、とたんに嫌でも彼女の事を思い出す。
けどこのメールがきっかけで、彼女とはまた少しずつメールのやりとりをするようになった。
彼女は思ったより、別れた日から変わっていない。
というか、変われていない。
別れを告げられたのは僕なのに、僕以上にその場にとどまっているように思えた。
けど、その状況を喜ぶべきか否か。
僕自身も別れる方がいい、と思って別れたんじゃないのか。
そう思いながらも、次第に元のようなやりとりの頻度になった。
そしてつい先日、再び彼女の部屋に上がった。