連休前のNさんの茶事の三日後、連休に入ってすぐ、Koさんの茶事と、茶事ラッシュ。

 Noさんは、ご自宅の一室を改装されて、広間の茶室を作られ、我々もお招き頂き、何回か時外れの茶事も催していられるのですが、小間で茶事をやったことがないので、一度はやってみたいからということで、我が家の茶室を。Nさん同様、準備には念を入れられ、随分時間をかけられたようです。前日は雨で、当日は快晴と、恵まれました。気温は少々高いものの、湿気が少なく、風も適当に通って意外に過ごしやすい。午前11時に席入り。正客は、今、朝茶事開催の準備をしているNoさん、次客は、席主がわざわざ奈良からお招きしたご友人。三客は初めて茶事に参加するYaさん、お詰は経験豊富なIsさんです。半東は、我が家でも茶事を開かれた経験もあるSaさん。

 寄付きは広間で、牡丹の絵の大横物を掛け、脇床には、柳に燕の蒔絵の文箱。半東が桜湯の汲み出しを持ち出し、進行はスムースなのですが、寄付きの中は森閑とした状態。どうも茶事となると、皆さん緊張するのか、最初の内はこの状態が多く、本来は静かに談笑して気分をくつろげておいた方が良いはずなのですが。でも最初の主客の挨拶からは、正客も能弁になり、座も徐々に盛り上がっていったようです。

 軸は、席主がこの茶事もために、わざわざ入手されたもの。「千山添翠色」の句は、惜春迎夏という主題にぴったりです。鵬雲斎大宗匠の筆。

 透き木釜で、炭点前も順調に行われ、問答もきちんと行われたようですが、ご馳走は香合で、躑蠋を描いた酒井田柿右衛門の濁し手。柿右衛門は、殆ど茶の湯道具を作らないのは、ご承知の通りで、実際に茶事に使われるのを見るのは、私も多分初めてです。炭点前終わって、小卓、椅子を出して懐石の段取りに。今回は、懐石の調理を娘が引き受けました。妻の懐石は、長年の経験からの自己流ですが、娘は懐石教室などで見聞きしたやり方。どちらが美味かはわかりませんが、お客様は、両方食べるわけでもないので、問題なしというところ。献立は、味噌汁は茄子、向付が鯛、煮物椀が手製の空豆豆腐に海老、焼物は鮭、薦め鉢は、若筍の焚き合わせを、気候が暑いので、冷やして山椒味噌を掛けたもの。香の物は沢庵に牛蒡、赤蕪の三種。湯注に入れる「おこげ」も、何だか凝った物を作っていたようです。

 お正客が、懐石材料について、詳しく尋ね、味噌の製まで尋ねられて、席主は苦闘したようです。席主がご近所で愛用されているお菓子屋さん(梅花亭)に特注された「山吹」を出して、中立。さて、今回は、懐石にタッチしない妻が半東のサポート役に廻っているので、私は全くすることもなく、ブラブラしているだけで、進行状態もよく分かるませんが、離れて聞いた銅鑼の音が少し破れて聞こえたのが気になりましたが、無事、後入りとなったようです。続きは次回に。

    萍亭主