前回の続きですが、今年の初釜は、勝手気ままにやりました。

 毎年、掛軸をはじめ、割とオーソドックスにやっていたつもりですが、今年は、思い切って破調に。まず点前座を長板一つ置きにし、水指をステンドグラスの八角形の品を置き、風炉先はステンドグラス製の結界にし、蓋置もステンドグラスです。これらは、全部、妻の妹の作品です。妹はステンドグラス作家としては、日本では代表的な地位にあるらしいのですが、妻は姉の権威で、本来茶道具と関係ないステンドグラスで道具を作らせ、便利使いしているようです。その結果か、妹は、今年淡交社の「なごみ」が毎月載せている茶道具作家と道具を作るというシリーズに掲載されることになったそうです。妻としては、それを記念して、同時に、いつまで釜を掛けられるかわかたないし、作らせて使わないのもという気持で思い切って使おうということに。ガラスというと、どうしても夏を連想しがちですが、夏は茶会はなかなかやらないし、広間ではあるし、齡でもあるし、まあいいかということで、私も賛成。裏千家では、長板一つ置きに使う水指は名物で、という決まりがあるそうですが、これは我が家名物という解釈です。

  何だかクリスマスみたいと、孫に言われましたが無視。釜は大国藤兵衛の海老鐶付の平釜。炉縁は村上堆朱の四君子彫り。

 茶入も新しいものがよかろうと笠間焼の瓢形。先代と付き合いのあった作家、城戸夏男の作。仕服は手前仕立ての望月間道。茶杓は、自家作の干支の銘「沙伽羅龍王」、鯨の髭で作ったのが、まあ珍しいかも知れません。

 今年は、知人ばかりの席ではあるし、廻し飲みを復活させることにし、知人から借りたものと合わせて三組の嶋台茶碗を使い、濃茶を練りました。災害で始まった歳ですが、今後は平穏な日々が続くことを祈ります。

   萍亭主