毎朝、濃茶を飲む習慣を始めて、半年が経ちました。

 おかげで、便通も良く、体調も良いようで、血圧も下がり気味なのは、服薬のせいか茶のおかげかは不明ですが、ともかく結構なことです。問題は菓子で、濃茶を飲む前、やはり甘味があった方がというわけですが、毎朝、高価な茶の湯用の主菓子(生菓子)を食べるわけにも行かず(経済が許しませんから)、そこは適当に済ませているわけですが。甘納豆、金平糖、二人静というような、茶の湯では薄茶の干菓子をよく用いるのですが、やはり、量が少ないですから、食べたという感触より、摘んだという感じ。それでも、濃茶は美味しく飲めるものです。チョコレート、クッキー、安物のチーズケーキなども試したのですが、予想どうり、あまり合う感じがしません。クリーム、チーズ、バターやカカオの脂っこい甘味が、どうも濃茶と合わないようです。本式のケーキで試したことはないのですが、どうせ合うまいと思います。スーパーで売っているような、大福とか草餅、一口羊羹の類、いわゆる駄菓子に近いもの、これは甘さが強く、食べているあいだは、茶の湯の菓子に比べると、随分甘いなと感じるのですが、しかし、直後に飲む濃茶とは、結構相性が良いようです。最近、お土産に、鹿児島の「げたんば」という駄菓子を頂戴したのですが、黒糖の甘味が強く、食べている時は少し辟易気味の甘さが、濃茶を口にしたら結構感触が良い。茶事を催す前、お毒見で主菓子を食べる機会があったのですが、上記の菓子に比べると、流石に上品な甘さで、つまり、それほど強い甘さではないと再確認しましたが、さて、直後に飲んだ濃茶の味との相性が、大福などよりいいかというと、微妙に思えます。茶の湯の菓子が、昔より甘味が少なくなったという感想は、近年も聞いた覚えがあります。世相の移り変わりで、しつこい甘さが受けなくなった面があるかもしれません。しかし、個人的見解では、昔の濃い甘みの方が濃茶に合いそうな気もします。しかし、ここでふっと気がつきました。実はお茶事では、菓子を食べた直後に濃茶を飲むわけではありません。中立ちし、後入りして点前の後に頂戴するのですから、最低でも十五分くらいはかかる。菓子の味が濃茶に影響を及ぼすほどのことはない。そうすると、菓子は食事後の甘味、デザートとして機能すればよいわけで、なら上品に抑えた甘みの、単体で美味しい方が良いということになります。最近はあまり行われていませんが、大寄せの濃茶は、菓子を食べたわりとすぐ後に、点て出しの濃茶が来るわけで、こん場合はどうなんだという議論もあるかもしれませんが、そこまで考えることもないでしょう。余計な話ですが、最近は、創作菓子というか、和洋折衷というか、生果物を包み込んだり、和菓子の衣もだが、餡がチョコやクリームだったりする菓子にお目にかかりますが、単体では美味しくとも、茶の湯の菓子にと思い立つほどのものには、お目にかかりません。実は、私は昔、あるお茶事で、主菓子を、オランダの小皿にフルーツケーキ、ベネチアの小グラスにスイートワインの組み合わせにして出したことがあります。濃茶との相性を深く考えたわけでもなく、趣向に走っつだけで、今となっては、ちょっと反省しております。

   萍亭主