思い立って旅に出ることに。普通、三月中旬以降に出かけるのですが、今年は家庭の事情で暇が取れそうにもなく、寒いのを承知で出かけることに。

 京の冬の旅開催期間中は、未見の寺社も多いので、いつもは三月になってから行くのですが、二月は初めて。今回のお目当ては、久しぶりの公開の大徳寺三玄院。ここの燕庵写しの篁庵を見ようと思ったのですが、いざ、よく調べてみると、茶室は非公開と、断り書きがある。ゲッと思いましたが、もう旅程も組み、宿も取ったので行くことに。少し遅く東京を発って、2時前に大徳寺へ。駐車場横から三玄院へ。

 三玄院の門前と庫裏。中は例により撮影禁止ですが、庭は他の塔頭より明るい広がりを感じさせる割と石組の少ない感じです。原在中の筆の襖絵の本堂は、普通の六室構成ではなく室中の向かって右の小室の横の縁から茶室の露地に降りられるようになっています。望む茶室は、躙口の位置など忠実な燕庵写のようです。

 写真は案内パンフレットに載っているもの、載せるくらいなので以前は公開したんでしょう。明治期、西本願寺から移されたそうですが、その経緯はよくわかりません。藪内流家元の菩提寺はここだそうで、その縁なのでしょうか?ちなみに、本堂などすべての建物も明治に同じ塔頭龍翔寺の伽藍を移したものだそうです。

 続いて、やはり特別公開の芳春院へ。

 ここは昔、何回か訪れたことがあり、ある時は伝手を頼って、ここの広沢和尚好み松月軒(三畳台目)と落葉亭(七畳)を拝見したことがありますが、今回は勿論非公開。呑湖閣と小堀遠州作の庭から臨む大書院は、変わりありますんが、礼の間が二つある少し変わった本堂の前の庭、中根金作の作という石庭は記憶がない。ここは以前は桔梗の庭という花咲き乱れる庭でした。そういえば、本尊の横に祀られる芳春院殿(前田利家夫人)の像も初見。大河ドラマ「利家とまつ」に因み作られたそうですから、放送から21年、つまり、そんなに長く訪れなかったわけで、光陰矢のごとしでしょうか。新しいものとしては、裏庭奥の方に「迷雲庵」という額を掲げた茶室が見え、いつ建ったか、どんな茶室か、ガイドや受付の人に訊いても「さあ、割と最近出来たものです」というばかり。ここのご住職は、石州流大口派の家元でもあるので、その好みの茶室かも知れません。

  萍亭主