静嘉堂文庫美術館が、世田谷から丸の内に移転。昨日、開館記念展覧会にやっと行ってきました。

 予約はネットでなければ取れないシステムで、スマホも持たない我々にはどうしようもなく、電話で問い合わせ、比較的空いていると聞いた午前11時に現地へ。しかし、一杯の人で12時10分なら受け付けられるというので、整理券を貰いました。ビルの広い吹き抜けの広場

の一角に美術館入口があり、これがつまり重要文化財の明治生命館内部に繋がっているわけです。美術館前には待てるような場所もなく、広場にも玄関近くにベンチが6人分ほどあるだけ。喫茶店がビル三階にあるようですが、面倒なのでベンチで待ちます。指定時間に行くと、今度は館内入口ロビーで整列、受付で整理券と引き換えに入場券を購入。窓口は一人だけなので、多少時間を要します。建物は昭和9年築の文化財でも、美術館の中は最新リニューアルですから勿論綺麗。広いロビー(一角にはビデオが見られる開放的コーナー)を囲むように、四室の展示場。あまり広くはなく、全部合わせて、三井記念館の方が広そうです。人数制限を厳重にやっているので、入れば、ひどい押すな押すな状態ではありませんが、警備員が「展示室内の会話はご遠慮ください」と、やや威だけ高に、大声で回るのが気になります。皆さん静かだと思うんですがね。あと、トイレが館内になく、入口でハンコを貰い、少し離れた場所まで行かなければならないのは、年寄りには不便です。

 さて、展示は、名品展なので種類はいろいろ。茶道具は、国宝曜変天目(稲葉天目)、重文の油滴天目、九十九茄子茶入、松本茄子茶入、羊遊斎作の不昧好菊棗・片輪車棗・桐蒔絵茶杓、青磁砧花入、乾山の色紙皿、あと虚堂の墨蹟に馬遠や因達羅の唐絵といったところ。今まで、結構、展覧会に行っているので、初見は多分、羊遊斎の茶杓位でしょうか。東福門院お好みで、玉映の筒とか。曜変天目は、四方から見られるケースに入れられ、最新の照明だそうで、中心に影もなく、綺麗なのですが、以前、天然の光でこれを見るという企画の時に見た印象の方が、綺麗だったように思えてなりません。展示室全体の照明は、見ている人の方は薄暗い、最近の一般的な照明で、それも最新式でしょうから、ガラスの反射も少なくて見良いですが、以前の世田谷の美術館の黄色い電球色の照明で見る感じもなんか懐かしい。これは、三井記念館が日本橋に移った際、最初に行った時、あの質素な中野上高田の美術館の雰囲気が懐かしく思い出されて、前の方が良かったように思ったりしたのと共通の、老人の「昔の方が」という悪い癖ですが。日本橋の三井記念館も通ううちに、今は何とも思わず慣れきったように、ここもいずれ慣れるのでしょうが。もう、ここに行かれた方も多いでしょうに、つまらぬことを書きました。

   萍亭主